図解即戦力シリーズ図解即戦力
農業のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書

[表紙]図解即戦力 農業のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書

紙版発売

A5判/224ページ

定価1,650円(本体1,500円+税10%)

ISBN 978-4-297-11363-6

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書籍の概要

この本の概要

食の多様化,米の消費の減少,就農人口の減少と高齢化で,家族経営型の日本農業は変革を迫られています。政府は保護農政から脱却し,国際競争力のある産業への転換を進め,大規模化・株式会社化を推進しています。生産性向上にGPS農機・ドローン,IoTの導入などICTの導入も進みはじめ,バイオ技術による優良品種の開発,品種のブランド化,加工・流通を含めた6次産業化も成功例を生み出しています。消費者からは食の安全,持続可能な成長を可能にする環境対策,労働者の権利確保などの要求が高まっており,気候変動による災害,疫病のリスク,FTA・TPPによる関税の影響と,経営を左右する要因は多様化しています。一方,高付加価値を武器に海外市場への進出の道も開けています。21世紀の日本の農業はどう変わっていくのか,関連産業を含めたしくみと今後のビジネスの展望がわかります。

こんな方におすすめ

  • 農業に就職/転職を考えている人,進出を考えている経営者・起業家,取引・協業関係者

本書のサンプル

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目次

Chapter1 日本の農業はどこへ行くのか

  • 01 緊急事態下における人手不足とスマート農業による省力化
  • 02 衛星とドローンを活用した可変施肥
  • 03 品種改良を加速させるニューバイオ
  • 04 メイド・バイ・ジャパニーズ
  • 05 牧草地の衛星データをAI 解析で草種判別
  • 06 カイゼンが進む農業の現場
  • COLUMN ロボトラが走る日は来るのか

Chapter2 日本の農業を知るための基礎知識

  • 01 減少する農業の総算出額
  • 02 日本の農家の実態
  • 03 大量離農の時代
  • 04 耕作放棄地を問題視する必要はない
  • 05 日本の農業技術は高いのか
  • 06 日本最大級の組織・JA
  • 07 日本の野菜市場における輸入品の役割
  • 08 果実の輸入のすう勢
  • COLUMN 農業は危険な職業

Chapter3 主要作物の生産・消費・流通の最新動向

  • 01 コメの生産状況と消費動向
  • 02 商品としてのコメに求められる“付加価値”
  • 03 相次ぐ新品種のデビューと収量の改善
  • 04 減反政策は廃止されたのか
  • 05 麦の生産・流通・消費
  • 06 北海道の小麦農家が期待する「みのりのちから」
  • 07 園芸の振興はコメの減少分を補えるのか
  • 08 畜産業は規模拡大の流れ
  • 09 海外で評価が高まる和牛
  • 10 「物価の優等生」の卵の実際
  • 11 花きの生産と需要
  • 12 農産物検査の合理化
  • 13 施設園芸で成功するヒント
  • COLUMN ブランド米「つや姫」の陰

Chapter4 生産性向上の鍵を握る資材とその業界の動き

  • 01 農業資材と人口増加
  • 02 農機メーカー
  • 03 農薬メーカー
  • 04 肥料メーカー
  • 05 飼料メーカー
  • 06 農業資材の新区分・バイオスティミュラントとは
  • 07 種苗メーカー
  • 08 苗業界
  • 09 世界との農業資材価格の違い
  • 10 ISOBUS
  • 11 AgGateway Asia
  • COLUMN 原料の枯渇が懸念される化学肥料

Chapter5 変革する農業経営

  • 01 大規模化する農業経営体
  • 02 増え続ける農業法人
  • 03 規模拡大の限界と突破
  • 04 フード・バリュー・チェーンを意識した儲かる農業ビジネス
  • 05 フランチャイズ農業
  • 06 集落営農の陥るジレンマ
  • 07 広域化と連携が集落営農の解
  • 08 農地の集積
  • 09 農地の境界を超えるトランスボーダーファーミング
  • 10 新規就農支援事業は増額すべきか
  • 11 農福連携
  • 12 JAが主導する農家の人材確保
  • 13 拡大するJA出資型法人
  • COLUMN 稲作を始める米穀店

Chapter6 国の食糧戦略を示す農政

  • 01 自給率をめぐって迷走する食料・農業・農村基本計画
  • 02 自由市場のないコメ
  • 03 野菜価格安定制度は必要か
  • 04 生乳の特殊な流通とプール計算
  • 05 指定団体による生乳の需給調整
  • 06 採卵養鶏の生産調整が大規模化に果たした役割
  • 07 農家のセーフティネット
  • 08 ゆがむ統計
  • 09 種子法廃止と民間育種
  • 10 改正農薬取締法
  • COLUMN 都市農業の価値と2022年問題

Chapter7 流通の変化と展望

  • 01 食品の流通ルート
  • 02 ネット販売やオーナー制度
  • 03 激変する農業マーケット
  • 04 量より質でJAと連携するスタートアップ
  • 05 改正卸売市場法
  • 06 卸売市場発の変革
  • 07 契約栽培の拡大
  • 08 成長する機能性表示食品
  • COLUMN7 コメ先物取引で中国の後塵を拝する日本

Chapter8 農業と環境

  • 01 危機にさらされる土壌
  • 02 日本国内に棲息する病害虫
  • 03 環境に配慮した防除のあり方
  • 04 侵入病害虫
  • 05 GAP
  • 06 気候変動による農業への打撃
  • 07 化学肥料を減らす微生物
  • 08 冬水田んぼ
  • 09 農業が自然環境に与える影響
  • 10 あらためて問う鳥獣害対策
  • COLUMN8 野生動物の解体処理施設を増やすべきなのか

Chapter9 スマート農業の可能性と課題

  • 01 スマート農業とは何か
  • 02 「GPSガイダンスシステム」と「自動操舵装置」
  • 03 スマート農業の鍵を握るデータのありか
  • 04 農業におけるPDCA
  • 05 メーカーに依存しないスマート農業化
  • 06 搾乳ロボットの偉大な力
  • 07 人工衛星と農業
  • 08 健康までカバーする岩見沢市の農業戦略
  • COLUMN 東京・新宿で広がる内藤とうがらし

Chapter10 世界における日本農業の戦略

  • 01 急成長する世界の食市場と日本の輸出力の実態
  • 02 観光資源としての農村
  • 03 アジアに進出する苗ビジネス
  • 04 強まる種苗の保護の動き
  • 05 世界的抹茶ブームが茶産地の景色を変える
  • 06 コメの新たな商機・グルテンフリー
  • 07 日本の知財の流出を防げ

著者プロフィール

窪田新之助(くぼたしんのすけ)

農業ジャーナリスト。著書に『日本発「ロボットAI農業」の凄い未来』『GDP4%の日本農業は自動車産業を超える』(いずれも講談社)など。産学官挙げてロボットビジネスを推進するNPO法人ロボットビジネス支援機構(RobiZy)アドバイザー。


山口亮子(やまぐちりょうこ)

ジャーナリスト。2010年京都大文卒,13年中国・北京大歴史学系大学院修了。時事通信社を経てフリーになり,農業,地域活性化,中国について執筆。株式会社ウロ代表取締役。農業や地域のPRを目的としたパンフレットや広告,雑誌などの企画・制作のほか,ツアーやセミナーの運営を手掛ける。