2010年12月16日、不定期で開催している「クラウド勉強会」の第3回を開催しました。運営を担当した筆者より、今回の勉強会の活動を報告させていただきます。
「第3回クラウド勉強会」の概要
クラウドをテーマにした勉強会をこれまで2回開催してきましたが、参加者の皆様からNoSQLの話が聞きたいという声をたくさんいただいたため、第3回ではNoSQL(KVS)をテーマにして開催しました。参加者数は、これまでで最大規模となり、約200名の方に参加いただきました。
司会進行は、2009年下期未踏ユースの大山有美氏(@yumilcy)に協力していただきました。また、今回の運営面での新しいチャレンジとして、ライトニングトーク(持ち時間5分)の発表枠を設けました。
それでは、各セッションの内容を簡単に紹介します。
「KVSのマルチテナント化」
はじめに、さくらインターネット株式会社の大久保修一氏(@jq6xze_1)より、基調講演をしていただきました。
KVSの説明やその広まり、ユースケースが紹介された後、マルチテナント化が語られました。また、Flareの利用事例、kumofsと比較したベンチマーク、利用する際のメリットと注意点が述べられました。
「Flareについて」
Flareの開発者のグリー株式会社藤本真樹氏(@masaki_fujimoto)より、Flareについて講演していただきました。
なぜNoSQLなのか、GREE内のどこの処理で使われているかが語られたほか、はまったところ、今後考えていきたいデータモデルなどが紹介されました。
「okuyamaについて」
okuyamaの開発者の株式会社神戸デジタル・ラボの岩瀬高博氏(@okuyamaoo)より、okuyamaの仕組み、とそのユニークな機能について講演していただきました。
okuyamaは2009年12月から開発され、現在のバージョンは0.8.4。Javaで開発をされていて、実装はすべて一からオリジナルで作られたとのこと。現在は、株式会社リンクの協力のもと、引き続き開発・検証を続けられることが述べられました。
「ROMAユーザ拡張性の高いNoSQL DB」
ROMAの開発者の楽天株式会社の西澤無我氏(@muga_nishizawa)より、ROMAの開発背景、楽天サービス内での利用事例、主要な特徴とアーキテクチャについて講演していただきました。DSLでプラグインを簡単に記述して拡張ができるというところに、参加者の反響が大きかったようです。
「Redis & Resque」
休憩をはさんで、ライトニングトークが行われました。
一番目は、株式会社ドリコム川上知成氏(@tomofusa)より、RedisとResqueの特徴や運用方法が紹介されました。利用してみた結果、キューシステムとして次第点であることが言及されました。
「ニコニコ生放送におけるRedis利用事例」
株式会社ドワンゴ小野侑一氏(@synk)より、ニコニコ生放送のサービス内でRedisを使われている箇所が紹介されました。フロントエンドはmemcachedからRedisへ移行し、バックエンドはバッチ処理からRedisへ移行したことが語られました。最後に、利用上の注意点が説明されました。
「間違った方向にCassandraを使ってみた。イベント開催支援ツール PARTAKE.IN」
株式会社ワークスアプリケーションズ川中真耶氏(@mayahjp)より、PARTAKE.INの開発事例から「NoSQLをRDBの代わりに使うとどうなるか?」について、導入の際に立ちはだかる困難さが紹介されました。
この動画は今回の勉強会でもっとも再生回数が多く、注目をされた発表になりました。
「ソーシャルゲームKVSの使いどころ」
株式会社gumi堀内康弘氏(@horiuchi)より、ソーシャルゲームのPOKE(ゲームユーザ間のあいさつ)の処理にKVSを使用したことが紹介されました。KVS導入時の失敗経験をもとに、適切なKVSの選ぶための2つの判断基準について言及されています。
なお、アプリがヒットするとRDBの性能を超えたアクセスが発生するため、そのサポート役としてKVSをご利用されているとのことです。
最後に
勉強会終了後には、会場にて大忘年会(懇親会)を開催し、参加者の皆様が歓談を楽しみました。
今回の勉強会も、たくさんの方々にご協力いただき、素晴らしいものになりました。この場をお借りして御礼申し上げます。
今年は、第4回の開催を計画しています。情報は随時@cloud_studyからつぶやきますので、フォローしていただければ幸いです。