気候変動と異常気象
以前は、エルニーニョ現象が発生すると、日本では太平洋高気圧の勢力が弱まり、6~8月が平均気温の低い冷夏となる傾向が度々ありました。しかし、2010年以降はこの傾向が薄れ、エルニーニョが発生した年でも冷夏は観測されていないそうです。かつて冷夏や暖冬をもたらしたエルニーニョ現象、また猛暑や厳冬をもたらすラニーニャ現象は、数年で終息する一時的な気象現象です。終息すれば、気温は平年並みに戻るのが基本でした。しかし、近年の40℃を超える夏の暑さ
気候変動は、おもに地球温暖化によって起こり、豪雨災害や高温による農林水産業などへの深刻な影響があります。ここ数年の夏の野菜や畜産物への影響で食品が高値となり、より身近に感じられるようになったのではないでしょうか。世界を見渡せば、氷河の氷が溶けることによる海面の上昇により、海面の低い地域などでは水没の恐れが懸念されています。
1.5℃目標の達成が早急に必要
国連が主導し設立・
この地球温暖化の主要原因となるCO2ですが、CO2によってどうして地球温暖化が起きるのか、そのメカニズムと、CO2排出削減の取り組みとしてもっとも重要とされるカーボンニュートラルなど、どうやったら減らせるのかについて、
江戸時代から学べるサステナブルな取り組み
現在は物が豊富に手に入る時代で、壊れたらすぐに代用品に買い替えることができます。ただ、その壊れた物やつくりすぎた物はゴミとして処分されてしまいます。ゴミを処分するために使うエネルギーも膨大で、そのエネルギーをつくるために必要な化石燃料からたくさんのCO2が出ています。
産業革命以降、化石燃料を使ってエネルギーをつくり、そのエネルギーで各段に技術が進歩しました。IPCCも産業革命前の状態に文明を逆行させたいわけではなく、むしろ進歩した技術により、より地球にやさしく、より住みやすい環境がつくれるのではないか、その努力をする必要があるのではないかということです。
日本では、SDGsの観点から江戸時代から学ぶことが多くあります。江戸時代の物をなおして大切に使い、使えなくなった物を燃料などとして余すことなく使い切ることがあたり前でした。その循環システムから学ぶことは多いのではないでしょうか。そのヒントとなることを本書で解説しています。
さらに、身近なところからはじめる気候変動対策など、ウサギさん、カエルさん、ティラノサウルスさん、ケツァルコアトルスさんなどのキャラクターが例を挙げながら解説しています。気候変動問題とはどのようなものなのか、本書をもとに考えてみてはいかがでしょうか。