YAPC::Asia Tokyo 2013 スペシャルレポート

YAPC::Asia Tokyo 2013 2日目レポート[更新終了]

この記事を読むのに必要な時間:およそ 11.5 分

19日から21日までの3日間,慶応大学日吉キャンパス 協生館にてYAPC::Asia Tokyo 2013が開催されます。本日は21日,最終日です。ここでは,2日目の模様を随時レポートしていきます。

※すべてのセッションをレポートするわけではないことにご注意ください。

藤原洋記念ホールに入るところには,スポンサー企業,個人スポンサーの提灯が飾られています。お祭りであることが実感できます。

画像

画像

Yusuke Wadaさん「Mojoliciousでつくる!Webアプリ入門」

このセッションでは,昨年のベストスピーカー賞のyusukebeさんが「初心者がどのようにWebアプリケーションを開発するか」をMojoliciousをベースとして説明しました。

「これからWebアプリケーションを作りたい!」という人をターゲットとし,「占いアプリ」をテーマに,他のWAFの紹介やMojoliciousの開発状況,MVCの概念についての説明,大きなアプリになった時の対処方法まで幅広い発表となりました。

「Mojoliciousが軽量」とは,重厚と呼ばれているCatalystと比較してであるため,中立的にどちらが適しているかを考えることが重要だと釘をさしながら,軽量ゆえに「Hello world」サンプルからどのようにアプリを作っていけば良いのかがわかりやすいと述べました。

多くのサンプルコードを示しながら,1) MVCの分離の方法とそのメリットについて,2) MVCすべてを含むRuby on RailsとMVCのうちRouting / ControllerとViewのみを含むMojoliciousのミニマルで良いところの説明,3) 小さいアプリからどのように大きいアプリを作っていくかについて説明しました。

また,MojoliciousはMojolicious::Liteを利用することで小さくはじめて,アプリのコードが大きくなってきた場合にもController/ Viewなどをファイルやモジュールに分割するこで十分利用できるWAFであると述べていました。

このなかで初心者がとるべく指針として「分けることは分かること」を挙げました。その意図として,適切に分割することでわかりやすくなる,分かるから分割できるようになる,これらのことを繰り返し述べていました。またその過程で少しずついろいろなことができるようになったフェイズで「俺ってばすげー体験」を大事にして学ぶことで,様々なWebアプリケーションを作ってもらいたいという思いを感じました。

画像

画像

Yasuhiro Onishiさん「はてなのイマドキの開発フロー」

はてなブログのディレクターである大西さんによる,「はてなブログの開発フロー」と題した発表です。

はてなブログは84週連続で新機能をリリースしており,この記録は現在も更新中だそうです。このハイペースな開発を支えているのは,GitHub Enterprise(以下GHE)を中心にした開発フローによるもので,この開発フローでは自動化,効率化,安定化を実現するために様々な取り組みをされているとのことでした。

「自動化できるものは極力自動化し,ミスの再発防止を仕組み化するべき」とした上で, 良い開発プロセスというのは,「プロセスをフレームワーク化すること」「チームやサービスにマッチしたものを利用すること」であると話していました。

具体的な事例としては,タスク管理・ワークフロー,テスト・CI,そしてリリース管理をテーマに,はてなブログの開発フローについて説明しました。

発表では,GHE以外のツールを使用せずに タスク管理を実行する方法や,Gitでのブランチの戦略,IssueとPull-Requestの活用法,milestoneとIssueを組み合わせて期限を設定するテクニックや,レビュー,テストの基本やCI,IRC等の外部コミュニケーションツールとの連携など,話題が多岐に渡っており非常に興味深い内容でした。

最後に大西さんは,「人はミスをするので仕組み化とサポートするツールの利用を心がけるべき」,「開発フローの改善にコストをかけることによって,トータルのパフォーマンス,サービスのクオリティは向上する」と締めくくりました。

画像

画像

fujiwaraさん「社内ISUCONのつくりかた」

ISUCON(いいかんじにスピードアップコンテスト)は2011年8月に第一回が開催され,今年の11月に3回目が開催される予定です。仕様を満たしていればOS設定をいじるのもアプリ自体を書き換えるのもありなどルールの自由度が高く,エンジニアとしての総合力を試されるコンテストです。この発表ではKAYAC社の新卒研修の一環として開催されたISUCONについて,開催する上でのノウハウを紹介しました。

まずは新卒研修の概要を紹介しました。サーバのセットアップから,HTTPプロトコルの基礎,Webアプリケーションフレームワークを使ったアプリの開発などを駆け足で学び,そこで作ったアプリをISUCONの題材として使ったそうです。

続いて本題のISUCONの説明です。まずお題に弱点を残して,改善可能な項目を作っておくのがよいようです。今回はindexのないテーブルや非効率なクエリを仕込んでおいたそうです。実際のコンテストであるような高度な罠系は避けたとのことでした。システム構築面ではParalle::Benchmark,Furl,http_loadを利用してベンチマークツールを作ったり,Plack::Testで作ったテストコードをFurlでの呼出しに変えてチェッカとして流用したり,Ukigumoにパッチをあててスコア表示に利用するといったノウハウを紹介しました。

普段同じ条件のアプリを書くことはほとんどないこともあり,同じ条件で競いはうのは非常に楽しいとのことだと締めくくりました。

画像

画像

著者プロフィール

東聡志(あずまさとし)

北海道函館市出身。都内大手IT企業でプログラマーとして勤務。Perl Beginnersという勉強会を主催。 最近では,麻疹にかかったようにWAFのようなものを書いている。

Twitter:@ytnobody
Web:http://ytnobody.net/


臼井洋文(うすいひろふみ)

京都府京都市出身のプログラマ。仕事ではPerlでサーバサイドを書きつつ,Objective-CでiOSアプリの開発をしている。週末はボルダリングに勤しむ日々。

Twitter:@usuihiro
Web:http://d.hatena.ne.jp/usuihiro1978/


川上大喜(かわかみたいき)

北海道函館市出身,Hachioji.pm所属。大学院在籍の傍らアルバイトとしてソフトウェア開発に従事。ここ最近の趣味はVimプラグイン開発とChrome拡張開発。今年から始まる就活のことを考えると胸が締めつけられる。

Twitter:@moznion
Web:http://moznion.hatenadiary.com/


藤沢理聡(ふじさわまさあき)

神奈川県在住。本業はプログラマーではないが,心はプログラマー。仕事でもプライベートでもプログラミングをする日々。 長くPerlを愛用している他,ここ数年はPerl 6にも挑戦している。

Twitter:@risou
Web:http://www.risouf.net/


本間雅洋(ほんままさひろ)

北海道苫小牧市出身のプログラマー。好みの言語はPerlやPython, Haskell, Scala, Objective-Cなど。在学中は数学を専攻しており,今でも余暇を利用して数学を嗜む。現在はFreakOutに在籍し,自社システムの開発に力を入れている。

共訳書に「実用Git」(オライリー・ジャパン),共著書に「FFmpegで作る動画共有サイト」(毎日コミュニケーションズ)がある。

Twitter:@hiratara
Web:http://d.hatena.ne.jp/hiratara/


森藤大地(もりふじだいち)

ISP勤務。卒研でPerlのプログラムを組んで以来, Perlを利用している。 CROSSというエンジニアイベントを主催していたりする。 d3の翻訳やひとりアドカレなど,解析・可視化業務を行っている。

Twitter:@muddydixon
Web:http://muddydixon.hatenablog.com


山中裕之(やまなかひろゆき)

ドラゴンズファン。某会社のプログラマとして活動中。好きな言語はPerl, Ruby, C, C++, Haskelなど。武術が好きで休日はいそしんでいる。

Twitter:@hiroyukim
Web: http://hiroyukim.hatenablog.com

コメント

コメントの記入