第0回gihyo.jp FreeBSD勉強会開催―目指すのは「日本のFreeBSDユーザが集まる“場”」

4月15日、⁠株)技術評論社オフィスにて、⁠第0回gihyo.jp FreeBSD勉強会」が開催されました。この勉強会は、FreeBSDコミッタである佐藤広生、後藤大地両氏の発案がきっかけとなり実現したもので、Software Design⁠FreeBSD Expert』や、FreeBSD Daily Topicsなどの読者を中心としたFreeBSDユーザがリアルに集い、コミュニケーションする場として定期的に開く予定です。

第0回の応募倍率は3.5倍!

開催に先立ち、実行委員の一人である⁠株⁠技術評論社 馮富久より、勉強会設立の背景と経緯の説明がありました。まず、第0回に関しては20名の定員に対して70名の応募があったという、予想以上の注目を集めたことが紹介されました。そして「こういう形で勉強会が開催できたことを嬉しく思います。今回は第0回という位置付けで、参加された皆さんのご意見をいろいろ伺いたいと思います」と、オープニングの挨拶が行われました。

開会にあたって挨拶を行う技術評論社 馮富久
開会にあたって挨拶を行う技術評論社 馮富久

第1回目に向けて

挨拶の後、企画委員の一人、後藤大地氏より「第0回 設立の案内」と題したプレゼンテーションが行われました。

第0回のプレゼンテーションを担当した(有)オングス 後藤大地氏
第0回のプレゼンテーションを担当した(有)オングス 後藤大地氏

まず開催の背景として、先日開催されたAsiaBSD Conにおいて、参加者やスポンサーから

  • 「FreeBSDについて議論できる場所がない」
  • 「どこに話をもっていけばいいかわからない」

という声が上がった一方で、⁠何か交流の場を設けなければならないとは思うものの、具体案がなく、うまくいかない状況」⁠後藤氏)が続いていたことがあります。

そこで一歩進めて、実際にフェイス トゥ フェイスでコミュニケーションが図れる場、FreeBSDについて討論したり、情報共有ができる場をまず作ってしまおう、と考えたのが開催に至るきっかけでした。そしてこの話が技術評論社へ持ち込まれ、今回のような形で実現したという経緯が説明されました。

具体的に「場」を作るにあたって、

  • 月1回のペースで毎月開催
  • 仕事が終わったあとも参加できるよう、19:00から1時間程度を検討
  • 勉強会のあとには懇親会を企画(希望者/有料)

といったフレームを決め、これをベースに継続して開催することで、⁠月に1回、FreeBSD勉強会が実施されているという認知を広め、これを起点に交流や勉強ができる場所を広げる」ことを目指しつつ、現実的な課題であるリソース不足をふまえて、まずは長期に運営していける仕組みを模索する、という勉強会の目標について説明されました。

今後については、下表に挙げたサイトやサービスを通じて、情報を発信していく予定です。

 gihyo.jp FreeBSD勉強会に関する情報源

会場からの声―「勉強会」から「交流会」まで

このようなFreeBSD勉強会の狙いについての説明の後、本勉強会に期待すること、実現してもらいたいことなどをテーマに、後藤氏を中心に、参加者を巻き込んだ形でのディスカッションが行われました。

会場には、dankogaiこと小飼弾氏の姿も。FreeBSD歴10年以上だから期待すること、改善してほしいことなど、本音の意見を述べていました。
会場には、dankogaiこと小飼弾氏の姿も。FreeBSD歴10年以上だから期待すること、改善してほしいことなど、本音の意見を述べていました。

このほか、会場から上がった声には次のようなものがありました。

  • FreeBSDの用途はサーバがメイン。クライアントサイドでの普及が必要では?
  • そもそもの勉強会のターゲットをどうするか?
  • ヘビーユーザ(10年以上)と、それ以外のユーザとの壁をなくすためには?
  • たとえば改訂第二版 FreeBSDビギナーズバイブルをテキストとして、初心者向けのFreeBSD講座を開催する。
  • 業務で使える場合と使えない場合の差があるので、業務で使いやすくするための方法について議論する。
  • FreeBSDユーザが気になる事例をいくつか紹介する(ライトニングトーク形式⁠⁠。
  • 初心者をターゲットにした内容で、しきいを下げる。
  • ハンズオンでインストール大会を実施する。

このようにアイデアレベルから具体的なものまで、非常にたくさんの意見をいただくことができました。この点について、⁠おそらくFreeBSDユーザは日本に数多くいる反面、ここ数年こうした『自分たちが考える課題や悩みを共有する場』が減ってきていたという現実があったと思います。今回第0回の反響を見て、本勉強会の存在価値がとても高く、また期待されていることを再認識しました」と、発案者側(馮)も勉強会終了後にコメントしています。

20名の参加者がFreeBSDへの思い、期待を込めた意見交換を行いました
20名の参加者がFreeBSDへの思い、期待を込めた意見交換を行いました

勉強会の枠を超えた“場”づくり

会場から出た意見の中で、とくに多くの賛同が得られたのが「ネーミング」に関するものです。つまり、⁠勉強会」という名前の場合、どうしても参加者の意識は「学習」⁠技術習得」といったものに触れがちになってしまうので、ここを再考しても良いのでは、という意見でした。

この件については、さっそく実行委員のほうでも検討課題として取り上げ、⁠たとえば、⁠FreeBSDの場⁠というような表現をすることで、その中で勉強会を実施したり、交流会だけの回を設けるなど、たくさんのニーズを満たせるものが良いですね」と後藤氏はコメントしています。

本件については、第1回開催に向けて、プログラム内容とともに検討されることになりました。詳細は、前述の表などで随時お知らせすることになっています。

懇親会でさらに交流を深める

1時間のプレゼン&ディスカッションの後、同じ会場にて軽食とともに懇親会が開催されました。参加者が皆、FreeBSDに対する思いや考え方を述べながら、ユーザ同志の交流を深めていました。第1回開催に向けて期待を込める形で、第0回は閉幕しました。

懇親会は、お酒を片手にカジュアルな雰囲気で行われました
懇親会は、お酒を片手にカジュアルな雰囲気で行われました
gihyo.jp FreeBSD勉強会
http://gihyo.jp/event/01/freebsd

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