図解即戦力
図解即戦力
デジタル時代の著作権 基本と対策がこれ1冊でしっかりわかる本
- 佐久間明彦 著
- 定価
- 2,200円(本体2,000円+税10%)
- 発売日
- 2025.11.17
- 判型
- A5
- 頁数
- 288ページ
- ISBN
- 978-4-297-15192-8 978-4-297-15193-5
サポート情報
概要
著作権に強い弁護士でもある著者による、インターネットが普及したデジタル社会の現代だからこそ起きる著作権のトラブル回避と著作権の基本が学べる本です。
デジタル時代だからこそ、一般の人々が手軽に著作物を扱えるようになったため、著作権に関する問題も多様化しています。そのため、知らないうちに著作権侵害していることも多いため、作品を活用する側も権利関係が疎いではすまされません。もちろん、著作物を作成する側のクリエイターや企業にとっても著作権法を知ることは必須です。
本書は2章構成となっており、著作権法の知識が心もとない方に向け、まず1章でケース別のトラブルや疑問などの想定例をQ&A形式で具体的に解説していきます。2章では著作権法の総論となっていますので、より詳しく知りたいなら、2章を読めばいいでしょう。
詳しく現代の著作権法について知りたい一般の方、企業など、著作物を利用したいときに確認できる一冊です。
こんな方にオススメ
- SNSやネット等、デジタル時代の著作物の利用方法を知りたい企業、会社員、一般人
目次
1章 デジタル時代の著作権想定例・各論
1節 著作権に関する原則・主義
- Q.01 実際の事件を漫画にしたら先に描いた人から訴えられた
- Q.02 著作権保護期間の違う海外に日本の作品を発表するとき、逆に海外の作品を日本で発表するとき、それぞれの注意点・対策は?
2節 著作物(著作権の対象)
- Q.03 自分のネイルサロンでアニメキャラを描きたい
- Q.04 コスプレ衣装を作って販売したい
- Q.05 すでにあるトリックを使った小説や漫画を作成したい
- Q.06 既存技術と似た技術をYouTubeで公開したい
- Q.07 宿泊ホテルや旅館の写真をSNSに載せたい
- Q.08 ネット上の統計データやグラフを掲載した出版物を作成したい
- Q.09 好きな写真家と同じ構図やモチーフを用いて撮った写真を販売したい
- Q.10 自社製品が海外の会社から類似製品と訴えられた
- Q.11 グーグルマップやグーグルアースを出版に利用したい
- Q.12 ニュース記事を英語に翻訳して海外向けのウェブページで掲載したい
- Q.13 撮り鉄のブログで公開された特急列車の写真をキャンペーンサイトで利用したい
- Q.14 現実の建築物をメタバースに再現したい
- Q.15 ソフトのインターフェイスが似ていると訴えられた
- Q.16 発売フォントの見た目が既存フォントに似ていると訴えられた
- Q.17 退職したダンス教室で私のオリジナル創作振り付けをまだ生徒に教えているので訴えたい
- Q.18 ブランド品を参考にアクセサリーを作って自分で使ったり友人にあげたりしたい
- Q.19 オフィスの無料テンプレートを業務で使いたい
- Q.20 将棋の評価値放送がOKならチェスや囲碁では?
3節 著作者(著作権の主体)
- Q.21 ChatGPTで書かれた文章で本を出版したい
- Q.22 AIで描いたイラストで仕事を受けたい
- Q.23 前会社の作成プログラムを転職先で作成したい
- Q.24 学校通信やPTA会報を学校HPに掲載したい
- Q.25 憲法や条例、裁判所の判決などを出版したい
- Q.26 米でAI作品は著作物ではないと判決されました
- Q.27 電子化されていない古い書籍を自炊代行業者に頼みたいが問題あるか? あるなら必要な機材を借りて自分で作成したい
- Q.28 商用利用したい作品の著作権者が不明だ
- Q.29 JASRAC未登録の楽曲を商用で使いたい
- Q.30 倒産や破産した会社保有の著作物を販売したいが、その著作権はどうなる?
- Q.31 大学のレポートに生成AIを使用する学生に向け、各大学がHP等に不正や著作権侵害に注意と 掲載しているが、この場合の著作権侵害とは?
- Q.32 外部に依頼したHPの著作権は誰にある?
4節 著作権の効力
- Q.33 YouTubeにゲームの動画をアップしたい
- Q.34 完結したコミックの主な内容をまとめてアップしたい
- Q.35 他人が撮影した写真を基にトレースしたイラストを作成したい(プロとして)
- Q.36 子供にキャラ弁やキャラケーキを作りたい
- Q.37 絵本の読み聞かせ動画をアップしたい
- Q.38 ゲームを公式ページのインラインリンクを付けて紹介したい
- Q.39 早売り漫画をネットで公開するのが著作権法違反なら、仲間内(複数人)だけで見るのも違反? また、発売後の公開は?
5節 著作権の制限
- Q.40 小説や社説などを用いた試験問題を出題したい
- Q.41 体験版や教育機関向けソフトを仕事に使いたい
- Q.42 授業でテレビ番組やDVDなどを流したい
- Q.43 社内資料で既存のキャラを使用したい
- Q.44 自分の車に好きなキャラをラッピングしたい
- Q.45 有料ニュース記事を友達に転送や公開したい
- Q.46 ビデオ会議の背景に商業イラストを使いたい
- Q.47 学校の職員会議で雑誌コピーを資料として配りたい
- Q.48 公共図書館から住民に出版物の一部を送りたい
- Q.49 税金滞納者から差押えた絵画をオークションに出すためにインターネットに公表したい
- Q.50 会社購入の雑誌を社内会議のために人数分コピーして配ったり、同じく個人が自分で見るために写真を撮って持ち帰りたい
- Q.51 学校の吹奏楽部(または授業)で購入した楽譜を人数分コピーして使用したい
- Q.52 旅行写真をブログにあげたが、ある著作物が 映り込んでいたのに気がついた
- Q.53 Xのポスト画像を付けてポストしたら訴えられた 118
- Q.54 互換機で古いゲームソフトをプレイしたい
- Q.55 定点カメラ(海外のものも含む)を自分のサイトにリンクしたい
6節 著作権の保護期間
- Q.56 古典文学や昔話などを漫画化したい
- Q.57 校歌の歌詞を卒業式のご案内に掲載して保護者向けに配りたい
- Q.58 保護期間が過ぎた美術品を撮影してブログに載せたい
- Q.59 著作権切れ映画で著作者が生存していました
7節 著作権の利用
- Q.60 街角ピアノを弾いた動画をアップしたい
- Q.61 CC(クリエイティブ・コモンズ)を知りたい
- Q.62 ウィキペディアの内容を基に卒業論文を書きたい
- Q.63 キッズコーナーで上映できる業務用DVDとは?
8節 著作者人格権
- Q.64 切り抜き動画の仕組みを知りたい
- Q.65 著作者より許可をもらいインターネットでイラストを公表していたが、著作者が亡くなり、その子供から許可できないと言われた
- Q.66 「商用可」の画像素材を切り取り利用したい
- Q.67 原作者ですが意に沿わないテレビドラマを中止したい
9節 著作隣接権
- Q.68 既存アーティストのオリジナルベストを作ってYouTubeにアップしたい
- Q.69 友人に頼まれたのでテレビ番組を録画してDVDにダビングして渡したい
- Q.70 飲食店でテレビやラジオ放送をしたい
- Q.71 自社製品がテレビで取り上げられたので映像をキャプチャーして会社のウェブページで紹介したい
- Q.72 自社イベントの写真や動画をHPに掲載したい
2章 デジタル時代の著作権法・総論
1節 著作権の起源と対象
- 01 なぜこの世の中に著作権が必要なのか
- 02 何に著作権が発生するのか
2節 著作権の客体
- 03 著作物とは何か
- 04 具体的にはどのようなものが著作物となるか
- 05 二次的著作物とは何か
- 06 編集著作物とは何か
- 07 著作物とされないもの
3節 著作権の内容
- 08 著作物にはどのようにして著作権が発生するのか
- 09 著作権とはどのような権利か
- 10 著作物を無断で使える例外とはどのような場合か
- 11 著作者人格権とはどのような権利か
4節 著作権の主体
- 12 著作権を有するのは誰か
- 13 著作権の集中管理制度
- 14 著作権利用の裁定制度
- 15 特別な著作形態
5節 著作隣接権
- 16 著作隣接権とはどのような権利か
- 17 実演家 218
- 18 レコード製作者
- 19 放送事業者・有線放送事業者
- 20 無断で使用できる例外
- 21 実演家人格権とはどのような権利か
6節 著作権等の保護期間
- 22 著作権
- 23 著作者人格権・実演家人格権
- 24 著作隣接権
- 25 相互主義
7節 著作権等の利用法
- 26 利用の許諾
- 27 権利の譲渡
- 28 出版の許諾
- 29 出版権の設定
8節 著作者等侵害の場合における対処法
- 30 差止請求
- 31 損害賠償請求
- 32 名誉・声望回復措置請求
- 33 みなし侵害
- 34 刑事告訴
9節 国際的保護その他の問題
- 35 国際的保護
- 36 肖像権・プライバシー権・パブリシティ権
Appendix
- クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの表記
プロフィール
佐久間明彦
弁護士法人ALG&Associates
民事・刑事事業部長 パートナー弁護士
1966年 福島県郡山市に生まれる
1985年 福島県立安積高校卒業
1989年 東北大学工学部材料物性学科卒業
1991年 東北大学大学院工学研究科博士前期課程修了(金属材料研究所)
1991年~ 株式会社ニコンに入社して開発設計・特許出願等、その後、外資系企業に転職してマーケティング・リサーチ等に携わる
2004年 方向転換して旧司法試験合格、1年半の司法修習を経て弁護士登録
2008年~ 弁護士法人ALG&Associatesに勤務して著作権を含む知的財産権に関する紛争のみならず、医療過誤、労働、国家賠償、税務訴訟を手掛け、交通事故・海難事故・工事現場事故や離婚・相続等の家事事件等、担当する業務は広範
現在、民事・刑事事業部の事業部長を務める