現代のプロダクト開発の現場において、
企画職、エンジニア、そしてデザイナーが職域を越えて緊密に連携し、1つのプロダクトを作り上げていく。この
デザインの現場に立ちはだかる「壁」
とはいえ、理想的なコラボレーションを実現するのは容易ではありません。現場では日々、コミュニケーションの齟齬や作業の非効率さといった課題が発生しています。
たとえば、デザインデータの管理。プロジェクトが長期化するにつれてファイルが乱立し、
あるいは、デザイナーとエンジニアの間にある言葉の壁。静止画のデザインカンプだけでは、デザイナーが意図した細かな挙動やアニメーションは伝わりません。
ツール導入だけでは解決しない!
こうした課題を解決するためには、単に新しいツールを導入するだけでは不十分です。ツールをどう使いこなし、どんなルールで運用するかという
多くのチームがFigmaのようなツールを導入していますが、その機能を最大限に活かしきれている現場はまだ少ないのが実情です。目の前の作業に追われ、斧の刃を研ぐ時間を惜しんで、切れ味の悪い斧で木を切り続ける
もしあなたが、チームの生産性を高め、職種の壁を越えたスムーズな連携を実現したいと考えているなら、ツールとしてのFigmaの使い方だけでなく、それを核としたチームビルディングやワークフローの設計そのものを見直す時期に来ているのかもしれません。
現場の知見をもとに「戦略」を身に付ける
そんな課題意識を持つリーダーやデザイナー、エンジニアの方々にぜひ手にとっていただきたい1冊が、
本書は単なるFigmaの機能解説書ではありません。Figmaを
本書ではまず、コラボレーションの基礎となる
また、アイデア出しのフェーズにおいて、オンラインホワイトボードツールであるFigJamを活用し、チームメンバーの意見を引き出しながら合意形成を図る手法も紹介されています。デザイナーだけでなく、企画職やエンジニアも巻き込んだ議論の進め方は、チームの一体感を高めるために役立つことでしょう。
注目すべきは、エンジニアとの連携に焦点を当てた第4章です。実装を見据えたデザインデータの作り方や、Figmaの新機能である
さらに、最終章ではデザインシステムをチームの
本書は、デザイナーが自身のスキルを高めるためだけでなく、エンジニアやプロダクトマネージャーとともに読み、チーム全体の共通認識を作るための教科書として最適です。Figmaというツールを通して、より高品質なプロダクトを、より速く、そして楽しく創り上げていく。そんな理想的な開発チームへの第一歩を、本書とともに踏み出してみてはいかがでしょうか。