レポート

「WordCamp Tokyo 2009」詳細レポート

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4月12日(日),葛西区民館でWordCamp Tokyo 2009が開催されました。

WordPressの創始者であるマット・マレンウェッグ(Matt Mullenweg)さんを迎え,彼の基調演説を含む8つのセッションと4組のライトニングトーク,そしてマット氏への白熱した質疑応答と,非常に充実した WordPressのイベントとなりました。

筆者もセッションでお手伝いをさせていただいておりましたが,前日のスタッフ顔合わせや舞台裏でお話しさせていただいたことも含め,WordCamp Tokyo 2009のレポートをさせていただきたいと思います。

WordPress地域コミュニティ,“WordBench”紹介

最初のセッションは,三好隆之さんiDeasiloによるWordPressの地域コミュニティWordBenchの紹介から始まりました。

WordBenchとは地域に密着した,WordPressユーザ同士の「堅苦しくない(三好さん)」集まりを提供する場として運営されているWordPressコミュニティサイトで,既に12地域,42メンバーで活動されているとのことです※1)。

コミュニティサイトとしての仕掛けとしては,WordPressのマルチユーザ版である WordPress MUに現在RC-1である,WordPressのSNS用プラグインBuddyPressを導入されているとのことで,こちらに興味がある方も必見です。

現在のWordBenchの動きと言うことで,三好さんから福岡でのWordPress勉強会の告知,またこの後のセッションにも登場する池田百合子さんより,川崎での活動報告もあり,和気藹々とみなさん交流されている様子が紹介されました。

写真1 WordBenchの福岡コミュニティを説明する三好さん

写真1 WordBenchの福岡コミュニティを説明する三好さん

※1
WordBenchはWordPressユーザーのための地域ソーシャルコミュニティです。WordPress に興味があり,同じ地域のユーザーと交流したい方はぜひご参加ください。また,お近くにコミュニティがなければ発起するのも良いと思います。

基調講演

WordPressの創始者,マット・マレンウェッグさんMatt Mullenweg — aka Photo Matt —Automattic, Inc.の基調演説です。25歳という若さにもかかわらず,終始堂々とそしてジョークを交えながらの基調演説となりました。

写真2 WordCamp Tokyoの開催を祝福

写真2 WordCamp Tokyoの開催を祝福

はじめに「昔,Movable Typeで個人ブログを持っていたが,再構築にイライラするようになってPHP/MySQLベースのb2というツールを代わりに使い始めたんだ。主要開発者がいなくなって開発が止まってしまっていた b2についてブログに投稿したところ,『本気でやる気があるなら一緒に後継版の開発をやろう』というイギリスのマイク・リトル氏のコメントがつき,そこからWordPressは始まった」と,WordPress誕生を振り返りました。

そのWordPressについて「最初はダウンロード数もほとんどない小さなプロジェクトだっただけど,今では世界40ヶ国中でWordCampイベントが開かれるほどになった」と紹介しました。

写真3 初期の頃のWordPress画面を紹介

写真3 初期の頃のWordPress画面を紹介

現在では「英語版の公式ディレクトリには4200以上のプラグインがあり,ワンクリックでインストールできる」ことに言及しました。

そして,「次バージョンの2.8では,ウィジェット機能の改善,カスタム・タクソノミー,(現在公式ディレクトリに700以上ある)テーマのワンクリックインストール,インラインのドキュメンテーション/ヘルプ機能,スピードの改善などが組み込まれる予定」であることが示されました。

また,「Automattic社が運営するレンタルブログWordPress.comは,1ヶ月に2億4千万以上のユニークユーザー数を獲得しているけれど,そのうち日本からのアクセスは約13万人(0.5%)に留まっている。一方,ja.wordpress.orgからのダウンロードは1日平均916人で,著しく成長している」ことを挙げ,日本におけるWordPressの普及についても取り上げられました。

現在関心をいだいていることとして,BuddyPressのSNS的な機能はこれからの大きな目玉の一つ。今後Web 2.0,3.0と,日々ネット上にあふれる情報量はますます増えていくけど,私たちが知っていて信頼している友人というフィルターを通してその情報を選り分けていくことが重要になっていくはず」と語りました。

具体例として,「Automatticでは,TwitterライクなP2テーマを入れたWordPressをチャットやメールの代わりに使っているんだ。リアルタイム更新やコメントがスレッド形式で一覧できるところ,アーカイブ・タグ・パーマリンクなどのWordPressにある機能もそのまま利用できるところ,更新が簡単なところなど,チーム内の会話をスムーズにするのに役立ってる」ことを示しました。

写真4 Twitterライクなテーマ「P2」の紹介

写真4 Twitterライクなテーマ「P2」の紹介

最後に,「WordPress には自由(freedom)があるのが特徴。GNU GPLライセンスの元に,好きなように使い,好きなように変更し,好きなように共有・配付することができる。WordPressは誰のものでもなく,みんなのもの。大企業も個人も平等に使える新しいメディア,そしてネット上ならではのコミュニケーションができるツールを提供していきたい」とセッションを結びました。

写真5 「19歳の僕にもできたんだから,誰にでもチャンスはある!」と,照れながらも昔の写真を表示してメッセージを送った

写真5  昔の写真を表示してメッセージを送った

著者プロフィール

田中広将(たなかひろまさ)

札幌在住,ソフトウェア開発会社所属の会社員。

本業の傍ら,WordPress Pluigns/JSeriesサイトを拠点としてプラグインの作成などを行う。書籍「WordPress 2.5 でつくる! 最強のブログサイト」の著者の一人。


マクラケン直子(まくらけんなおこ)

米国ミシガン州在住。

KotobaMediaユニットに所属すると同時に,Automattic, Inc.への日本マーケット向けコンサルティング,WordPress 日本語版プロジェクトの翻訳,管理などに関わっている。

現在までに3冊刊行の「WordPress 標準ガイドブック」シリーズの著者。

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