NEWS & REPORT
Sun,Project Blackbox(プロジェクト・ブラックボックス)初来日
今年のJavaOne Conferenceレポートで紹介したProject Blackbox(プロジェクト・ブラックボックス)の発表会が行われました。
Project Blackboxは,世界初となるコンテナ型仮想化データセンターで,2006年10月19日の発表以来,初めて日本に上陸しました。
60億人のネットワークに対応するために
はじめに,サン・マイクロシステムズ株式会社代表取締役社長 末次朝彦氏より,Project Blackboxの開発の経緯を含めた,Sunとしてのデータセンター戦略について述べられました。同氏は「The Network is The Computer」という,Sunの企業理念について触れ,現在全世界で15億人近くがネットワークにつながっていること,この数字は将来的に加速度的に増加していくことが予想されていることを取り上げ,そのときの課題となるのがインフラの整備である点を挙げました。
「仮に全世界60億人がネットワークにつながる状況を考えたとき,その莫大なトラフィックに耐えうるインフラの整備は必要不可欠です。ソフトウェア,ハードウェアさまざまな要素での検討が必要ですが,中でもデータセンターの拡充は欠かすことができません」(末次氏)。
仮想化とは―より実質的に使うこと
一方で,データセンターを拡充するときに問題となるのが,温室効果ガスへの影響など排熱を含めた環境問題です。このような将来的な目的と課題について,Sunが導き出した解決策がデータセンターの仮想化―Project Blackboxです。
「私たちが考える仮想化とは,ないものをあるように見せる意味での仮想化ではなく,実際にあるものを“より実質的に使う”ことを意味する仮想化です。たとえば,1つのハードウェアを実質的に複数の環境として使用することにより,余剰の能力を効率的に使うことができます」。末次氏はこのように述べました。
その結果,省電力,パフォーマンスの向上を実現でき,データセンターのグリーン化につながるとのことで,すでに,この戦略は,米国,英国,インドのSun企業内にて実施されいます。中でも米国(Sun Santa Clara)のデータセンターでは,エネルギーコストを60%,設置スペースを88%に削減し,計算能力は450%以上向上,ストレージ容量は240%以上増加させた実績を上げています。
「このような戦略の成果物として考えられたのが,データセンターのモジュラ化,仮想化を実現した“Project Blackbox”です」(末次氏)。
初来日!Project Blackbox
末次氏の紹介の後,同社システムズ・ビジネス統轄本部主幹部長 馬場寿氏が,Project Blackboxの仕様を中心に,その全貌を紹介しました。
まず,Project Blackboxの利点として以下の4つを挙げています。
- 迅速な展開
- 高密度コンピューティング
- エネルギー効率の改善
- 可搬性と柔軟性
迅速な展開とは,一度構築すればさまざまなシーンでの展開が可能という意味で,従来のデータセンターと比較して約1/10の期間で展開できるとのことです。
高密度コンピューティングについては,ラックあたりの許容量が25kWと,従来の約4倍を実現している他,SunのCMT(Chip-level Multi-Threading)やx64のサーバマシンを使用することで,より高いパフォーマンスが実現できます。
さらに,Project Blackboxは冷却コストを40%削減しており,eWaste(コンピュータ機器廃棄物)を低減する仕組みを採用し,エネルギー効率の改善を行っています。
最後の可搬性については,冒頭の迅速な展開とも関係するもので,ISO標準の20トン輸送用コンテナを拡張しているため,車両,鉄道,船,航空機など,現存する主要な輸送手段にて,そのまま運搬可能な点が挙げられます。
その他,細かな仕様については写真3,4をご覧ください。
Project Blackboxは,現在Early Accessという形で,すでに
- Stanford Linear Accelearator Center(米国スタンフォード大学)
- Mobile TeleSystems(ロシア)
- Sun HPC Grid(米国Sun,Menlo Park)
の3ヵ所にて導入・運用されています。
Sun HPC Gridでは写真5のような構成で実現されています。


