南天の星座2

2みなみじゅうじ座

南十字座

学 名
Crux(略号 Cru)
英語名
The Southern Cross
設 置
ペトルス・プランシウス
面 積
68平方度

天体観測の見どころ

1星雲星団の観察

NGC4755散開星団 宝石箱(Jewel Box)

  • 位置(分点2000.0)赤経12h53.6m,赤緯-60°20’ 視直径10’,等級4.2,星数100
NGC4755。小型ながら美しい散開星団で「宝石箱」の愛称がある(ヨーロッパ南天天文台)。

β星のすぐ南東にある小型ながらとても美しい散開星団です。中心に赤い恒星があり明るく青白い恒星が取り囲み「宝石箱」の愛称で親しまれています。肉眼でも存在が分かりますが、双眼鏡からその美しさを楽しめます。ラカーユが発見し本来は恒星につけられる「κ」のバイエル符号があります。「宝石箱(Jewel Box)」の愛称は、ジョン・ハーシェルによるものです。

2重星の観察

α星エイクラクス

  • 位置(分点2000.0)赤経12h26.6m, 赤緯 -63°06’
  • 主星A 1.3等,伴星B 1.6等,位置角111°,離角3.5” (2020年),スペクトル B1V
  • 主星A 1.3等,伴星C 4.8等,位置角203°,離角89.0” (2020年),スペクトル B4IV

南十字の南端の1等星です。望遠鏡の観察対象となる恒星としては、ケンタウルス座α星とともに全天最輝の重星です。ほぼ等光度の輝星が離角4.2“をへだてて並ぶ様は壮観です。主星伴星とも白色のペアです。この両星から90.1”の位置には5等星があり、全体として三重星系となっています。

γ星ガクラクス

  • 位置(分点2000.0)赤経12h31.2m,赤緯-57°07’
  • 主星1.8等,伴星6.5等,位置角24°,離角133.2”(2018年),スペクトルM3.5III

南十字の北端の2等星です。主星と伴星の光度差の大きなペアですが十分な離角があり、小口径でも観察できます。両星とも深いオレンジ色をしています。この2星とちょうど正三角形の頂点となる位置に、9.5等のかなり暗い青みがかった第三の伴星がありますが、光度差が大きすぎて観察に適しません。

μ星

  • 位置(分点2000.0)赤経12h54.6m,赤緯-57°11’
  • 主星3.9等,伴星5.0等,位置角17°,離角34.5” (2020年),スペクトルB2IV-V

みなみじゅうじ座北西端のケンタウルス座に近い位置にあります。明るく、また離角が広く、小口径の低倍率で容易に観察できる美しい重星です。白色の主星と黄色の伴星のペアです。南天の銀河の中にあり、視野は微光星であふれています。

h4548星(=HIP62327)

  • 位置(分点2000.0)赤経12h46.4m,赤緯-56°29’
  • 主星4.6等,伴星8.9等,位置角166°,離角51.1”(2020年),スペクトルB3V

みなみじゅうじ座北西端のケンタウルス座に近い位置にあります。光度差が大きな重星で、黄色の主星と明るい青の伴星のペアです。