RubyKaigi2009 スペシャルレポート

Ruby会議2009 2日目レポート[更新完了]

この記事を読むのに必要な時間:およそ 12.5 分

Lightning Talks

今年のRubyKaigiはLightening Talks(以下LT)が2セッション行われました。

同じく昨日に引き続き「ドラ娘」にはナガタユウコさん。なんとチャイナドレスでの登場となり,会場は大盛り上がりでした。

画像

前説

昨日に続いて,五十嵐邦明さんからLT用タイマー「TwYM」の紹介がありました。 今回はその実装について解説し,日本語をUTF-32BEで処理しなければいけない場面でRuby 1.9のkconvを利用することで簡単に対応できたと述べていました。

画像

斎藤ただしさん「次世代数値演算ライブラリDecimalという再発明の意義」⁠

数値演算ライブラリDecimalを作成した斉藤ただしさんは,ライブラリの作成を通じて,再発明の意義について持論を展開しました。

再発明に大切なことを,再利用,慣習,シンプル,速度であるとし,これらを考えることで「Happy reinvention」を実現しよう!とアピールしました。

画像

Han Kesselsさん「Morumotto, a jruby-based OpenID service using visual authentication」⁠

「パスワードは下着のように頻繁に変えなければならない」だけど,ついつい同じパスワードを複数の場所で使ってしまいがち。それは,セキュリティ的によくないと分かってはいても,アカウントごとにパスワードを変えるのは面倒で仕方ないからです。

Hanさんが紹介してくれたMorumottoは,2枚の画像を重ね合わせて浮かび上がる情報を利用した,ワンタイム認証の仕組みです。現在プライベートβでサービスが稼働しているようなので,チェックしてみてください。

画像

Benjamin Smithさん「Monitoring the sun with Ruby」⁠

陽光インバータの会社から来られたBenjamin Smithさんの発表です。 ソーラーパネルの下に小さなインバータをつけ,そこから受け取ったデータをRubyで処理し,ブラウザ上で発電のようすをチェックするシステムを発表しました。

デモでは,一日の移り変わりを記録したデータを早送りで再現させ,会場の関心を集めていました。

画像

久保優子さん「RomanticRuby!(Rubyでギャルゲー) 」⁠

「ゲームが大好き!だけど,アクションやシューティングは苦手で,話を読み進めていくタイプのゲームが好き」と,可愛らしい衣装で登場したのは株式会社万葉の久保優子さんです。なんと,Rubyで「ギャルゲー」を作成中とのことです!

好きなゲームを紹介するスライドは,スクリーンへの接続の問題で左端が切れてしまっていたのですが「見えない部分は補完してください」と上手にフォローしていました。

ギャルゲーの開発に着手したきっかけは,⁠プログラマたちの会話って変わっているよね」という会話だったそうです。そこから話が膨らみ,⁠あなたはEmacs派?それともvi派?」という質問への受け答えで女の子の機嫌が変わるような,とてもニッチなギャルゲーの構想に辿り着きました。万葉の社長に「作りたい!」と申し出たところ,すぐにOKが出たそうです。

「その名もRomanticRuby!略してRoR!」興味を持った方,ぜひ追いかけてみてください!

画像

高野光弘さん「Ruby on Arduino」⁠

Smalltalkからオブジェクト指向が大好きになりRubyにたどり着いたという高野光弘さんは,ArduinoというハードウェアをRubyでコントロールし,ハードウェアを操作することでLT自体を進めるというデモを披露しました。

ハードウェアのトラブルか発表順序を遅らせる場面もありましたが,二度目はつつがなく進行し,⁠たまにはハードウェアをいじるのも楽しいですよ」と述べていました。

画像

Arndt Lehmannさん「rubyrep - database replication that doesn't hurt (developed in ruby)」⁠

Arndtさんが紹介してくれたのはrubyrep極めて簡単に扱えるRDBMSのレプリケーション用ライブラリです。現時点でPostgreSQLとMySQLに対応しています。

簡単な設定ファイルを書くだけで,LinuxやWindows上で動作し,JRubyを使うこともできます。

画像

黒田拓さん「BABY - 初心者のためのグラフィックライブラリ」⁠

黒田拓さんは,Rubyで簡単にグラフィックをプログラムできるBABYというライブラリを紹介しました。

Basicのように簡単な記述で,画像の読み込み・保存や描画を行えるライブラリです。 ヘビープログラマではなく,初心者である「ベビー」プログラマに使ってほしいとアピールしました。

画像

植村優一さん「Rubyでの(力技)でのネットワーク運用」⁠

NTTコミュニケーションズに務める植村さんは,ネットワーク運用の現場でRubyを使って闘ってきた経験について話してくれました。

単純な「ネットワークの監視」だけであれば,汎用製品が使われることが多いのですが,⁠○○のときは□□する」と,監視以上の作業を自動化するのは難しいです。まして,ネットワークの設定には変化が付きもの。重要なのは「変化を受け入れること」であると捉え,Rubyを活用した運用に乗りだしたとのことでした。

「RSpecを使ってネットワーク装置の検証コードを記述しておくと,読みやすくてオススメです」⁠運用現場でもコーディングの機会を増やして,エンジニアを成長させる意味もあります」と話していました。

画像

荒木靖宏さん「rubyによるお手軽CDN作成のすすめ」⁠

Debian Project Memberの荒木靖宏さんの発表です。Debianプロジェクトのサーバがダウンするたびにメールが飛んでくることに嫌気がさし,cdn.debian.netというコンテンツデリバリネットワークをRubyで構築した際のアプリケーションについて解説しました。いくつかの設定ファイルを書くだけで簡単に構築できることをアピールしました。

Twitterへ報告する機能を実装したところ,発言が増え過ぎてしまい使えなかったそうです:-)

画像

Kenneth Kalmerさん「Facing your daemons」⁠

Daemon Kitの作者であるKennethさんがこのライブラリの魅力を語ってくれました。

Daemon Kitはその名の通り,様々なdaemonをRubyで簡単に作れるようにしてくれるツールです。簡素なYAMLの設定ファイルを書くだけで,任意の処理を実現できます。動作環境に合わせて,開発環境ではログを詳細に出力し,本番環境ではなるべくプロセスが死なないように処理を続行する,のように使い分けられます。

画像

須藤功平さん「ActiveLdap」⁠

須藤功平さんは,木構造データを持つLDAPをRubyで処理するActiveLdapについて発表しました。

ActiveRecordのようなvalidate機能をもち,リレーションを設定することもできます。 Railsとの親和性も高いです。 親切なメッセージやRuby 1.8,1.9,JRubyへの対応などをアピールしました。 当日の午前中に1.1.0をリリースしたと発表し,会場から盛大な拍手が贈られました。

画像

著者プロフィール

大和田純(おおわだじゅん)

ハンドルネームはjune29。RubyKaigi2009当日スタッフ(KaigiFreaks)。

ディスカバリーエンジン「デクワス」を開発・運用中のサイジニア株式会社勤務のWebクリエイタ。北海道出身。技術が人々の生活をどのように豊かにしていくかを考えるのが楽しくて,新しいものはどんどん日常に取り入れてみる。好きな言語はRuby。尊敬する漫画家は荒木飛呂彦先生,好きな擬音語は「メギャン」。

URLhttp://june29.jp/


白土慧(しらつちけい)

ハンドルネームはkei-s。RubyKaigi2009当日スタッフ(KaigiFreaks)。

ディスカバリーエンジン「デクワス」を開発・運用中のサイジニア株式会社勤務のWebエンジニア。札幌市出身。大学時代にWebと複雑ネットワークの楽しさを知る。人と情報のつながりを考えるのが好き。好きな言語はJavaScriptとRuby。好きな小説家は舞城王太郎。

URLhttp://d.hatena.ne.jp/kei-shttp://friendfeed.com/keis