概要
8ビットマイコンのスタンダード「PIC16F」に, 「PIC16F1」ファミリが加わりました。「PIC16F1」ファミリは, 従来の「PIC16F」の強化版という位置づけで, ピンの互換性を保ちながらも, よりC言語での開発に適したアーキテクチャになっています。メモリを増強し, 内蔵モジュールも強化してより高度な機能を実現しました。また速度も速くなり, 命令も49命令に増加したため, さまざまな制約から解放され, より開発しやすくなりました。本書では, PIC16F1ファミリのアーキテクチャ, 新しい開発環境であるMPLAB IDE Xの使い方, CによるPICのファームウェア開発方法, 内蔵モジュールの使い方と具体的な製作例などについて, 詳細に解説します。
こんな方におすすめ
新しいF1ファミリを使いたい方 新しい開発環境MPLAB X IDEを使ってみたい方
後閑哲也(ごかんてつや) 1947年生まれ。子供のころに電子工作に魅了され, 大学, 仕事とすべて電子の世界を歩む。この子供のころからの電子工作の趣味の世界と, 仕事としているコンピュータの世界を融合した遊びの世界をホームページや書籍で紹介し続けている。
目次
第1章 F1ファミリの概要
1-1 F1ファミリの位置づけと特徴
1-2 F1ファミリと従来PIC16ファミリとの差異
1-3 F1ファミリの種類
1-4 F1ファミリのデモボード
コラム PICマイコンの歴史
第2章 F1ファミリのアーキテクチャ
2-1 全体構成とCPUコアの構成と動作
2-2 メモリアーキテクチャ
2-3 コンフィギュレーションワードとIDワード
2-4 リセット
2-5 クロック
2-6 ウォッチドッグタイマ(WDT)
2-7 低消費電力化
2-8入出力ピンのハードウェア
第3章 開発環境とMPLAB X IDEの使い方
3-1 開発環境の概要
3-2 ツールの種類と使い方
3-3 MPLAB X IDEの入手とインストール
3-4 MPLAB X IDEの使い方
3-5 エディタの使い方
3-6 シミュレータの使い方
3-7 PICkit 3による実機デバッグ
第4章 C言語プログラミング概要
4-1 C言語プログラミングの基本
4-2 割り込みの使い方と書式
第5章 PIC16F15xxファミリの使い方
5-1 PIC16F15xxファミリの構成と特徴
5-2 タイマの使い方
5-3 10ビットA/Dコンバータモジュールの使い方
5-4 アナログコンパレータ関連モジュール
5-5 次世代モジュールと使い方
5-6 製作例 RCサーボを使った太陽電池雲台
第6章 PIC16F18xxファミリの使い方
6-1 PIC16F18xxファミリの構成と特徴
6-2 RS232C通信とEUSARTモジュール
6-3 SPI通信とMSSP(SPIモード)
6-4 I2C通信とMSSP(I2Cモード)
6-5 製作例1 超小型デジタル電圧計
6-6 製作例2 データロガーの製作
第7章 PIC16F17xxファミリの使い方
7-1 PIC16F17xxファミリの構成と特徴
7-2 12ビットA/Dコンバータの使い方
7-3 8ビットD/Aコンバータの使い方
7-4 オペアンプの使い方
7-5 コンパレータの使い方
7-6 高機能PWMコントローラ(PSMC)の使い方
7-7 製作例 マルチメータの製作
第8章 PIC16F19xxファミリの使い方
8-1 PIC16F19xxファミリの構成と特徴
8-2 LCDドライバドライバモジュールの使い方
8-3 製作例 LCメータの製作
第9章 その他のモジュール
9-1 内蔵EEPROMの使い方
9-2 CCPとECCPモジュールの使い方
サポート
ダウンロード
本書で使用するプログラムやパターン図, 組立図はダウンロードできます。以下の圧縮ファイルをダウンロードしていただき, 適宜解凍してご利用ください。
PIC16F1_family.zip
補足情報
本書執筆後に, コンパイラXC8がバージョンアップしたため, delay関数およびconfigの記載方法が変更になっています。
本書記載のプログラムでは, 最新のコンパイラではエラーマークが表示されるようになりました(ただしコンパイルは正常に行われ, 正しく動作はします)。
詳しい状況については,著者Webサイト を参照ください。