現場が動きだす大学教育のマネジメントとは
―茨城大学「教育の質保証」システム構築の物語

[表紙]現場が動きだす大学教育のマネジメントとは ―茨城大学「教育の質保証」システム構築の物語

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電子版発売

A5判/264ページ

定価2,640円(本体2,400円+税10%)

ISBN 978-4-297-13509-6

電子版

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書籍の概要

この本の概要

教育の現場の自由を活かしつつ,組織全体での教育の質を保証するには?

学生・生徒の学びのデータを現場でどう活かす?

かつて「何もしない大学」とまで言われた国立大学で,社会の変化や国の政策の大波小波を乗り越える中で生まれた,現場が動きだす大学教育のマネジメントとは――

  • 「学生の自己評価こそが質保証のカギ」
  • 「教員の悩みから始まる授業評価」
  • 「学修データを教員の査定に使うな」
  • 「ディプロマ・ポリシーは役に立つ」
  • 「データは弱く活用すべし」

各方面で高い評価を受ける茨城大学型の教育の質保証システムが誕生するまでの試行錯誤のエピソードと,そこから導き出された「現場が動きだす大学教育のマネジメント」の10のポイントを紹介。

これを読めば,現場にやさしい,教育の質保証の新しい可能性が見えてくる!?

こんな方におすすめ

  • 高校,大学,高専等の教育機関で教育マネジメントに携わっている方々
  • 教育系に従事している方々

※とくに,教育の質向上に悩んでおられる皆さまに最適の1冊です。

編者略歴

太田寛行(おおたひろゆき)

茨城大学学長。

1954年東京生まれ。1982年,東北大学大学院農学研究科博士後期課程修了(農学博士)。

専門分野は土壌肥料学,微生物生態学で,岡山大学歯学部助教授などを経て,1997年に茨城大学農学部助教授,2002年に茨城大学農学部教授,2010年に茨城大学農学部長・大学院農学研究科長,2014年に茨城大学副学長(大学戦略・IR)を歴任し,2016年4月より茨城大学理事・副学長(教育統括)を務めた。2020年4月より現職。

嶌田敏行(しまだとしゆき)

1973年生まれ,栃木県出身。

2003年4月に金沢大学大学院自然科学研究科地球環境科学専攻博士後期課程を単位取得退学し,茨城大学総務部総務課に文部科学事務官(一般係員)として着任。専門は,水文地形学,古環境復元。2005年3月からは評価室(Office of Institutional Research)の専任教員として評価業務とIR業務に従事する。2016年8月から全学教育機構総合教育企画部門に異動し,質保証(IE)を中心に,IRおよびアセスメント関連業務を担当している。

目次

第1章 茨城大学「教育の質保証」システム構築の物語

  • 1. 大学の教育は誰のもの? ― 大学評価の歴史と茨城大学型マネジメントの萌芽 ―
  • 2. 全学の教育目標をつくる ―「何もしない大学」を変えたディプロマ・ポリシー ―
  • 3. 「教育の質保証」とは何か ― 学修データと大学運営 ―
  • 4. 質保証の現場と物語の力  ― データの「弱い活用」とコミュニケーション ―
  • 5. 教育の成果はどうあらわれたか,そして未来へ  ― 実現した「チーム茨大」が目指すもの ―

第2章 【実践編】内部質保証システムはこうつくる ― 組織的・継続的な教育マネジメントへの提言 ―

  • ポイント1. 「困りごとがない」現場こそが困りごと
  • ポイント2. 学生の自己評価は学修の位置情報
  • ポイント3. ボトムアップが全体最適への流れをつくる
  • ポイント4. 学生の授業評価は判断理由が重要
  • ポイント5. データはコミュニケーション・ツール
  • ポイント6. IR室は「おいしいデータづくり」の台所
  • ポイント7. 変わる学生,変わる教員
  • ポイント8. 学生への学修到達点の意識づけ
  • ポイント9. 大学のコミュニケーション力を高める外部の目
  • ポイント10. 課題は常に解決するためにある