レポート

イベントレポート:大盛況のうちに閉幕した「Unite Japan」を振り返る

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Day2

2日目は1日目に続く具体的事例の紹介に加え,ゲーム開発以外の現場で使用されるケースのセッションが目立った。

粉川貴至氏(セガ)による「Unity×Jenkins:一歩進んだ使い方」では,スレーブをJenkinsに接続することでの分散ビルド(Android,iOS)設定,IPA無線LANインストール,静的解析(Mono).Net Frameworkの静的解析ツールについて述べられた。

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チームラボ杉野裕則氏は『インタラクティブ・インスタレーション/アート』として,ノンゲームにおけるUnity使用事例を語った。

Mac miniでFullHDでディスプレイ2枚にコンテンツを出力する手法(人が前面を通過した際に球体が合わせて動く田崎真珠の事例を用いて)や,いま話題の「チームラボボディ(世界ではじめて生きた人間の関節の三次元的な動きを解析して再現⁠⁠,三浦工業CM「ウルトラピュアソフトウォーター」などUnityによる複合現実感の事例を多く紹介した。

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2コマにわたって行われた「AssetStoreマニアクス」では,伊藤周氏(ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン)がさまざまなAssetStoreアイテムの実際―どう役立つのか? どう生かすか? を述べた。セッション1では,⁠Strumpy Shader Editor(Free⁠⁠TNet: Tasharen Networking(65ドル⁠⁠Input.Touches(25ドル⁠⁠Bitmap2Material(100ドル⁠⁠Easy Save2(40ドル⁠⁠」などの使用事例を解説した。

Unity仮面が登場!

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「Strumpy Shader Editor」の使用デモ。

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「Bitmap2Material」では,⁠壁面や絨毯をiPhoneで撮影してテクスチャーで使えるかどうか?」を試行。区切りのないテクスチャーをなめらかに再現できる(左が撮影後の画像,右がBitmap2Material使用⁠⁠。デザイナーの手をわずらわせず,作業をスムーズにできる。ドキュメントを英語で読まなくてはならないものも多いが,知れば知るほど煩雑な作業から解放されるのが,AssetStoreの醍醐味だ。Facebookのコミュニティで活発に情報交換が行われている。

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今回のUNITEでは異色のマネタイズ関連のセッション「スマホゲームアプリの海外最新トレンド,プロモーションおよびマネタイズ⁠⁠。神田裕介氏(タップジョイ・ジャパン)は,開発はできても販売は個人では難しかったスマホアプリをどう販売していくか? にスポットを当てて解説した。

基本的には,まずトップセールス上位3つ4つのマネタイズを参考にしてみるのが大切とのこと。最近は儲かっているのが,Free to Play(基本プレイ無料)のゲームであることがわかる。

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“ストアおすすめ⁠として取り上げられるとアクティブユーザーが増える。これは,GoogleやAppleに良い条件のもの,機種の機能をフルに使うもの,iOS版がはやっているとAndroid版が出たときにフィーチャーされやすいのだとか。

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お金をかけた宣伝費をむだにしないためにできることを考えるのが重要と語る。⁠チュートリアルは5分以内⁠⁠。

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竹内啓二氏(LinkKit社)が登壇し,2013年3月12日にiOS版をリリースしたディフェンス系ゲーム「サムライディフェンダー」の紹介を行った。iPadでの無料トップ1位,台湾,香港は日本製アプリが売れやすいという点からも上位を記録した。

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大前広樹氏(ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン)「ドラッグ&ドロップで,音に合わせたコンテンツ制作~vjkit解説&fuZeポストモータム」では,ゲーム開発のみにとどまらない,インタラクティブアートでの活用について紹介された。大前氏は,以前よりゲーム開発者コミュニティは活発で集まりやすい風潮があるが,アーティストにも新しいコミュニティに参加してもらい,⁠いろんな角度から才能を持った人にスポットライトを当てたいと思っていた」という。また,それは「Unity Japanのミッションでもある」と考えていたとのこと。vjkitを使用することで,コードを書かずに直感的な操作でVJ(Video Jockey)になれる。また,千代田アーツ3331での事例では,2時間のワークショップを4コマ行うことで,はじめてUnityに触れる人でも完成度の高いものが作成できた。vjkitは,反応する音の周波数を決めることができるなど,小技がさまざま盛り込まれているのが特徴。また,ゲームコントローラーにも対応しており,この延長でゲームも作れてしまう。このようなゲーム開発者に限らない新しい展開が各所で生まれてきている。

100LDK,hiROki sAiTOh,荒木シゲル,Michael Ariasらが参加。

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簡単な操作でインタラクティブアートを作成できる。

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  • vjkit(無償、Creative Commonsライセンス。⁠

また,ワークショップとパーティーイベントを兼ねたfuZe powered by Unityを現在展開している。

さて,すべてのセッションを紹介したいところ,駆け足での概要紹介となってしまったが,このほかにも盛況だった山本一郎氏(イレギュラーズアンドパートナーズ)による「プロジェクト炎上のメカニズムと早期発見,行うべき処理の概論」「僕らがUnityで個人開発を始めた理由」田村幸一氏×山村達彦氏(Tokyo 1minute×ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン)など,さまざまなフィールドで参考となるセッションも満載だった。

もともとの自由なプラットフォームに対応する開発環境に加え,先ごろ発表された任天堂,SCE(株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント)の既存ハードへの展開やストア配信に対する期待も大きく,ますます注目の集まるUnity。来場者は1,000人近くにのぼり,2日間のセッションは大盛況のうちに幕を閉じた。

著者プロフィール

秋山絵美

技術評論社 編集局所属。COMODOシリーズ,生きる技術!叢書の編集に携わる。ゲーム関連書籍は『ゲームデザイン脳』(桝田省治・著)など。

編集部ブログ:http://artofliving34.blogspot.jp/