レポート

群衆の叡智サミット2009開催―“群衆”が引き起こす価値の変革,あしたを変える 人の力・群衆の力

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イノベーションって何だっけ?

この後,岡田氏から「そもそもイノベーションって何だっけ?」というテーマが上がり,次のディスカッションが始まりました。

まず,戸上氏が行っている営業日報の公開を例に「最初にものを売れる人というのは決まっていて,その次が大切。広がっていくとき,とくに後(に売ってきた)人たちがアイデアを出し始めたときに,価値が高まっていく」と,アイデアの広がり方を紹介しました。さらに,262の法則に関しても,⁠仮に上の2(20%)の人たちを減らしたとしても,残りの2と6(80%)の人たちの中でまた新しい262の役割が出てくる」という,人の移り変わりなどを説明しました。

その他,⁠アイデアの伝わり方に関しては,イノベーターへアクセスしやすくなったことにより,⁠先ほどの鷲田氏の仮説における)第2層が増えてきている」⁠松隈氏)⁠⁠結局,そこで役立つものを考えなければアイデアの意味がない」⁠高須賀氏)など,情報の伝播の種類,それぞれが持つ意味,さらにアイデアの創出に関しての本質について話されました。

多様性と気付き

続いて,眞木氏が日立システムアンドサービスが取り組んでいる社内SNSなどによる「企業知」を紹介しました。同氏曰く「多様性と気付きが重要で,その場合,人と人,人と情報,情報と情報,これらのつながりがどうやって結びついているのか,あるいはまだ結びついていないのか」に注目し,⁠第1,第2層と呼ばれる人たちも大事ではあるが,第6層(イノベーターから一番離れている層)にもいろいろなアイデアがあるのでは」と述べました。

こうした考えのもと,⁠企業の中の知恵を有形・無形にかかわらず,有効にしていきたい。今の取り組みはその一環である」と紹介しました。

これについて,福岡氏から「まさにナレッジマネジメントの歴史にも繋がることで,これまで,いろいろな取り組みが行われてきた。その中で,私は⁠無知のマネジメント⁠が重要だと考えている」と答えました。これは「自分の知らないことは知りようがない」と割り切る考え方を意味しています。

こうした議論の後,戸上氏は「気付きというレベルで,人とか情報をつなげても何も意味はなく,結局は行動を起こさせることが大切。私から見ると眞木さんの取り組みは古い」と,眞木氏の考えに真っ向から対立しました。

ここで,一旦岡田氏から,コクヨが提供する「ドット入り罫線シリーズ」が取り上げられ,⁠これは1つのイノベーションの例であり,たくさんのアイデアが集まって生まれた結果」と,先ほどの多様性と気付きに紐付けるものとして紹介されました。

教育と学校

セッション2の最後は,松隈氏から,ユニアデックスが取り組んでいる情報共有基盤サービス「NeXtCommons」が紹介されました。これはOSSプロジェクト「NetCommons」を軸にした,教育機関における情報共有基盤で,⁠世の中には今,表と裏のネットワークがあり,学校はその典型の1つ」とした上で,このプロジェクトは「オンラインでどこまでできるかを目指すものではなく,行動を起こさせるきっかけをつくるためのもの」と説明しました。

ここで,議論が展開するかと思いきや,残念ながらタイムオーバー。最後に岡田氏から「まだまだ議論は尽きないのですが,今回はここまで。続きはネットを含めた議論で行いましょう」とまとめられました。

ぜひ,参加した皆さんは,自身のブログやSNSなどで感想エントリをアップし,自分のの考えや意見を述べてみてはいかがでしょうか。その先に,⁠群衆の叡智⁠が生まれてくるはずです。

群衆の叡智コンテスト

サミット開催中,入場受付横にスイカとマンゴーが置かれており,実際に持った感覚で重量を当てる「群衆の叡智コンテスト」が行われました。

正解は約10kgだったにも関わらず,回答者の平均は6kg強。この感覚も1つの群衆の叡智として,コンテストの意義に花を添えました。ちなみに,この平均値に一番近かった人に,⁠ミスター群衆の叡智」の称号が与えられ,計測に使われたスイカがプレゼントされました。

ミスター群衆の叡智,日立製作所の鈴木氏。スイカを手に記念撮影

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本サミットはPoken Meetsupとして,ソーシャル名刺「Poken」の販売が行われた

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