春の星座15

15からす座

烏座

学 名
Corvus(略号 Crv)
英語名
The Crow
設 置
古代ギリシア
面 積
184平方度

天体観測の見どころ

1星雲星団の観察

NGC4038-4039銀河 触覚銀河,アンテナ銀河(Antennae Galaxies)

NGC4038
位置(分点2000.0)赤経12h01.9m,赤緯-18°52’ 視直径5.4’x 3.9’,等級10.5,型SB
NGC4039
位置(分点2000.0)赤経12h01.9m,赤緯-18°53’ 視直径5.4’x 2.5’,等級10.3,型IB
右はハッブル宇宙望遠鏡の撮影したアンテナ銀河NGC4038-NGC4039。

ここは2つの銀河がちょうど衝突している現場です。お互いの重力によって昆虫の触角のような尾が出ていることから「触覚銀河」「アンテナ銀河」の愛称があります。このような銀河衝突が起こると、新しい星が大量に生み出されます。

明るい対象ではありませんが、望遠鏡での観察で、意外と大きな姿が分かります。小さな雪だるま状で、M51(子持ち銀河/りょうけん座)を小さくしたようなイメージです。銀河中心の集光はあまりありません。

NGC4361惑星状星雲

  • 位置(分点2000.0)赤経12h24.5m,赤緯-18°48’ 視直径45”
  • 写真等級10.3,視等級10.9,中心星等級13.2

データで見ると、こと座の有名な環状星雲M57とは光度が1等級暗いけれどもほぼ同じ大きさですから、観察しやすい対象と思ってしまいますが、実際に観察してみると、なかなか手ごわい対象です。口径20cmで小さくかすかな円盤状。眼視ではほとんど中心星しか見えません。この種の惑星状星雲としては暗く輝度がありません。

2重星の観察

Σ1604(=HIP 59272)

  • 位置(分点2000.0)赤経12h09.5m,赤緯-11°51’
  • 主星A 6.9等,伴星B 10.0等,位置角89°,離角9.0”(2017年),スペクトルG3V
  • 主星A 6.9等,伴星C 8.1等,位置角4°,離角10.5”(2017年)

やや暗い対象ですが、小口径でも見て楽しい三重星です。主星を中心にきれいな二等辺三角形の頂点に暗めの伴星たちがいます。それぞれの色合いも異なり、主星Aはオレンジ色、伴星Bは青白色、伴星Cはシルバー。

δ星

  • 位置(分点2000.0)赤経12h29.9m,赤緯-16°31’
  • 主星3.0等,伴星8.5等,位置角216°,離角24.2”(2020年),スペクトルB9.5V

とても美しい重星です。大きめの光度差と広めの離角のバランスが面白い。明るく美しい麦色の主星に小さくグレーの伴星が寄り添っています。

Σ1669(=HIP 61910)

  • 位置(分点2000.0)赤経12h41.3m,赤緯-13°01’
  • 主星5.9等,伴星5.9等,位置角314°,離角5.3”(2020年),スペクトルF5V F5V

と見ごたえのある、等光度の適度に近接したペア。5cm口径でも楽に分離できます。ぴったり寄り添った双子のようで楽しく観察できます。