レポート

WordCamp Fukuoka 2010最速レポート(随時更新)

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WordPressのパワーと魅力

午後,最初のセッションはAutomattic社のハピネス・エンジニアとして,WordPressの啓蒙活動やコミュニティへの積極的な酸化を行っているマクラケン直子氏が「WordPressのパワーと魅力」というテーマで,WordPressを包括的に紹介した。

ハピネス・エンジニアとしてWordPressの魅力を語るマクラケン直子氏。

ハピネス・エンジニアとしてWordPressの魅力を語るマクラケン直子氏。

オープン性が持つ強み

WordPressの最大の強みはオープンであること。マクラケン直子氏は,改めてこの点を強調した。とくに,オープンソースで提供されていることに加えて,プロジェクト規模が大きくなるにつれ開発者の交流が増えていく点は,他のソフトウェアに比べても大変優位であると述べた。 また,TwitterやFacebookなどユーザをたくさん抱えているWebサービスは,ユーザがその開発状況を見たり知ることはできないが,WordPressはユーザ数が大きいにもかかわらず,誰でも知りたいときに開発状況を見られる状況にある点も魅力の1つであるとした。ちなみに,Automattic社が提供するブログサービス「WordPress.com」の最新データは,1020万ブログ,月間2.2億ユニークビジター/10億ページビューあるという。 さらに,世界各地での草の根活動であるWordCampの開催状況を説明し,年々ワールドワイドでユーザが増えていることが,現在のWordPressを支えていると,コミュニティの重要性を自身の体験とともに紹介した。

WordCampは地域ごとに行われるWordPressに特化したイベント。日本ではこれまで東京で2回,京都で1回行われており,今回は初の九州地区での開催となった。WordCamp http://central.wordcamp.org/

WordCampは地域ごとに行われるWordPressに特化したイベント。日本ではこれまで東京で2回,京都で1回行われており,今回は初の九州地区での開催となった。WordCamp http://central.wordcamp.org/

WordPress 3.0先取り情報

WordPressの強みと魅力に続いて,この春リリースが予定されているWordPressの最新バージョン3.0について,先取り情報が届けられた。3.0の見どころは,

  • WordPress MUの統合
  • 新デフォルトテーマTwenty Tenの採用
  • カスタムメニュー機能の強化

などがある。 とくにWordPress MUはアーキテクチャ的に大きな変更となる。この点について「これまでのバージョンで開発したプラグインやテーマが使えるかどうか不安になっているユーザもいるかもしれないが,大きな不整合は発生しないので心配しないでほしい」と,バージョンアップによる下位互換に関するコメントが行われた。 また,新しいデフォルトテーマである「Twenty Ten」の紹介,カスタムメニュー機能の使い方などが最新のベータ版を元に紹介された。

新デフォルトテーマTwenty Ten。すっきりとしたビジュアルになっている。

新デフォルトテーマTwenty Ten。すっきりとしたビジュアルになっている。

貢献しやすいインフラを目指して

この他,オンラインコラボレーションができる翻訳ツールGlotPress,ソーシャルねとワークサービス構築用プラグインBuddyPressといったオススメプラグインの紹介,WordPressの非営利団体WordPress Foundationの紹介が行われ,⁠WordPressは,こういった便利なツールが存在し,また,WordPress普及に向けた活動が行われています。今後は,ユーザが貢献しやすいインフラの整備を目指します。そして,将来的にWordPressがさらに成長するモデルを目指しています」と発表を締めくくった。

レンタルサーバーでのWordPressの使い方

地元福岡発の企業paperboy&co.からは,エンジニアの万野潤二氏が登壇し,同社の「ロリポップ!レンタルサーバー」上でのWordPressの使い方,エンジニア視点でのWordPressの可能性について語った。

週末は家族3人で山で暮らしているという万野氏。今回,参加者に向けてロリポップ!レンタルサーバー(http://lolipop.jp/)3ヵ月無料お試しキャンペーンが用意されていた。

週末は家族3人で山で暮らしているという万野氏。今回,参加者に向けてロリポップ!レンタルサーバー(http://lolipop.jp/)3ヵ月無料お試しキャンペーンが用意されていた。

1分もかからず使えるWordPress

まずはじめに,誰もが手軽にWordPressが使えるようにしたいという目的で,ロリポップ!やチカッパ!など,同社のレンタルサーバに標準でWordPressがインストールできるようになったことを説明した。壇上では,ユーザアカウントなど最低限必要な情報を設定するだけで,1分もかからずにWordPressが利用できるデモが行われ,手軽さを実演した。

「ここだけ設定すればWordPressがすぐに使えます」と,ロリポップ!でWordPressが利用するためのデモが行われた。実際,1分もかかっていなかったのが印象的。

「ここだけ設定すればWordPressがすぐに使えます」と,ロリポップ!でWordPressが利用するためのデモが行われた。実際,1分もかかっていなかったのが印象的。

プラグインを作ろう,プラグインを組み合わせよう

続いて,All in One SEO PackやContact Form 7などの便利なプラグイン,Global Translator Pluginやwp-tegakiなどユニークなプラグインを紹介したうえで,⁠プラグインがあればWordPressが何倍も便利に楽しくなります。そして,欲しい機能があれば自分でプラグインを作ることもできるのです」と,エンジニア視点ならではのプラグイン論を展開した万野氏。さらに「プラグインというのは単なる拡張機能ではなく,サイト全体のイメージを変えたり,ビジュアル的なアイキャッチを作る効果もあります」と,プラグインの可能性を説明した。 万野氏自身も実際に

というプラグインの開発を行い,さらにそのプラグインを活用したWebサービス「hot ATND」の開発までを行っている。この経緯について「プラグイン開発のきっかけは,ATNDにある情報を見落としたくないという気持ちでした。開発自体は1日程度で終わっています。残念ながら作ったプラグイン自体は,それほどたくさんの方にダウンロードはされていないんです。ただ,プラグインを開発したことにより,今度はそれらを組み合わせたWebサービスをつくるアイデアが生まれ,hot ATNDというWebサービスを生み出すことができました」と,プラグイン開発による波及的効果について,体験談とともに解説した。

著者プロフィール

馮富久(ふぉんとみひさ)

株式会社技術評論社クロスメディア事業室室長。

1975年生まれ。横浜市出身。1999年4月株式会社技術評論社に入社。入社後から『Software Design』編集部に配属され,2004年1月に編集長へ就任。同2004年9月に『Web Site Expert』を立ち上げ,同誌編集長に就任,現在に至る。その後,2008年9月に設立したクロスメディア事業部(現クロスメディア事業室)に配属。現在,社外活動として電子書籍を考える出版社の会の代表幹事やWebSig 24/7のモデレーター,TechLIONプロデューサーなども務める。過去にIPAオープンソースデータベースワーキンググループ委員やアックゼロヨン・アワード他各賞審査員などの経験を持つ。

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