ずかんシリーズ古生物のりれきしょ

[表紙]古生物のりれきしょ

紙版発売

B5判/128ページ

定価2,970円(本体2,700円+税10%)

ISBN 978-4-297-14335-0

電子版

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書籍の概要

この本の概要

「古生物」を履歴書的に紹介する,今までにない図鑑の登場です。

アノマロカリス,ダンクルオステウス,ティラノサウルス。以前は恐竜ばかり注目された古生物も,時代に応じて研究が進み,さまざまな人気古生物が生まれつつあります。そんな「古生物」の“研究の歴史”を図解するのが『古生物のりれきしょ』です。

今では広く知られるようになった古生物も,発見されて研究が進み,世に公開されるまでには,いろいろなドラマがありました。たとえばアノマロカリス。アノマロカリス自身が初めて見つかったのは,実は19世紀。そこからいろいろな経緯・研究を経て,現在の姿に至るまでにかかった時間は約130年。130年かかった裏側には,いろいろなドラマが隠されていたりします。

そうしたドラマを,イラストを交えながら分かりやすく解説。

  • 「最初の発見はこんな感じだったんだ」
  • 「発見当時は,こんな風な生物と考えられていたのか」
  • 「戦後のドサクサで,化石が行方不明になっていたんだ」

などなど,古生物が世に知られるまでのドラマをひとつずつ紐解きつつ,最新の見地における古生物の正体を紹介していきます。

図鑑を見るだけではわからない,古生物に隠された裏の世界。その世界を覗きながら,古生物に秘められたドラマをお楽しみください。

こんな方におすすめ

  • 古生物に興味のある小学校中学年以上の方
  • 恐竜などの研究について興味のある方
  • 公共図書館

目次

序章

  • 古生物ってなに?
  • 履歴に注目! 古生物は研究史が面白い
  • 一芸に注目! 古生物は“特殊な生き様”が面白い
  • 家系に注目! 古生物は“進化の系譜”が面白い
  • 地質年代表

第1章 古生代

  • No. 1 生命史上初の“覇者” アノマロカリス
  • No. 2 業界騒然の五つ眼生物 オパビニア
  • No. 3 あし? トゲ? 頭? 尾? ハルキゲニア
  • No. 4 三葉虫界のNo.1スイマー ハイポディクラノタス
  • No. 5 1列になって大行進 アンピクス
  • No. 6 360度視界良好! エルベノチレ
  • No. 7 明るい海の支配者 プテリゴトゥス
  • No. 8 暗い海の支配者 アクチラムス
  • No. 9 頭守って,しり……? ダンクルオステウス
  • No.10 謎が渦巻く螺旋の化石 ヘリコプリオン
  • No.11 腕をもったサカナ ティクターリク
  • No.12 大きな帆で体温調整 ディメトロドン
  • No.13 初めて“飛んだ”爬虫類 ウェイゲルティサウルス
  • No.14 研究者泣かせの怪物 ツリモンストラム
  • コラム 古生物に会いに,博物館へ行こう① ~古生代の古生物編~

第2章 中生代

  • No.15 旅するウミユリ セイロクリヌス
  • No.16 恐竜時代の長大なカキ コンボウガキ
  • No.17 この異常,異常にあらず ニッポニテス
  • No.18 塔からS字へ プラヴィトセラス
  • No.19 三畳紀の“ハンマーヘッド” アトポデンタトゥス
  • No.20 大きな帆の狩猟者 スピノサウルス
  • No.21 「恐ろしい手」の主 デイノケイルス
  • No.22 肉食恐竜の帝王 ティラノサウルス
  • No.23 中生代に色をつけた化石 アーケオプテリクス
  • No.24 飛べない? 大型翼竜 ケツァルコアトルス
  • No.25 中生代の最恐海棲爬虫類 モササウルス
  • No.26 日本初のモササウルス エゾミカサリュウ
  • コラム 古生物に会いに,博物館へ行こう② ~中生代・新生代の古生物編~

第3章 新生代

  • No.27 防御は最大の武器!? タカハシホタテ
  • No.28 謎多き日本の奇獣 デスモスチルス
  • No.29 氷河時代の“新型”ゾウ ケナガマンモス
  • No.30 島国適応の小型ゾウ アケボノゾウ
  • No.31 “ウルフ”だけど…… ダイアウルフ
  • もっと詳しく知りたい読者のための参考資料

著者プロフィール

土屋健(つちやけん)

サイエンスライター。オフィス ジオパレオント代表。日本地質学会員。日本古生物学会員。日本文藝家協会員。埼玉県出身。金沢大学大学院自然科学研究科で修士(理学)を取得(専門は,地質学,古生物学)。その後,科学雑誌『Newton』の編集記者,部長代理を経て,2012年より現職。愛犬たちと散歩・昼寝を日課とする。2019年にサイエンスライターとして史上初の日本古生物学会貢献賞を受賞。古生物に関する著作多数。近著に『古生物動物園のつくり方』『古生物水族館のつくり方』(ともに技術評論社),『サピエンス前史』(講談社)など。


芝原暁彦(しばはらあきひこ)

古生物学者。博士(理学)。地球科学可視化技術研究所所長。福井県立大学客員教授。大学時代に福井県の恐竜発掘に参加し,その後は北太平洋で微化石の調査を行う。筑波大学で博士号を取得後は,(国研)産業技術総合研究所の地質標本館で地球科学の可視化技術に関する研究に従事。2016年に「地球科学可視化技術研究所」を設立。「未来の博物館」を創出するための研究を続けている。2019年より恐竜学研究所(福井県立大学)の客員教授を,2021から同大学の客員教授を兼務。また「ウルトラマンアーク」などの科学考証を行う。著書に『特撮の地球科学』(イースト・プレス),『おせっかいな化石案内』(誠文堂新光社)ほか多数。


土屋香(つちやかおり)

茨城県出身。金沢大学大学院自然科学研究科で修士号(地質学,古生物学)を取得。古生物を中心にイラストを描く。『ゼロから楽しむ 古生物 姿かたちの移り変わり)』,『古生物動物園のつくり方』(ともに技術評論社)などのイラストを担当。化石や古生物に関する知識を生かし,インターネットショップ「恐竜・化石グッズの専門店 ふぉっしる」で,化石や,制作したイラストをプリントした古生物関連グッズを販売している。