レポート

パソナテックセミナー インフラエンジニアDay[その1 Aトラックセッション]

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クラウド・エンジニアサバイバル~先が読めない時代に生き残るために~

最後は「クラウド・エンジニアサバイバル~先が読めない時代に生き残るために~」と題し,株式会社技術評論社の馮富久氏をモデレータに,各セッションの講師が一堂に会してパネルディスカッションが行われました。

パネルディスカッション会場

パネルディスカッション会場

各パネラーの自己紹介が行われた後,まず最初の話題として馮氏から提示された話題は「技術視点から見た日本のクラウドの現状」です。これに対して株式会社NTTデータの濱野賢一朗氏は,「ここ1年くらいでクラウドの提案を持ってきて欲しいという話が増えた」と話します。ただ,単にクラウドを使いたいというのではなく,個別最適で構築したシステムを標準化したいなどの思いをクラウドで実現したいなど,別の意図があるという現状を紹介します。

株式会社ゼロスタートコミュニケーションズの山崎徳之氏は,部品になっていく課程にあるという認識を示しました。CPUやストレージ,あるいはApacheなどシステムはさまざまな要素(パーツ)で構成されていますが,クラウドもしょせんそれらの中のひとつの技術に過ぎず,現在はそうしたパーツのひとつに落ち着いていく課程であるというわけです。

株式会社NTTデータ 濱野賢一朗氏(左)とゼロスタートコミュニケーションズ 山崎徳之氏

株式会社NTTデータ 濱野賢一朗氏(左)とゼロスタートコミュニケーションズ 山崎徳之氏

同時にクラウドという言葉に踊らされてはいけないと言葉をつなげると,GMOホスティング&セキュリティ株式会社の大澤貴行氏も同意します。「クラウドという言葉はどうでもいい。根幹を流れる技術や考え方,そしてシステムに対して何が求められているのかを理解しなくてはいけない」と話します。

続けて,話題はクラウドのメリットとデメリットに及びます。これに関して大澤氏は「すぐに始められて,すぐに終わらせられる」と説明します。デメリットはクラウドの種類によって異なるとのこと。「パブリッククラウドは大勢で使うため,自由度が抑えられていることがある。大規模な案件で要求が厳しい場合は,純粋なパブリッククラウドでは対応できないかもしれない(大澤氏)」

株式会社技術評論社 馮 富久

株式会社技術評論社 馮 富久

モバツイを運営する株式会社想創社の藤川真一氏が指摘するのはレイテンシの問題です。特にソーシャルアプリケーションをAmazon EC2上で運営している事業者はレイテンシを気にしているという現状が紹介されました。

「都合がいいところだけクラウドを使うべき」というのは山崎氏。「米国ではストレージサービスのAmazon S3だけを使うというケースが多い。また分散処理とバッチ処理だけをクラウドで実行するということも考えられる。使って得するところだけに適用すればいいのではないか」と話します。

最後はクラウド時代に求められる,インフラエンジニアのスキルについて。藤川氏は「クラウドによってエンジニアの力で直接利益を改善できるようになった。そういったところにフィットできるエンジニアになってほしい」とエールを送りました。

インフラエンジニアが日の当たる場所で活躍するようになると話すのは大澤氏。「使っている人のメリットを最大限に考えるのがおもてなしの心。エンジニアにはその視点を持って欲しい」と期待します。

濱野氏は「ユーザ規模が大きくなったときに,クラウドでスケールするかどうかを考えてほしい」と述べ,インフラエンジニアにとってはスケーラビリティの追求が1つのポイントになるとの見解が示されました。

ネットのトランザクションが向上し,クラウドを含めたインフラの重要性が増していることを指摘したのは山崎氏。「クラウドによって,インフラエンジニアが同じ土台で話せるようになったのだから,エンジニア同士のコミュニケーションが増えて盛り上がっていくといいのでは」と話します。

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全体を通して感じたのは,クラウドが登場したことによってますますインフラエンジニアの重要性が増しているということ。その期待に応えるために今何をするべきなのか。インフラエンジニアとしてのスキルアップを考える上で,多くのヒントが得られたパネルディスカッションだったのではないでしょうか。

会場受付。

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著者プロフィール

川添貴生(かわぞえたかお)

株式会社インサイトイメージ代表取締役。企業サイトの構築及び運用支援のほか、エンタープライズ領域を中心に執筆活動を展開している。

メール:mail@insightimage.jp

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