南天の星座1

1さいだん座

祭壇座

学 名
Ara(略号 Ara)
英語名
The Altar
設 置
古代ギリシア
面 積
237平方度

天体観測の見どころ

星座の大半が銀河の濃い部分に含まれており、3等星以下の多数の恒星と星団があります。しかし、南天に低すぎるために、日本からの観察は困難です。

1星雲星団の観察

NGC6397球状星団

  • 位置(分点2000.0)赤経17h40.7m,赤緯-53°40’ 視直径27.7’,等級5.8,集中度(高1-低12)9
NGC6397球状星団。球状星団では地球から最近の距離にある大型の星団。(ヨーロッパ南天天文台)

日本では南天に低すぎて観察は困難です。しかし南半球から見ると、満月ほどの視直径と5.8等級という、たいへん大型で素晴らしい球状星団です。肉眼でも認めることができます。さそり座のM4級星団に次いで、太陽系から最も近い球状星団のひとつで約7800光年の距離にあります。かなりまばらな球状星団です。

2重星の観察

Δ206星(=HIP81702)

  • 位置(分点2000.0)赤経16h41.3m,赤緯-48°46’
  • 主星A 5.7等,伴星B 8.4等,位置角11°,離角1.7”(2015年),スペクトルO6.5V
  • 主星A 5.7等,伴星C 6.8等,位置角265°,離角10.2”(2016年),スペクトルO6.5V

小型の散開星団NGC6193の最輝星です。小口径での観察は、主星Aと伴星Cのペアが対象になります。散開星団の中で視野は微光星にあふれています。黄白色の主星と明るい青色の美しい重星です。

BrsO13星(=HIP84720)

  • 位置(分点2000.0)赤経17h19.1m,赤緯-46°38’
  • 主星5.6等,伴星8.9等,位置角259°,離角10.6” (2019年),スペクトルG8V M0V

さそり座との境界に近い位置にあります。色を楽しめる魅力的な重星で、主星は明るい黄色、伴星は暗いオレンジか茶色に見えます。

h4949星(=HIP85389)

  • 位置(分点2000.0)赤経17h26.9m,赤緯-45°51’
  • 主星A 5.6等,伴星B 6.5等,位置角251°,離角2.1”(2016年),スペクトルB7V+B9.5V
  • 主星A 5.6等,伴星C 7.1等,位置角312°,離角102.5”(2016年),スペクトルA0V

さそり座との境界にあります。探すときには、さそり座のη星θ星から探すのがよいでしょう。よく主星Aと伴星Bは接近した明るいペアです。伴星Cはずっと離れた位置にあります。

h4978星(=HIP87314)

  • 位置(分点2000.0)赤経17h50.5m,赤緯-53°37’
  • 主星5.7等,伴星9.2等,位置角268°,離角12.3”(2016年),スペクトルB3III+B9V

光度差のある重星ですが、十分な離角があり分離は容易です。さいだん座の東の天の川から離れた領域にあります。