秋の星座4
4つる座
鶴座
- 学 名
- Grus(略号 Gru)
- 英語名
- The Crane
- 設 置
- ペーテル・ケイセル,フレデリック・デ・ハウトマン
- 面 積
- 366平方度
天体観測の見どころ

つる座には、小望遠鏡の対象となる星雲星団は見当たりません。重星をいくつかピックアップしましたが、これらも日本から観察するには南天に低すぎます。
1重星の観察
つる座には肉眼重星・双眼鏡級の重星がたくさん存在します。μ1-μ2星とμ1-μ2星は、つる座の骨格にもなっており、肉眼で楽に分離して見えます。これらのすぐ近傍には、σ1-σ2星とπ1-π2星もあり、これらすべてが視野8°の中に収まります。双眼鏡で観察して楽しい星域です。
μ1-μ2星
- 位置(分点2000.0)赤経22h15.6m,赤緯-41°21’
- μ1星4.8等,μ2星5.1等,位置角151°,離角19.2’
δ1-δ2星
- 位置(分点2000.0)赤経22h29.3m,赤緯-43°30’
- μ1星4.0等,μ2星4.1等,位置角161°,離角16.1’
σ1-σ2星
- 位置(分点2000.0)赤経22h36.5m,赤緯-40°35’
- μ1星6.3等,μ2星5.9等,位置角95.1°,離角5.6’
π1-π2星
- 位置(分点2000.0)赤経22h20.9m,赤緯-45°53’
- μ1星6.3等,μ2星5.8等,位置角74.6°,離角4.3’
π1星、π2星ともさらに伴星を持つ重星です。いわゆるダブルダブルスターです。ただしそれぞれの伴星の等級は、10.7等(離角2.8”)と11.4等(離角5.1”)で非常に暗く離角も小さいので小望遠鏡で観察することは難しいでしょう。

h5362星(=HIP 112449)
- 位置(分点2000.0)赤経22h46.7m,赤緯-46°56’
- 主星6.6等,伴星9.9等,位置角141°,離角10.4” (2016年),スペクトルA9III


β星のすぐ東約1°にあります。楽に観察できる対象です。乳白色の主星に光度差のある伴星がつきます。
Δ246星(=HIP 114167)
- 位置(分点2000.0)赤経23h07.2m,赤緯-50°41’
- 主星6.3等,伴星7.1等,位置角254°,離角8.9” (2016年),スペクトルF6-7IV-V


光度差が少なく明るい重星です。観察は容易です。主星・伴星とも黄白色のペアです。
Δ248星(=HIP 115269)
- 位置(分点2000.0)赤経23h20.8m,赤緯-50°18’
- 主星6.1等,伴星6.6等,位置角212°,離角17.0” (2016年),スペクトルA8


ほぼ等光度の双子のような重星です。主星・伴星とも白色です。楽に分離できます。主星はさらに、離角1.3”に8.9等の伴星があります。この分離には口径20cm以上が欲しいところですが、低空の観察となりますので困難な観察となります。