SAPエンジニア/コンサルタントの基本
- 小野光 著
- 定価
- 2,640円(本体2,400円+税10%)
- 発売日
- 2026.1.7
- 判型
- A5
- 頁数
- 224ページ
- ISBN
- 978-4-297-15341-0 978-4-297-15342-7
サポート情報
概要
ERP分野で世界一のシェアを有するSAP。現在、SAPはERPシステムの中で「一強」と呼んで差しつかえない実績と存在感を誇っています。
これまで大企業が導入することが多かったSAPは、開発案件が高単価で知られていました。そこに、10年以上ERP業界を席巻してきたSAPの従来製品から後継製品であるS/4HANAへの切り替え需要が発生し、SAPがわかる人材の不足感が高まり、「SAP案件→高単価」の傾向に拍車がかかっています。
本書は、SAP導入プロジェクトに、エンジニアとして、あるいはコンサルタントとして携わりたい/携わることになったときのガイドです。
ロジスティクス系のSD/MM/PPと、会計系のFI/COというSAPの主要モジュールを整理。SAPエンジニア/コンサルタントの肩書きで働きたい人に必要なこと、SAPエンジニアに必須のプログラミング言語ABAPの学び方、SAP導入プロジェクトでのエンジニア/コンサルタントの役割と立ち回り、SAPの将来性まで、SAPを仕事にする人が知っておきたい基本が短期集中でわかります。
こんな方にオススメ
- SAPエンジニア/コンサルタントそれぞれに求められる知識、スキルを知りたい方
- SAPエンジニア/コンサルタントになる方法や、SAPの将来性についても知りたい方
- 高単価とされるSAP案件に関心がある方
目次
第1章 SAPの超・基本
1-1 ERPシステムの特徴、SAPの強さ
- SAPのバージョン遍歴
- 企業がERPシステムを導入する理由
- ERPシステムの中でSAPが一強
1-2 SAPのモジュール構成全体像
- SAP導入モジュールの選別
- SAPのシステム基盤機能
1-3 SAPのロジスティクス系モジュール ―SD/MM/PP―
- MM(在庫/購買管理)
- PP(生産計画/管理)
- SD(販売管理)
1-4 SAPの会計系モジュール ―FI/CO―
- FI(財務会計)
- CO(管理会計)
1-5 SAPのメリット・デメリット
- SAPのメリット
- SAPのデメリット
1-6 SAPの主な製品や周辺システム
- SAP S/4HANA
- SAP Business ByDesign
- SAP Business One
- SAP BW/4HANA
- SAP SuccessFactors
- SAP Fieldglass
- SAP Concur
- SAP Ariba
- SAP Commerce
- SAP Customer Experience
- SAP Business Technology Platform(BTP)
1-7 SAP認定コンサルタント資格の必要性
- 試験の難易度
- 試験勉強の仕方
- コスパよく合格するには
- 資格は必要か
第2章 SAPを導入する流れ
2-1 SAP導入プロジェクトの体制、ポジション
- SAP導入プロジェクト体制図
- プロジェクトオーナー/プロジェクト責任者
- プロジェクトマネージャー/PMO
- アプリチーム
- マスタチーム
- IF(インターフェース)チーム
- 基盤チーム
- 権限チーム
- 移行チーム
- テストチーム
- トレーニングチーム
- 運用保守チーム
- 開発チーム
- 情報システム部門担当者
- 業務部門ユーザー
2-2 企画・構想フェーズ
- 現状把握
- ゴール設定
- スコープ定義
- パッケージ選定
2-3 要件定義フェーズ
- 業務フロー整理
- Fit&Gap
- Fit to Standard
2-4 設計・開発・テストフェーズ
- カスタマイズ
- 基本設計
- 詳細設計
- 開発
- テスト
2-5 移行・本番稼働・稼働後支援フェーズ
- 本番移行
- 本番稼働
2-6 運用保守フェーズ
- 定常作業
- 追加開発案件
第3章 SAPエンジニアに求められる知識とスキル
3-1 SAPエンジニアが求められる理由
- 日本人のSAPエンジニアは希少
3-2 SAPエンジニアになる方法
- 独学
- スクール受講
- SAP開発に長けた企業への就職
3-3 SAP導入プロジェクトでのSAPエンジニアの役割
- 初期フェーズでの役割
- 設計・開発フェーズでの役割
- テストフェーズでの役割
- 移行・本番稼働フェーズでの役割
- 運用保守フェーズでの役割
3-4 プログラミング言語ABAPの基本
- 構文、チェーン命令、コメント
- データベースアクセス
- テキストシンボル
- システム項目
- 制御命令
- 内部テーブル
- 実機でABAPを学ぶときの注意点
3-5 SAPエンジニアが利用する主な機能
- ABAPディクショナリ(トランザクションコード SE11)
- クエリ(トランザクションコード SQVI)
- メッセージ更新(トランザクションコード SE91)
- 汎用モジュール(トランザクションコード SM37)
- ABAPダンプ分析(トランザクションコード ST22)
- 実行時間分析(トランザクションコード ST12)
3-6 アドオン開発におけるRICEF
- R → Reports(レポート)
- I → Interfaces(インターフェース)
- C → Conversions(コンバージョン)
- E → Enhancements(拡張)
- F → Forms(帳票)
- W → Workflows(ワークフロー)
3-7 SAPコンサルタントと協働できるエンジニアになるには
- SAPエンジニアの姿勢
第4章 SAPコンサルタントに求められる知識とスキル
4-1 SAPコンサルタントになる方法
- 未経験時にやっておくべきこと
- SAPコンサルタントになるための就職先
- SAPコンサルタントと相性がよい就職先
4-2 SAP導入プロジェクトでのSAPコンサルタントの役割
- 初期フェーズでの役割
- 中期フェーズでの役割
- 後期フェーズでの役割
- 本番稼働フェーズでの役割
- 運用保守フェーズでの役割
4-3 SAPカスタマイズの基本
- 企業構造
- FI(財務会計)
- CO(管理会計)
- ロジスティクス一般
- SD(販売管理)
- MM(在庫/購買管理)
- PP(生産計画/管理)
- 一般設定
4-4 SAPコンサルタントが利用する主な機能
- 共通
- FI(財務会計)
- CO(管理会計)
- SD(販売管理)
- MM(在庫/購買管理)
- PP(生産計画/管理)
4-5 SAPエンジニアと協働できるコンサルタントになるには
- 移送依頼は必ず注視
第5章 SAPエンジニア/コンサルタントのキャリア
5-1 SAPエンジニアがよいか、SAPコンサルタントがよいか
- 業務範囲
- 成果物
- コミュニケーション相手
- 年収
- SAPエンジニア/コンサルタント診断
5-2 SAPエンジニアからSAPコンサルタントへキャリアを上げるコツ
- SAPコンサルタントの作業の巻き取り
- 間をつなぐブリッジ役
5-3 SAPコンサルタントはロジスティクス系がよいか、会計系がよいか
- ロジスティクス系の特徴
- 会計系の特徴
- 会計もわかるロジスティクス系コンサルタント
5-4 SAPエンジニア/コンサルタントの危険なキャリア
- アップデートを怠る
- SAPエンジニアで高度なABAPができない
- SAPコンサルタントで1つのモジュールに固執する
5-5 SAPフリーランスという選択肢
- 個人事業主にするか、法人にするか
- フリーランスでの案件獲得
- SAP導入プロジェクトでは準委任契約が多い
第6章 SAPの将来性
6-1 2027年はSAPのターニングポイントか
- 2027年問題の背景
- 2027年問題への対応
- 2027年以降の需要
- 2040年問題
6-2 グローバル化によるSAP導入企業の増加
- SAPのグローバル化適応
- グローバルでの稼働
6-3 SAP人材不足は解消するか
- SAP人材の確保が難しい理由
- SAP人材不足解消に向けて
プロフィール
小野光
1983年生まれ。2002年から放送局向けのシステム開発会社に勤務。2008年にベリングポイント(現PwCコンサルティング)に入社し、SCMや会計系などの大規模SAP導入プロジェクトに携わりSAPコンサルタントとしてスキルを磨く。
2010年にSAPコンサルタントとして独立し、2018年に株式会社オムニオンを設立。フリーランスのSAPコンサルタントとして15年以上の経験を有し、SD/MM/FIモジュールを中心に要件定義から本番稼働まで一貫して参画。製造・販売・商社・小売・エネルギーとさまざまな業界で大手クライアントのS/4HANA移行プロジェクト、システム統廃合、会計制度対応プロジェクトを主導し、業務効率化と内部統制強化に貢献する。
SAPコンサルタントとして活動すると同時に、YouTubeチャンネル「SAPフリーランスの行く末」を運営し、3,000人超の登録者に向けてSAPの業界動向や実務知識を発信している。