著者の一言

会社には、事業活動を裏で支える管理部門があります。優れた営業力や企画力、技術力があっても、管理業務がおろそかになっていれば、会社としては成長できません。会社の日常業務がスムーズにできるのは、管理部門が機能していればこそです。

管理部門には経理、人事、総務などがあります。経理は会社の“お金”を扱い、人事は会社の“人”に関する業務を担当します。総務は会社全体の事務を統括します。

こうした仕事ではミスが大事につながります。経理のミスは決算のミスとなり、それは税務申告のミスにつながり、法令違反となってしまいます。人事のミスは労務トラブルにつながる可能性をはらみますし、総務のミスは事業活動の停滞につながります。

本書では、管理部門の各業務について、⁠何を」⁠いつ」⁠どのように」行えばいいのかを、わかりやすく解説しています。

一方で、各部門の住み分けを的確に行って分業できれば効率的に仕事ができますが、人員に限りがある中小企業などではそうもいきません。経理や総務といった部署が、人事や労務などの業務を兼任している場合も多いでしょう。そこで、⁠経理は経理、人事は人事」というように分けるのではなく、管理部門の業務として理解できるように総括して説明するようにしました。

必要なときに、必要な情報を調べることができる一書として手元に置き、日々の業務に活用していただければ幸いです。

(⁠⁠はじめに」より)

土屋裕昭(つちやひろあき)

税理士,CFP,登録政治資金監査人

早稲田大学政治経済学部卒業。設立間もないベンチャー企業から上場企業まで幅広いクライアントをもつ。特に中小企業のサポートを得意としている。著書・共著に『60分でわかる! インボイス&消費税 超入門』,『60分でわかる! 電帳法&経理DX 超入門』(以上,技術評論社),『小さな会社は「決算だけ」税理士に頼みなさい!』(ダイヤモンド社),『税理士ツチヤの相続事件簿』(星雲社)など多数。

佐藤敦規(さとうあつのり)

社会保険労務士

中央大学文学部卒業。一般企業に勤務後,46歳からFP・社会保険労務士に転身。現在,社会保険労務士法人に勤務。「マネー現代」などのウェブメディアなどで執筆。著書に『リスクゼロでかしこく得する 地味なお金の増やし方』(クロスメディア・パブリッシング),『45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法』(日本能率協会マネジメントセンター)など多数。