秋の星座15
15とかげ座
蜥蜴座
- 学 名
- Lacerta(略号 Lac)
- 英語名
- The Lizard
- 設 置
- ヨハネス・ヘヴェリウス
- 面 積
- 201平方度
天体観測の見どころ
1星雲星団の観察
とかげ座にはメシエ天体はありませんが、天の川の中にあって星数が多く、小望遠鏡に向いた散開星団といくつかの重星があります。
NGC7209散開星団
- 位置(分点2000.0)赤経22h05.2m,赤緯+46°30’ 視直径25’,等級7.7,星数25
大型の星粒のそろったまばらな星団です。この付近は銀河の中で周囲の微光星で埋もれそうです。星団の北に明るいオレンジ色の星が乗っていて印象的です。双眼鏡でも美しく、星団はまるで銀河の中の濃いところに見えます。
NGC7243散開星団
- 位置(分点2000.0)赤経22h15.3m,赤緯+49°53’視直径21’,等級6.4,星数40
大型の星団で、双眼鏡でNGC7209と同じ視野に入ります。天の川の微光星のあふれる中で銀河の中の濃いところに見えています。NGC7209よりも星粒は明るく星数は少なくまばらです。
2重星の観察
Σ2894星(=HIP 110170)
- 位置(分点2000.0)赤経22h18.9m,赤緯+37°46’
- 主星6.2等,伴星8.9等,位置角194°,離角15.8” (2020年),スペクトルA8III
小望遠鏡向きの観察しやすい重星です。白色の主星に小さなグレーの伴星がつきます。
8番星
- 位置(分点2000.0)赤経22h35.9m,赤緯+39°38’
- 主星A 5.7等,伴星B 6.3等,位置角186°,離角22.5” (2020年),スペクトル B2V+B5
- 主星A 5.7等,伴星C 10.4等,位置角167°,離角48.8” (2016年),スペクトル B2V
- 主星A 5.7等,伴星D 9.1等,位置角145°,離角81.6” (2017年),スペクトル B2V
とかげ座の重星では最もすばらしい観察対象です。光度差、離角とも適度で、小望遠鏡でも美しく観察できます。主星A、伴星Bとも青白色のペアです。さらに微光の2つの伴星C、Dもありますので探してみましょう。
13番星
- 位置(分点2000.0)赤経22h44.1m,赤緯+41°49’
- 主星5.2等,伴星10.9等,位置角130°,離角14.4”(2012年),スペクトルG8III
光度差の大きな重星です。伴星はとても暗く消え入りそうです。主星は白色で、伴星はかすかな青色をしています。
Σ2942星(=HIP 112241)
- 位置(分点2000.0)赤経22h44.1m,赤緯+39°28’
- 主星6.2等,伴星8.9等,位置角278°,離角2.9” (2016年),スペクトルK5III
この重星は、光度差がやや大きく離角も近いので、シーイングが悪いと小望遠鏡では観察困難でしょう。主星はオレンジ色で、伴星は緑がかって見えます。この重星系には、さらに位置角247°離角9.0”に11.6等の伴星がありますが、非常に暗いので、これを小望遠鏡で確認することはさらに困難です。