ぐっと身近に人がわかる
正しく知る会社「うつ」の治し方・接し方
〜知っておきたいメンタルヘルス対策〜
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松崎一葉 監修
友常祐介 著 - 定価
- 1,738円(本体1,580円+税10%)
- 発売日
- 2013.5.25[在庫なし] 2013.5.30
- 判型
- 四六
- 頁数
- 192ページ
- ISBN
- 978-4-7741-5666-8 978-4-7741-5796-2
サポート情報
概要
非正規社員の増加や急速なIT化など職場を取り巻く環境が従来と大きく変わり、それに伴いうつ病など心の病にかかる人が増えています。出社拒否になり、休職や退職に追い込まれる人もいます。そこまでいかなくても職場でのストレスを抱えている人は多いと思います。本書は、職場でかかえる心の病の症状、原因、その治療法やならないための心がけなどをわかりやすく解説します。特に初期症状の発見方法と早期療法に重点をおき、手遅れにならないことを第一に解説します。また、同僚や部下が心の病になってしまったときの接し方についても説明します。なお、厚労省による事業所のメンタルヘルスチェックの義務化についてもその内容を解説します。
こんな方にオススメ
- うつになりかかっている人
- うつで休職している人
- うつになってしまった部下や同僚を持つ人
目次
第1章 なぜ今、職場でメンタルケアが必要なのか
- 自殺者数からみた心の健康問題
- 心の健康問題による休業者数の増加
- 心の健康問題による休業は長期にわたる
- 誰もが心のケアを必要としている
- 心の健康問題の労災認定
- 民事裁判からみた事業者責任
- 安全配慮義務の必要性と問題点
- 心の健康づくり対策の実際
- 心の健康問題にどう対応するか
第2章 職場でみかける心の健康問題
- 心の健康問題をどう捉えるか
- 心の健康問題の事例:典型的な3つのケース
- 心の健康問題の事例:解説編
- 心の健康問題の事例:治療が最優先のケース
- 心の健康問題の診断名についての考え方
第3章 心の健康問題を引き起こす要因
- 心の健康問題の原因は何か
- 要因を診たてることの重要性
- 環境要因(1)仕事量の増加
- 環境要因(2)仕事の質の変化
- 環境要因(3)人間関係のストレス
- 個体要因(1)陥りやすい性格傾向
- 個体要因(2)若い世代特有のストレス
第4章 心の健康問題を防ぐには〜一次予防
- 心の健康問題の予防対策
- 一次予防〜ストレスへの気づき
- 日常の出来事によるストレス
- ストレスへの対処行動
- ストレスへの対処力を身につける
- 首尾一貫感覚を高めるためには
- 一次予防のまとめ
第5章 早期発見、早期対応〜二次予防
- 二次予防〜心の健康問題のサインに気づく
- サインへの対処法(1)気づいたら声をかける
- サインへの対処法(2)話を聞く際のポイント
- 二次予防のまとめ
第6章 復帰時に気をつけること〜三次予防
- 三次予防〜職場復帰のための5ステップ
- 第1ステップ:休業開始時、休業中のケア
- 第2ステップ:主治医による職場復帰の判断
- 第3ステップ:職場復帰の判断と支援プラン
- 第4ステップ:最終的な職場復帰の決定
- 第5ステップ:職場復帰後のフォローアップ
- 職場復帰を妨げる要因との付き合い方
- 職場復帰する人との接し方:管理監督者編
- 職場復帰する人との接し方:同僚編
- 三次予防のまとめ
第7章 メンタルヘルス対策の義務化とは
- メンタルヘルス対策の義務化
- 労働安全衛生法改正案の内容
- 労働安全衛生法改正案の問題点
- メンタルチェックの活用方法
- メンタルヘルス対策の課題
プロフィール
友常祐介
筑波大学医学専門学群卒業・同大学大学院を筑波研究学園都市で働く労働者のメンタルヘルスをテーマとして修了し博士(医学)取得。労働衛生コンサルタント。産業衛生専門医。独立行政法人日本原子力研究開発機構産業医を経て2010 年12 月より筑波大学医学医療系助教。事業場での産業医活動の経験を元に、メンタルヘルス対策における一次予防から三次予防までの包括的な活動に携わっている。特に、心の健康問題を抱える労働者への相談対応や、その上司へ助言・指導、そして職場復帰支援制度の構築など実務的な活動に幅広く従事している。また、メンタルヘルスだけでなく、健康診断事後措置など、心身両面における健康づくり活動に携わっている。著書に『公務員のための部下が「うつ」になったら読む本』(学陽書房)がある。
著者の一言
心の健康は身体面の健康と同様に、誰にとっても大切です。心が健康でなければ、いい仕事はできないでしょうし、何に対しても心から楽しんで、そして真剣に取り組むことができません。したがって、本書では、心の健康問題を抱えて悩まれている人だけでなく、仕事をしている人であれば、誰にとっても「今日からでも役に立つ」知識が提供できるように意識しながら書きました。特に、職場における心の健康問題は、様々なストレス(本書においては主に仕事)から、仕事や日常生活に影響が出ているけれども、医療機関を受診するほどではない、といった状態にあることも多く、この状態からどう抜け出せばいいのか、さらには、心の健康をより良い状態に保ち、いい仕事をするにはどうすればいいのか、といった視点も取り入れました。本書を読んで頂くことで、職場のストレスに上手に対処して心の健康をよりよい状態に保つことができるだけでなく、心の健康の重要性についての理解が深まり、組織の問題として取り組む職場が増えることを願っています。