愛しい娘たち

浜家との大切な思い出

良浜と娘たち(結浜・彩浜・楓浜)が中国に旅立ってから、早くも3ヶ月が過ぎました。そろそろ一般公開も始まるかも?と期待が高まります。

結浜・彩浜・楓浜は、それぞれ生まれたときからずっと見守ってきました。誕生ごとに、いろいろなドラマがありましたし、わたしにとっては、本作りでの思い出もたくさんあります。

①カメラ購入の契機!結浜を撮りたい!

結浜は、生まれる前から、写真絵本を作りたいと計画していました。

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写真1 幼いころの結浜
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写真2 お母さん良浜と結浜

優浜の名づけ親になったことがきっかけでパンダ愛に目覚め、桜浜・桃浜が生まれたときにアドベンチャーワールドの年間パスポートを購入し、通いはじめました。そして、桜浜と桃浜の成長ぶりを間近で見守っていく中で、本作りをする身として、この貴重な様子が「本」という形になっていないのは、なんとももったいない! と強く思いました。

これまでの浜家の子どもたちの写真絵本はなかったし、桜浜・桃浜もそのような気配はないようでした。だから、桜浜・桃浜は間に合わなくても、次に生まれた子こそは……と、心に決め、桜浜・桃浜のかわいい写真をどっさり携え、以前一緒絵本を作ったことのある、講談社の絵本の編集長に提案しにいきました。

結果は、興味はあるけれど、写真次第~といわれました。でも、わたしとしては、絶対に実現するんだという信念しかなく、結浜が生まれてすぐに、初めて一眼レフカメラを買いました。

カメラはど素人でも、今の機械は優秀ですし、1枚1枚の質よりも、回数と枚数があればなんとかなるのでは、と楽観的に考えていました。「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」作戦です。

結果的に、それで今までやってこれてしまっています。⁠できるのか?」と悩む前に、⁠やるんだ!」と突き進んでしまったことがよかったのかもしれません。優秀な編集者との縁に恵まれ、たくさんサポートしてもらえたことも幸いでした。

件の編集長には、写真絵本とは別に、浜家パンダファミリーのお父さんパンダを主軸にしたノンフィクションもおもしろいのでは?と勧められ、企画を立てたところ、なんとこちらの方が先に実現しました(講談社青い鳥文庫の『世界一のパンダファミリー⁠⁠。その後、無事に、結浜の写真絵本『もふもふ あかちゃんパンダ』⁠講談社)を出すことができました。

②がんばった彩浜

最初に登場した結浜はひとりっ子でしたから、次にふたごが生まれたら、別の視点でまた作れるかなあなどと考えていました。が、なんと、生まれてきたのは、体重わずか75グラムで、生き延びるために必死でがんばっていた赤ちゃん(彩浜)でした。

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写真3 小さな彩浜を大事に抱える良浜

アドベンチャーワールドが誕生を発表した時点で、きっとある程度は安定した状態になったのだろうと信じつつ、毎日、上野動物園に通うかたわら、上野大仏のところにある薬師如来に立ちより、無事に成長してくれることを祈念していました。

誕生からしばらくして、アドベンのスタッフさんたちが、応援しているファンに向けて、SNSから写真とメッセージを送ってくださったときに、これはもう安心できるのかなと思えてほっとしました。

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写真4 すくすく成長した彩浜
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写真5 彩浜と良浜

そして、ドラマチックな彩浜の成長を、また違う視点で写真絵本にしたいと、写真を撮り続けました。それが、⁠もふもふ パンダといっしょ』⁠学研)という、パンダの図鑑に発展し、彩浜のものがたりが入りました。このころはもう楓浜も生まれていて、永明さんも桜浜・桃浜もいて、浜家がにぎやかで充実した1冊になりました。

③楓浜の誕生!

楓浜が生まれたのは、ちょうど、⁠もふもふ パンダといっしょ』の製作期間中でした。編集者(⁠⁠パン生」⁠技術評論社)シリーズの編集者でもあります)といっしょに取材にいったのも良い思い出です。楓浜が赤ちゃんのころは、コロナ禍で抽選観覧だったので、屋外デビューでゆっくり観覧できるようになったときは、いつも以上にうれしかったです。

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写真6 遊具に興味津々の楓浜
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写真7 遊具で遊ぶ幼い楓浜

良浜と娘たちの中国への返還を知ったのは、⁠良浜と浜家』⁠技術評論社)が出た直後です。亡くなったタンタンのメモリアル本ありがとう! パンダ タンタン 激動のパン生や、中国に返還されるリーリーとシンシンの思い出をありがとう! 上野のパンダリーリーとシンシン⁠ともに技術評論社)の次に、ようやく、日本で暮らしていて、会いにいけるパンダの本を出せた!と喜んでいた矢先の返還発表で、頭がまっ白になりました。

これまでも、浜家パンダの返還はありましたが、まさかゼロ・パンダになるとは、夢にも思いませんでした。その衝撃の大きさは計り知れず、返還前から浜家ロスに陥る人が続出していたような勢いで、アドベンチャーワールドにはお客さんが殺到していました。

ただ、シャンシャンの返還をきっかけに、中国へ会いにいくハードルはものすごく下がりました。わたしも、気がついたらもう3回も中国へ行き、シャンシャンとも、桜浜・桃浜とも再会を果たせました。じつは、次の旅の予定も決まっています。叶うならば、良浜・結浜・彩浜・楓浜にも会えたらいいなあと願っています。

本記事で紹介した『浜家の娘たち~結浜、彩浜、楓浜のとっておき写真集~』をはじめ、技術評論社のパン生シリーズに関する最新情報はhttps://x.com/gihyo_pandaで発信しています。

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