「第33回 HTML5とか勉強会~Webーデバイス連携最新動向!!」活動報告

11月20日、第33回目の「HTML5とか勉強会」NTTコミュニケーションズさんのオフィスをお借りして開催しました。

今回は「Webーデバイス連携最新動向!!」をテーマとして、Webとデバイスとの連携を実現するためのAPIなどについてセッションが行われました。

本稿では、今回のイベントについてレポートします。

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Web Intentsを中核としたクラウド-デバイス連携概要

はじめに、NTTコミュニケーションズのこまつけんさくさんより、Web Intentsによるデバイス間の連携について紹介いただきました。

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まず、マルチデバイスでの連携というと今まではWebSocketサーバを介してデバイス間でデータのやり取りを行う形式がありました。しかし手元にあるデバイスを連携させるためにわざわざ別の中継サーバを介するのはもったいなくて面倒です。ローカルサーバが手軽に動かせて、そのサーバのURLが自動で取得できるようになればもっと連携が簡単にできて、楽しくなるのではないかと述べていました。

つぎに、PC(Chromeブラウザ)とテレビを連携させるデモを紹介しました。このデモではブラウザ上にChrome Packaged AppsでローカルWebサーバを実装して、通信をSocket APIによって行っていました。また、ブラウザとTVの連携にはWeb Intentsを使い、デバイスの発見やURLの取得、情報のやりとりなどはService Discovery API、SOAPといったものを使って行っていると説明しました。

さいごに、デバイス連携はまだまだ複雑でわかり辛い部分が多いですが、現在策定が進んでいる様々なAPIの仕様が決まり実装されれば、もっと簡単にマルチデバイス連携を実現できるようになるだろうとのことです。

実際のデモの様子は講演動画でご覧になれます。講演資料はこちらになります。

「Network Service Discovery APIができました!」と言われた時

つぎに、Opera SoftwareダニエルさんにNetwork Service Discovery APIについて紹介いただきました。

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Network Service Discovery APIはネットワーク上のデバイスが持っている"サービス"を簡単に検索したりそのサービスのURLを知るためのAPIで、UPnPに対応したデバイスのサービスをJavaScriptによってコントロールすることができると述べていました。

UPnPは同一ネットワーク上にあるデバイス同士のコミュニケーション方法で、UPnPには大きくわけて次のような4つのタイプがあります。

  • Server:メディアファイルを保有する。ファイルの検索などのサービスを提供する
  • Player:メディアファイルを再生する
  • Renderer:音量の操作などデバイス自体を制御する
  • Controller:上記3つに対して命令を行う

これら4つのタイプがそれぞれの役割を果たして、デバイス間でのメディアファイルのやり取りなどを行います。

講演ではネットワーク上にあるラジオコンポやTVを、ブラウザ上で動くコントローラから制御するデモを行いました。PC上のブラウザ(Controller)からメディアサーバ(Server)にあるファイルを指定して、ラジオコンポ(Player)で再生・停止、音量の制御などを実演しました。ブラウザ(Controller)からは命令を出しているだけで、メディアサーバからブラウザを経由することなく直接ラジオコンポへとメディアファイルを送信しているとのことです。

Network Service Discovery APIは現在仕様の策定中ですが、OperaのLab Build版で実際に試すことができるそうです。

講演資料はこちらになります。

Web Intents Addendum - Local Services , Web Intentsによる機器連携

さいごに、Web Intents Addendumについて、SONYの佐藤直之さんに紹介いただきました。

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Web Intents AddendumはWeb Intentsの追加仕様として、Web Intentsによってウェブ上のサービスだけでなく、ローカルデバイスとの連携を実現するためのものです。SONYがW3Cに提案し、現在標準化に向けての作業が行われていると述べていました。

Web Intents自体はWebの情報をIntentsによって他のアプリケーションなどを呼び出してその情報を渡すものです。Web Intents Addendumはここでホームネットワーク上のデバイスからサービスを呼び出します。呼び出し先のデバイス上ではローカルサーバを動かすことでHTMLを表示させるという形でサービスを提供します。これによってブラウザからローカルネットワーク上のカメラ内にある画像を取得し、その画像をWebサービスにアップロードするといったことができるとのことです。

そしてWeb Intents Addendumに対応した機器が増えれば、ブラウザを中心としてホームネットワーク・インターネットのサービスがつながるようになっていくだろうと結びました。

詳しくは講演資料をご覧ください。

最後に

レポートに対する感想や、勉強会に対する希望・意見・取り上げて欲しいテーマなどがありましたら、twitter(@nakajmg)まで気軽につぶやいていただければと思います。

本勉強会は、毎月第3水曜日、または第3木曜日に開催していますので、興味を持たれた方はぜひ参加ください。ただし、会場や講演者スケジュールの都合などにより、開催日程が前後することがあります。開催のアナウンスはhtml5j.orgのMLで行われますので、こちらをご確認ください。また、コミュニティサイトhtml5j.orgも公開していますので、ぜひこちらもご覧ください。

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