概要
非正規社員の増加や急速なIT化など職場を取り巻く環境が従来と大きく変わり,それに伴いうつ病など心の病にかかる人が増えています。出社拒否になり,休職や退職に追い込まれる人もいます。そこまでいかなくても職場でのストレスを抱えている人は多いと思います。本書は,職場でかかえる心の病の症状,原因,その治療法やならないための心がけなどをわかりやすく解説します。特に初期症状の発見方法と早期療法に重点をおき,手遅れにならないことを第一に解説します。また,同僚や部下が心の病になってしまったときの接し方についても説明します。なお,厚労省による事業所のメンタルヘルスチェックの義務化についてもその内容を解説します。
こんな方におすすめ
- うつになりかかっている人
- うつで休職している人
- うつになってしまった部下や同僚を持つ人
著者から一言
心の健康は身体面の健康と同様に,誰にとっても大切です。心が健康でなければ,いい仕事はできないでしょうし,何に対しても心から楽しんで,そして真剣に取り組むことができません。したがって,本書では,心の健康問題を抱えて悩まれている人だけでなく,仕事をしている人であれば,誰にとっても「今日からでも役に立つ」知識が提供できるように意識しながら書きました。特に,職場における心の健康問題は,様々なストレス(本書においては主に仕事)から,仕事や日常生活に影響が出ているけれども,医療機関を受診するほどではない,といった状態にあることも多く,この状態からどう抜け出せばいいのか,さらには,心の健康をより良い状態に保ち,いい仕事をするにはどうすればいいのか,といった視点も取り入れました。本書を読んで頂くことで,職場のストレスに上手に対処して心の健康をよりよい状態に保つことができるだけでなく,心の健康の重要性についての理解が深まり,組織の問題として取り組む職場が増えることを願っています。