しくみ図解 金属材料が一番わかる
- 三木貴博 監修
 - 定価
 - 2,068円(本体1,880円+税10%)
 - 発売日
 - 2014.8.26 2014.9.3
 - 判型
 - A5
 - 頁数
 - 192ページ
 - ISBN
 - 978-4-7741-6991-0 978-4-7741-6737-4
 
サポート情報
概要
我々の生活は金属なしには存在しえません。携帯電話にしろテレビにしろ自動車にしろ、それらは金属という素材があってこそはじめて形になりえます。このように、鉄を含む金属類は製造業の骨格をなす素材であり、なんらかの形で鉄・金属に関わる仕事に従事している人の数ははかりしれません。本書はこの金属・鉄に着目し、身の回りにある金属類を検証することからスタートし、金属の性質、鉄や鉄鋼の精錬方法、加工技術など技術レベルの解説をします。さらに合金やレアメタルなどにも言及します。雑学的視点からではなく、金属・鉄についての基礎知識を十分得られる内容なので、技術者はもとより、営業職など専門知識を求められる人の手助けにもなるでしょう。
こんな方にオススメ
- 製鉄業に関わる人、金属を扱う製造業に従事する人またその業界に進もうとしている学生
 
目次
第1章 身近な金属
- 1-1 携帯電話に使われている金属
 - 1-2 21世紀のエネルギーを支える金属
 
第2章 金属の性質
- 2-1 周期表
 - 2-2 原子の構造
 - 2-3 金属の種類
 - 2-4 金属結晶
 - 2-5 合金
 - 2-6 塑性・弾性
 - 2-7 電気と熱の伝導性
 - 2-8 磁性
 - 2-9 硬度
 - 2-10 酸化・還元
 - 2-11 強度
 
第3章 鉄の歴史
- 3-1 宇宙から来た鉄
 - 3-2 製鉄王国ヒッタイト
 - 3-3 中世から近世までの製鉄技術
 - 3-4 近代の製鉄技術
 - 3-5 産業革命
 - 3-6 日本における製鉄
 - 3-7 近代日本をつくった鉄
 - 3-8 世界の鉄鋼事情
 
第4章 鉄・鉄鋼の製造
- 4-1 鉄のサイクル
 - 4-2 鉄の原料
 - 4-3 鉄鉱石から銑鉄へ
 - 4-4 銑鉄から鋼へ
 - 4-5 鋼から鋼材へ
 - 4-6 さまざまな炉
 - 4-7 鋼の種類(1)
 - 4-8 鋼の種類(2)
 - 4-9 ステンレス鋼の種類
 - 4-10 鋼材の種類と規格
 - 4-11 リサイクルされる鉄
 
第5章 鉄・鉄鋼の加工技術
- 5-1 成型:鋳造
 - 5-2 成型:鍛造
 - 5-3 成型:圧延(1)熱間圧延
 - 5-4 成型:圧延(2)冷間圧延
 - 5-5 成型:圧延(3)さまざまな形をつくる仕組み
 - 5-6 切断・切削
 - 5-7 溶接加工
 - 5-8 熱処理
 - 5-9 表面処理(1)めっき
 - 5-10 表面処理(2)錆びる仕組みと防錆技術
 
第6章 非鉄金属
- 6-1 非鉄金属とは
 - 6-2 銅
 - 6-3 銅合金
 - 6-4 鉛・亜鉛・スズ
 - 6-5 アルミニウム
 - 6-6 貴金属
 - 6-7 チタン
 - 6-8 レアメタル
 - 6-9 レアアース
 - 6-10 副生金属
 
第7章 新機能材料
- 7-1 高抗張力鋼(ハイテン材)
 - 7-2 電磁鋼・磁性材料
 - 7-3 耐熱鋼・超耐熱合金
 - 7-4 高速度鋼・超硬合金
 - 7-5 超塑性合金・超弾性合金
 - 7-6 超伝導材料
 - 7-7 アモルファス合金
 - 7-8 防振材料(抑振材料)
 - 7-9 金属生体材料(バイオマテリアル)
 
第8章 地球と共存する金属材料
- 8-1 製鉄業界の環境対策
 - 8-2 新しい電力網を支える金属
 - 8-3 金属リサイクル
 - 8-4 海底資源
 
プロフィール
三木貴博
東北大学 大学院工学研究科 金属フロンティア工学専攻 准教授 博士(工学)
1994 年 東京大学工学部卒業。1999 年 東京大学大学院工学系研究科博士後期課程修了。
1999 年 東北大学大学院工学研究科助手。2008 年より現職。
著者の一言
これまで日本は、材料の研究開発に力を注ぎ、高い技術力を背景にして世界で戦ってきました。未来の継続的成長・発展のためには、信頼性の高い、高品質な金属材料を供給し続けることが重要な必要条件となってきます。基盤的な材料技術の継承とともに、新しい材料技術の発展・開発が強く望まれます。めざましい勢いで成長を続ける新興国とこれからも渡り合うためには、厳しい使用条件・環境に耐える金属材料の開発がますます重要となります。グローバル化の波はますます激しくなってきており、しっかりとした技術力をもとに、新しい時代に対応する力が今まで以上に求められています。皆さんにとって、本書が金属材料を知り、理解する上での一助になれば幸甚です。