図解即戦力
図解即戦力
農業のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書
- 窪田新之助,山口亮子 著
- 定価
- 1,650円(本体1,500円+税10%)
- 発売日
- 2020.6.20
- 判型
- A5
- 頁数
- 224ページ
- ISBN
- 978-4-297-11363-6 978-4-297-11364-3
サポート情報
概要
食の多様化、米の消費の減少、就農人口の減少と高齢化で、家族経営型の日本農業は変革を迫られています。政府は保護農政から脱却し、国際競争力のある産業への転換を進め、大規模化・株式会社化を推進しています。生産性向上にGPS農機・ドローン、IoTの導入などICTの導入も進みはじめ、バイオ技術による優良品種の開発、品種のブランド化、加工・流通を含めた6次産業化も成功例を生み出しています。消費者からは食の安全、持続可能な成長を可能にする環境対策、労働者の権利確保などの要求が高まっており、気候変動による災害、疫病のリスク、FTA・TPPによる関税の影響と、経営を左右する要因は多様化しています。一方、高付加価値を武器に海外市場への進出の道も開けています。21世紀の日本の農業はどう変わっていくのか、関連産業を含めたしくみと今後のビジネスの展望がわかります。
こんな方にオススメ
- 農業に就職/転職を考えている人、進出を考えている経営者・起業家、取引・協業関係者
目次
Chapter1 日本の農業はどこへ行くのか
- 01 緊急事態下における人手不足とスマート農業による省力化
- 02 衛星とドローンを活用した可変施肥
- 03 品種改良を加速させるニューバイオ
- 04 メイド・バイ・ジャパニーズ
- 05 牧草地の衛星データをAI 解析で草種判別
- 06 カイゼンが進む農業の現場
- COLUMN ロボトラが走る日は来るのか
Chapter2 日本の農業を知るための基礎知識
- 01 減少する農業の総算出額
- 02 日本の農家の実態
- 03 大量離農の時代
- 04 耕作放棄地を問題視する必要はない
- 05 日本の農業技術は高いのか
- 06 日本最大級の組織・JA
- 07 日本の野菜市場における輸入品の役割
- 08 果実の輸入のすう勢
- COLUMN 農業は危険な職業
Chapter3 主要作物の生産・消費・流通の最新動向
- 01 コメの生産状況と消費動向
- 02 商品としてのコメに求められる“付加価値”
- 03 相次ぐ新品種のデビューと収量の改善
- 04 減反政策は廃止されたのか
- 05 麦の生産・流通・消費
- 06 北海道の小麦農家が期待する「みのりのちから」
- 07 園芸の振興はコメの減少分を補えるのか
- 08 畜産業は規模拡大の流れ
- 09 海外で評価が高まる和牛
- 10 「物価の優等生」の卵の実際
- 11 花きの生産と需要
- 12 農産物検査の合理化
- 13 施設園芸で成功するヒント
- COLUMN ブランド米「つや姫」の陰
Chapter4 生産性向上の鍵を握る資材とその業界の動き
- 01 農業資材と人口増加
- 02 農機メーカー
- 03 農薬メーカー
- 04 肥料メーカー
- 05 飼料メーカー
- 06 農業資材の新区分・バイオスティミュラントとは
- 07 種苗メーカー
- 08 苗業界
- 09 世界との農業資材価格の違い
- 10 ISOBUS
- 11 AgGateway Asia
- COLUMN 原料の枯渇が懸念される化学肥料
Chapter5 変革する農業経営
- 01 大規模化する農業経営体
- 02 増え続ける農業法人
- 03 規模拡大の限界と突破
- 04 フード・バリュー・チェーンを意識した儲かる農業ビジネス
- 05 フランチャイズ農業
- 06 集落営農の陥るジレンマ
- 07 広域化と連携が集落営農の解
- 08 農地の集積
- 09 農地の境界を超えるトランスボーダーファーミング
- 10 新規就農支援事業は増額すべきか
- 11 農福連携
- 12 JAが主導する農家の人材確保
- 13 拡大するJA出資型法人
- COLUMN 稲作を始める米穀店
Chapter6 国の食糧戦略を示す農政
- 01 自給率をめぐって迷走する食料・農業・農村基本計画
- 02 自由市場のないコメ
- 03 野菜価格安定制度は必要か
- 04 生乳の特殊な流通とプール計算
- 05 指定団体による生乳の需給調整
- 06 採卵養鶏の生産調整が大規模化に果たした役割
- 07 農家のセーフティネット
- 08 ゆがむ統計
- 09 種子法廃止と民間育種
- 10 改正農薬取締法
- COLUMN 都市農業の価値と2022年問題
Chapter7 流通の変化と展望
- 01 食品の流通ルート
- 02 ネット販売やオーナー制度
- 03 激変する農業マーケット
- 04 量より質でJAと連携するスタートアップ
- 05 改正卸売市場法
- 06 卸売市場発の変革
- 07 契約栽培の拡大
- 08 成長する機能性表示食品
- COLUMN7 コメ先物取引で中国の後塵を拝する日本
Chapter8 農業と環境
- 01 危機にさらされる土壌
- 02 日本国内に棲息する病害虫
- 03 環境に配慮した防除のあり方
- 04 侵入病害虫
- 05 GAP
- 06 気候変動による農業への打撃
- 07 化学肥料を減らす微生物
- 08 冬水田んぼ
- 09 農業が自然環境に与える影響
- 10 あらためて問う鳥獣害対策
- COLUMN8 野生動物の解体処理施設を増やすべきなのか
Chapter9 スマート農業の可能性と課題
- 01 スマート農業とは何か
- 02 「GPSガイダンスシステム」と「自動操舵装置」
- 03 スマート農業の鍵を握るデータのありか
- 04 農業におけるPDCA
- 05 メーカーに依存しないスマート農業化
- 06 搾乳ロボットの偉大な力
- 07 人工衛星と農業
- 08 健康までカバーする岩見沢市の農業戦略
- COLUMN 東京・新宿で広がる内藤とうがらし
Chapter10 世界における日本農業の戦略
- 01 急成長する世界の食市場と日本の輸出力の実態
- 02 観光資源としての農村
- 03 アジアに進出する苗ビジネス
- 04 強まる種苗の保護の動き
- 05 世界的抹茶ブームが茶産地の景色を変える
- 06 コメの新たな商機・グルテンフリー
- 07 日本の知財の流出を防げ
プロフィール
窪田新之助
農業ジャーナリスト。著書に『日本発「ロボットAI農業」の凄い未来』『GDP4%の日本農業は自動車産業を超える』(いずれも講談社)など。産学官挙げてロボットビジネスを推進するNPO法人ロボットビジネス支援機構(RobiZy)アドバイザー。
山口亮子
ジャーナリスト。2010年京都大文卒、13年中国・北京大歴史学系大学院修了。時事通信社を経てフリーになり、農業、地域活性化、中国について執筆。株式会社ウロ代表取締役。農業や地域のPRを目的としたパンフレットや広告、雑誌などの企画・制作のほか、ツアーやセミナーの運営を手掛ける。