書籍概要

栗本慎一郎の全世界史
~経済人類学が導いた生命論としての歴史~

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概要

「パンツをはいたサル」以来,幅広く活躍してきた栗本慎一郎氏がライフワークにしてきた世界史の再構築。栗本氏は本書を事実上の遺作として,本気で世に問う最後の作品として位置づけ,出版する。西欧と中国の偏った史観に依拠してきた従来の日本の歴史学を一掃させることで浮かび上がってくる真実の歴史像を,全ユーラシアの生きた歴史,新しい歴史の教科書として世に問う一冊になる。前著「ゆがめられた地球文明の歴史」で展開した歴史論をさらに拡大発展させ,読者の要望の多かった日本史についても幅広く著述している。栗本氏が「意味と生命」以来展開させてきた,独自の生命論についても披瀝。文字通り,集大成となる一冊。

こんな方におすすめ

  • 世界史に興味のある方
  • 栗本慎一郎の著書を読みたい方

目次

第1章 世界の中の日本史

  • 独立はしていたが孤立していない最古の日本列島文化
  • 日本は漢字文化圏にはいない
  • 蘇我氏の登場と日本連合帝国の成立
  • 「日本」の出現
  • 小王国の連合……ヤマト帝国の成立

第2章 文化と文明,王国と帝国,民族と人種

  • ローマは「王国」,ヤマトは「帝国」である
  • 文明という病いはどこから,いつ始まったのか
  • シュメール人が広めた病い,それに罹患した諸民族
  • 誇示すること,残すことへの執着という「病い」
  • シュメールの病いは古いのか新しいのか
  • ミシアとメシア……その発祥の地
  • 騎馬民族文化の基軸
  • シュメール以後の諸王国
  • 経済が誕生した本当の理由
  • 南シベリアからの移動と衝突,融合と展開

第3章 人類文化の起源地・ユーラシア

  • 文化と文明の大道
  • 本当は豊かだったシベリア
  • アレクサンドロスが憧れた草原
  • 草原の大国が重視したチュー川流域の力
  • 人類文化の出発地点,ミヌシンスク文明
  • 「移動」と「金属」が根本特徴
  • 7000年前からの病い

第4章 世界帝国アスカ

  • 世界史の表舞台に立つアスカ
  • アレクサンドロスの欠陥
  • アスカとミトラ教
  • アスカと日本の飛鳥,そしてゲルマン
  • 発展した東西交易とユダヤ人……ローマやむを得ず西へ
  • ゲルマン人,表舞台へ
  • ヨーロッパ形成の基軸は何か
  • 本当は異質物のフランク族

第5章 異端と正統の誕生……西ヨーロッパ社会の基礎

  • 西ヨーロッパに響いたユーラシアの動き
  • ドナウ川,渡って行くのはみなゴート
  • ミトラ教の浸透
  • 異端と正統の逆転……繰り返し生み出される二重性
  • ケルト人とフランク族の謎
  • フランク王国メロビング朝
  • フランク王国から10世紀のヨーロッパへ
  • チュルク族のカザールと西ヨーロッパ
  • 南仏,スペインのキリスト教世界

第6章 ヨーロッパの本格的成立

  • アジアと違うヨーロッパ都市の成立
  • 十字軍のインパクトとヨーロッパの経済的成長
  • ルネサンスは「復興」にあらず
  • 重商主義と絶対王政の展開
  • 海外交易の進展,そして植民地経営
  • ヨーロッパはどうなるのか,日本はどう対応するのか

第7章 ヨーロッパと日本だけの共通項

  • 内部に抱え込んだ恒常的二重性
  • 病いにかかった江戸時代
  • 日本の二重性の起源
  • 謎の翡翠姫と双子,そして聖方位
  • 蘇我氏の本流
  • 大化の改新と日本の動向
  • 二重性が強化された平安,鎌倉時代以降

第8章 ヨーロッパを動かしたアジア

  • 満州から始まった4世紀の激震
  • 中国の「形成」の開始
  • 中国における統一国家の成立
  • 謎のキメク汗国……セミレチエを抑えた七つの王国の連合帝国
  • カザールとヨーロッパ,そしてユダヤ人の起源

第9章 アジアの中の日本と中国

  • 西へ向かったシァンピ(鮮卑)の非主流派
  • 満州,南シベリア,興安嶺のイェメク
  • フーユ,コマと日本のつながり
  • 清朝に至る満州の動き
  • 唐後の混乱と有力「周辺」国家
  • 中国の「拡大主義」とどう向き合うか
  • アジアの未来と日本の重たい課題

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