まなびのずかん ヒトの遺伝子と細胞
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西村尚子 著
石浦章一 監修 - 定価
- 2,728円(本体2,480円+税10%)
- 発売日
- 2014.12.11
- 判型
- B5
- 頁数
- 128ページ
- ISBN
- 978-4-7741-6997-2
概要
新聞やインターネットでは、最先端の生命科学の話題が毎日報じられています。iPS細胞をはじめ、不死化、幹細胞、がん化という文字が出てきても、中学校や高校までの生物の知識では、何が問題かが理解できない、用語の意味もわからないという人が多いでしょう。本書は、ヒトを中心とした生命科学を、DNAや細胞のしくみや働きを通して、基礎から理解できるよう解説します。タンパク質の働きやバイオ技術の基礎知識などについても噛み砕いて説明しているので、どこを開いても内容が直感的に理解できるようになっています。
こんな方にオススメ
- 生命科学に興味のある方
- 医薬生物系・看護系の学生
- バイオ関連の企業に勤めている方および関係者
目次
1章 生命を形づくる細胞
- 生命の起源
- 生物の進化
- ヒトの身体
- 細胞の構造
- 細胞小器官
- 細胞の大きさと形
- 細胞のはたらき
- 分化
- 分化のプログラム
- 減数分裂
- 細胞分裂
- 細胞分裂の周期
- 細胞どうしのコミュニケーション
- 細胞の老化と寿命
- 細胞分裂の異常
- コラム ヒトの寿命はどこまでのびるのか?
2章 命の架け橋 遺伝子
- 核の構造
- 染色体
- DNAの構造の発見
- DNAの構造
- DNAの複製
- 遺伝子の数と分布
- 遺伝情報の流れと発現
- RNAへの転写とスプライシング
- タンパク質への翻訳
- DNAの損傷と修復
- 突然変異
- DNAの化学修飾
- 遺伝する病気
- 細胞のがん化
- 遺伝子と病気
- コラム 性格や行動に影響する遺伝子の研究とは?
3章 細胞をつくる物質
- タンパク質を構成するアミノ酸
- タンパク質の構造
- タンパク質の一生
- タンパク質の相互作用
- 構造タンパク質
- 化学反応と情報伝達を担うタンパク質
- 免疫を担うタンパク質
- タンパク質の異常と病気
- 脂質と脂質代謝
- 糖質と糖鎖
- ATPとエネルギーの産出
- タンパク質の輸送システム
- コラム ワクチンを用いたアルツハイマー病の治療が実現する?
4章 遺伝子と細胞をめぐる新技術
- 遺伝子操作
- 遺伝子組換え技術
- サンガー法とPCR法
- ヒトゲノム計画
- ゲノム解析の技術
- バイオインフォマティクス
- バイオイメージング
- タンパク質の解析
- ゲノム情報を用いた医薬品
- クローン技術
- ES細胞とiPS細胞の開発
- 再生医療
- 生命倫理
プロフィール
西村尚子
1967年に東京で生まれ、神奈川県で育つ。1991年、早稲田大学人間科学部人間基礎科学科卒業(現在は改組され、生物系は先進理工学部に移行)。専攻は細胞生物学。1992年より約10年にわたって科学雑誌ニュートンの編集に携わった後、フリーランスのサイエンスライターとして活動。生命科学分野の仕事を主とする。ネイチャー・アジア・パシフィックの特約記者でもある。2013年10月より、サイエンス・メディア・センター(SMC)の非常勤スタッフとしても活動。著書に『三歳までに脳で何が起きているのか?』(技術評論社)、『知っているようで知らない免疫の話』(技術評論社)、『花はなぜ咲くの?』(化学同人)などがある。
石浦章一
1950年、石川県生まれ。東京大学教養学部基礎科学科卒業、同理学系大学院博士課程修了。理学博士。国立精神・神経センター神経研究所、東京大学分子細胞生物学研究所を経て、現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。専門は、ヒトの認知機能を分子レベルで研究する分子認知科学、タンパク質生化学、分子生物学。著書に『最新遺伝学でわかった病気にならない人の習慣』(青春出版)、『いつまでも「老いない脳」をつくる10の生活習慣』(WAC)、『遺伝子が明かす脳と心のからくり』(羊土社)などがある。本書では監修に加えて章末のコラムを執筆。