レポート

「Ruby biz Grand prix 2017」各賞受賞者が決定! グランプリは2社が受賞

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Fintech賞

最先端のIT技術と金融を組み合わせた2社が受賞しました。

Coincheck:コインチェック株式会社

コインチェック⁠株⁠ 代表取締役社長 和田晃一良氏

コインチェック(株) 代表取締役社長 和田晃一良氏

仮想通貨取引所Coincheckは,お笑いタレント出川哲朗さんをCMに起用したことでも話題になりました。本サービスの開発はRubyとオープンソースコミュニティなくしては語れないと,和田晃一良氏がRubyへの感謝を述べました。

URIHO:株式会社トラスト&グロース

⁠株⁠トラスト&グロース 代表取締役 石井俊之氏

(株)トラスト&グロース 代表取締役 石井俊之氏

URIHOは取引先からの未払いを防ぐ,取引代金を保証するサービスです。石井俊之氏からは,本グランプリの価値がさらに上がるようサービスの発展に努めると,力強く表明されました。

特別賞

審査員推薦の特別賞を3社が受賞しました。

esa:合同会社esa

esa 代表社員 深谷篤生氏

esa 代表社員 深谷篤生氏

esa「情報を育てる」という視点で作られた,Markdawn記法で書けるドキュメント共有ツール。2014年に個人の趣味として始まったツールでしたが,やがて会社化し,現在は3人で開発を行っているとのこと。ここまで続けてこれたのは,ひとえにRubyの楽しさあってこそと,深谷篤生氏が語りました。

Audiostock:株式会社クレオフーガ

⁠株⁠クレオフーガ 取締役CTO 山口真央氏

(株)クレオフーガ 取締役CTO 山口真央氏

Audiostockは,8万点以上の音素材を扱うマーケットプレイスです。最近はスマホゲームのBGMとして購入される法人が多いそう。プロダクトはすべてRubyで書かれており,山口真央氏は社内のエンジニアに感謝しつつ,受賞を喜んでいました。岡山県にオフィスを構えるクレオフーガですが,⁠Okayama.rb」⁠岡山Ruby, Ruby on Rails勉強会」⁠岡山Ruby会議」といったコミュニティにも日々助けられているとも述べられました。

Repro:Repro株式会社

Repro⁠株⁠CTO 橋立友宏氏

Repro(株)CTO 橋立友宏氏

Reproは,モバイルアプリにフォーカスしたグロースハックツール。非常にトラフィックの多いサービスですが,Rubyで開発した基盤で十分にさばけているとのこと。橋立友宏氏は,⁠パーフェクトRuby』⁠パーフェクト Ruby on Rails』の執筆者であり,またRubyはプログラマを志すきっかけになった言語とのことで,今回の受賞は感慨深いと述べられました。

グランプリ

今年のグランプリには2社が選ばれました。

コンピテンシークラウド:株式会社あしたのチーム

⁠株⁠あしたのチーム 代表取締役 高橋恭介氏(右)とプレゼンターのまつもとゆきひろ氏

(株)あしたのチーム 代表取締役 高橋恭介氏(右)とプレゼンターのまつもとゆきひろ氏

コンピテンシークラウドは,人事評価のためのクラウドサービス。⁠賃金を下げるために行われる人事評価から,生産性向上のための人事評価へ」をモットーにサービス展開されています。グランプリの受賞は「今年一番のサプライズ」と,驚きを隠せない様子の高橋恭介氏でした。

WOVN.io:株式会社ミニマル・テクノロジーズ

⁠株⁠ミニマル・テクノロジーズ 代表取締役社長 林鷹治氏(右)とまつもとゆきひろ氏

(株)ミニマル・テクノロジーズ 代表取締役社長 林鷹治氏(右)とまつもとゆきひろ氏

WOVN.ioは,Webサービスの多言語化を最短5分で行える開発ツール。最近はインバウンド分野,越境EC分野での利用が多いそうです。2014年に1人で立ち上げたプロジェクトでしたが,現在は1万を超える事業者が導入するまでに成長しました。ミニマル・テクノロジーズは今,12ヵ国から集まったRuby好きのエンジニアが働く会社になっています。

選考結果について――まつもとゆきひろ氏

表彰式の最後に,審査員長のまつもとゆきひろ氏からグランプリの総評が述べられました。

今回のグランプリについて語るまつもとゆきひろ氏

今回のグランプリについて語るまつもとゆきひろ氏

「今年の審査は例年以上に困難を極めた」と語るまつもとゆきひろ氏。たとえば審査員が持ち点を投票していき,得点の多い事例を選ぶしくみだと,平均的なもの,尖ったところのないものを評価してしまいます。それはグランプリの趣旨から外れるため,審査委員会の議論によって各賞を決定しているそうです。

ひと昔前は,Rubyを使ってビジネスをしているだけで目立ったものですが,今では珍しいことではなく,それゆえに,グランプリの評価も年々厳しいものになっているそうです。ただ使っているだけではなく,社会的なインパクトとコミュニティへの還元も考慮したうえでの,今回の審査結果とのことでした。

まつもとゆきひろ氏がスピーチの中で大きく取り上げたのは,⁠ハック」という言葉でした。

「ハックは世間的には悪いイメージを持った言葉ですが,本来は『一見不可能なことを可能なものにする』という意味合いのもの。他人のPCやネットワークへの侵入も,言ってしまえば挑戦なので,そういったイメージが先攻してしまっているんですね。このRuby biz Grand prixも,ある意味ハックです。ネット上では『島根県にパソコンなんてあるわけない』と言われてきた島根県ですが,今やこうやって『Rubyの県』になったのですから」

「本グランプリの受賞者も,みなさん日々ハックされています。それにRubyが使われているということに,非常に喜びを感じます。かつて不可能だったことを可能にした企業さんを,社会に対して宣言できたことがとてもうれしい。来年以降にも期待したいと思います」とグランプリを締められました。

受賞企業の代表者,審査委員会のメンバーで記念撮影

受賞企業の代表者,審査委員会のメンバーで記念撮影

受賞企業の代表者とまつもとゆきひろ氏

受賞企業の代表者とまつもとゆきひろ氏

※)
「デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!」⁠2000年)の登場人物のセリフより

著者プロフィール

中田瑛人(なかたあきと)

Software Design編集部所属。2014年 技術評論社入社。

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