ずかん 縄文土器
- 井口直司 著
- 定価
- 2,970円(本体2,700円+税10%)
- 発売日
- 2026.1.23
- 判型
- B5
- 頁数
- 128ページ
- ISBN
- 978-4-297-15421-9
サポート情報
概要
日本の“はじまり”をのぞいてみよう!『ずかん縄文土器』は、縄文時代の人たちがつくったふしぎで楽しい「土器」の世界を、写真とイラストいっぱいで楽しく紹介する一冊です。
土器は何のために作られたの?
どうして地域ごとに形がちがうの?
縄文人はどんな知恵で工夫したの?
そんなギモンが、コミカルな図解と、たっぷりの実物写真でスッキリわかります。
社会科で縄文時代を学ぶ小学校高学年にぴったり。調べ学習にも使いやすく、土器の形の移り変わりや地域のちがいも一目で理解できます。
著者は、縄文土器研究の第一人者・井口直司先生。子どもにも読めるやさしい内容なのに、とっても深くて大人も楽しめる“本格ずかん”。さあ、縄文土器を入口に、日本のルーツをたどる冒険へ出発しよう!
こんな方にオススメ
- 土偶や土器などに興味のある小学校高学年以上の方
- 日本の古代史に関心のある方
- わかりやすい縄文土器の書籍を熱望していた方
※公共・学校図書館はとくにオススメです。
目次
第1章 縄文土器と縄文時代
- 縄文時代はどんな時代だった?
- 縄文人はどんな人たちだった?
- 縄文人はどんな物を食べていた?
- 縄文ムラと縄文人の家はどんなだった?
- 縄文人はどんな生活をしていた?
- コラム 東アジアで誕生した人類最古の土器
第2章 縄文土器の基本
- 縄文土器の基本的な形
- 縄文土器のいろいろな器形(鉢以外の器)
- 粗製土器と精製土器
- 縄文の時期区分と縄文土器の移り変わり
- 文様の種類① 回転文様 ―縄・撚糸・押型―
- 文様の種類② 刺突文と押圧文
- 文様の種類③ 沈線文
- 文様の種類④ 隆帯文
- 文様の種類⑤ その他の文様
- 文様の種類⑥ 塗彩と彩文
第3章 縄文土器からわかること・わからないこと
- 縄文土器の使い方① 煮炊きに使う
- 縄文土器の使い方② 酒をつくる道具? 液体を注ぐ道具?
- 縄文土器の使い方③ 貯蔵や収納の容器
- 縄文土器の使い方④ 死者の魂を納める 埋甕・伏甕
- 縄文土器の使い方⑤ 火床囲い・土器埋甕炉
- コラム これらの土器、どうやって使う?
- 縄文土器の固有性と象徴① 口縁部の変形と造形装飾把手
- 縄文土器の固有性と象徴② 神秘的な造形 精霊体文様
- 縄文土器の固有性と象徴③ 八百万の生命と物語
- 縄文土器の型式① 土器型式は時間の定規
- 縄文土器の型式② 型式の分布は地域色と集団の生活圏を表す
- 縄文土器の型式③ 土器型式の混交と移動は人の動きを表す
- コラム 抽象的な形の土偶、具象的な形の土製品
第4章 いろいろな縄文土器を見てみよう
- 草創期 最初の土器は「無文」
- 草創期 「縄文」登場までの歩み
- 早期 「回転縄文」が登場
- 早期 尖底土器と平底土器
- 早期 尖底の土器 ~本州~
- 早期 平底の土器 ~南九州・北海道~
- コラム 沖縄の土器
- 前期 地域定着と個性の成立
- 前期 外界に近い九州と西日本
- 前期 外界に近い北海道、本州の東北と中央部の地域色
- 前期 縄文土器の「縄文」と「撚糸文」
- 前期 前期後半に飛躍した土器作りの技術
- コラム 土器は人類最初の科学的発明
- コラム 土器は食生活を大きく変えた!
- コラム 土と火から生まれる神聖な土器
- コラム 日本列島の固有な自然環境
- 中期 地域色と縄文土器の個性確立
- 中期 西日本の土器 ~縄文土器と海上交通の発達~
- 中期 中央部の土器① ~隆帯造形の盛衰~
- 中期 中央部の土器② ~精霊体造形のない装飾把手~
- 中期 中央部の土器③ ~精霊体と生命の造形~
- 中期 中央部の土器④ ~精霊体となった土器と人~
- 中期 東北と北方圏の土器
- 後期・晩期 東西文化圏の確立
- 後期 東西文化圏成立前夜① ~磨消縄文の誕生~
- 後期 東西文化圏成立前夜② ~帯縄文~
- 後期 東西文化圏成立前夜③ ~北海道と縄文土器~
- 晩期 東西文化圏① ~西日本の磨研土器~
- 晩期 東西文化圏② ~東日本の装飾文系土器~
- 晩期 東西文化圏③ ~東日本 結集された美の極致~
- 後期・晩期 人間味を帯びた縄文土器
- 縄文から弥生へ 縄文土器の新たな歩み
巻末付録① 縄文土器1万年の変化と歩み
巻末付録② 縄文土器の発見される場所と調査・研究
巻末付録③ 土器編年表 ―土器の年代や関連性をまとめた土器の年表―
プロフィール
井口直司
三宅島生まれ。立正大学文学部史学科卒業(考古学専攻)。
文化財保存全国協議会全国委員、元東久留米市郷土資料室学芸員、元日本考古学協会会員、元千葉大学非常勤講師。
主な著作として『縄文土器・土偶(角川ソフィア文庫)』(KADOKAWA)、『縄文土器ガイドブック―縄文土器の世界』(新泉社)、「縄文文化と島」『考古学ジャーナル』367(ニュー・サイエンス社)、共著『縄文人は生きている―原始との対話』(戸沢充則編・有斐閣)、分担執筆『縄文時代研究事典』(戸沢充則編・東京堂出版)など。
