概要
Raspberry Piは低価格&手のひらサイズのARMプロセッサ搭載のボードコンピュータで, 主にLinuxベースのOSで動作します。もともとは英国で教育用途として開発されたものです。国内では, 小型のLinux PCという位置づけで, 電子工作ファンのみならずITエンジニアなどにも注目されています。本書では, Raspberry Piの購入方法から起動/ カスタマイズなどの基本操作, さらにソフトウェア応用編として「複数台によるWebサーバ構築」, ハードウェア応用編として「喋る温度計製作」「農作業用ロボット製作」などを解説します。
こんな方におすすめ
Raspberry Piに興味のある方 小型PCボードを利用/ 活用してみたい方
Japanese Raspberry Pi Users Group(じゃぱにーず らずべりーぱい ゆーざ ぐるーぷ) 2012年9月に意気投合したメンバーでゆるく集まったユーザグループ。しかしながら, Raspberry Pi公式サイトでの日本語フォーラムを開設し, 2013年5月にはRaspberry Pi財団の創始者Eben Uptonを迎え「Big Raspberry Jam Tokyo 2013」を開催し, Eben本人からも公式のユーザグループとしてお墨付きを得る。ご興味のある方はこちら からご入会ください。
目次
Part1 Raspberry Piをはじめよう!
Chapter 1 Raspberry Piとは?
1-1 はじめに
1-2 Raspberry Piのコンセプト/ゴール
1-3 Raspberry Piのスペック
1-4 Raspberry Piの特徴
1-5 Raspberry Piの歴史
1-6 Raspberry Piの今後の展開
1-7 まとめ
Chapter 2 Raspberry Piの購入方法
2-1 はじめに
2-2 実際にRaspberry Piを購入しよう
2-3 まとめ
Part2 基本編
Chapter 3 OSと周辺機器の準備
3-1 はじめに
3-2 Raspberry Piで動くOS
3-3 OSイメージをSDカードに書き込む
3-4 Raspberry Piに必要な周辺機器
3-5 まとめ
Chapter 4 システム設定とソフトウェア管理
4-1 はじめに―使いやすい環境を作る
4-2 基本設定(raspi-configの利用)
4-3 ネットワーク設定
4-4 各種ソフトウェアの導入
4-5 日本語環境の利用
4-6 まとめ
Chapter 5 さまざまなハードウェアをつないでみる
5-1 はじめに―GPIOとは
5-2 GPIOの基本的な使い方
5-3 USBシリアル変換アダプタを接続しよう
5-4 LED(発光ダイオード)点滅をしてみよう
5-5 Webブラウザ上からGPIO操作をしよう
5-6 まとめ
Part3 ソフトウェア応用編
Chapter 6 超実用的Webサーバ構築(前編)
6-1 はじめに
6-2 インストールと設定
6-3 実用サーバのためのチューニング
6-4 設定ファイル記述
6-5 WordPressのインストール
6-6 まとめ
Chapter 7 超実用的Webサーバ構築(後編)
Chapter 8 クロス開発環境構築
8-1 はじめに―クロス開発とは?
8-2 支援用PC上のOS環境のセットアップ
8-3 crosstool-NG環境のセットアップ
8-4 カーネルをコンパイルしよう
8-5 まとめ
Chapter 9 Java環境構築
9-1 はじめに―Javaを動かしてみよう
9-2 Javaを使ってみよう
9-3 Javaでサーバアプリを動かしてみよう
9-4 Javaクライアントアプリを動かしてみよう
9-5 Java on Raspberry Piの将来
9-6 まとめ
Part4 ハードウェア応用編
Chapter 10 喋る温度計製作
10-1 はじめに
10-2 温度計を作ってみよう(ハードウェア編)
10-3 温度計を作ってみよう(ソフトフェア編)
10-4 喋る温度計にしよう
10-5 まとめ
Chapter 11 キャラクタLCDを使ってみよう
11-1 はじめに―キャラクタLCDを使ってみよう
11-2 デバイス選びの注意点
11-3 まずは下準備
11-4 LCDデバイスとRaspberry Piの接続
11-5 ホスト名とIPアドレスを液晶に表示する
11-6 温度計で測った温度を表示する
11-7 ブレッドボードは最終型?
11-8 おわりに
Chapter 12 農作業用ロボット製作(前編)
12-1 はじめに
12-2 なぜRaspberry Piで農作業用ロボットを作ろうとしたか
12-3 ロボット開発の方針と開発原価予算
12-4 システム全体のハードウェア構成
12-5 ソフトウェア構造
12-6 ロボット運用サーバ(システム)
12-7 Raspberry Piの設定
12-8 自律移動型4足歩行ロボット
12-9 プロトタイピング・ロボット開発
12-10 まとめ
Chapter 13 農作業用ロボット製作(後編)
13-1 はじめに―ロボットを作ろう
13-2 ロボットの概要と完成写真
13-3 ロボットの構成
13-4 ソフトウェア構成
13-5 利用する教材,材料,道具
13-6 ロボットEye製作―OpenCVとWebcamを使った画像解析
13-7 ロボットの移動機能を作る
13-8 ファームウェアのインストール
13-9 設定ファイルとプログラム
13-10 動作テスト
13-11 まとめ―機能拡張の考え方
Appendix
Appendix A オリジナルケース作り
A-1 はじめに
A-2 既製品ケース
A-3 自作ケース
A-4 LEGOブロックで作成するケース
A-5 必要な材料
A-6 まとめ
Appendix B Ejectコマンドで遊ぼう
B-1 はじめに
B-2 Raspberry PiからCD-ROMドライブを制御しよう
B-3 CD-ROMドライブでリモート制御
B-4 Ejectを卒業しよう
B-5 まとめ
Appendix C 実践Tips & トラブルシューティング
C-1 インターネット上の情報源
C-2 Raspberry Pi公式フォーラムに登録してみよう
C-3 Raspberry Pi の設計データ
C-4 世界に広がるラズベリーの実
C-5 Minecraft Pi Edition
C-6 Raspberry Piのバックアップ方法
C-7 NOOBS起動時に画面が表示されないときは
C-8 OSイメージを作り直したらSSH接続できなくなったときは
C-9 Hynix製512MBメモリを搭載したRaspberry PiでOSが起動しないことがある
C-10 “ピンクのケース”を活用しよう
サポート
ダウンロード
本書Chapter 12-13「農作業用ロボット製作」の補足資料とサンプルコードをダウンロードできます。
データは, 圧縮ファイル形式でダウンロードできます。圧縮ファイル(Chapter12-13.zip)をダウンロードしていただき, 適宜解凍してください。
解凍すると説明書(PDFファイル)とサンプルコードがあります。
次の補足資料は「archlinux-hf-2013-02-11.img」を前提に説明しており, 最新版の「archlinux-hf-2013-07-22.img」では, 資料内の1.2「Arch Linux の起動とSDカード拡張」で使用している「fdisk」コマンドでは変更できません(OSを展開するのがプライマリパーティションから拡張領域内の論理パーティションに変更されているためです)。
現状, コマンド操作で変更する方法が見当たりませんが, 他のUbuntマシン上で, GPartedを使って処理することは可能です。著者のブログ などを参考にしてください。
ダウンロード
Chapter12-13の補足資料とサンプルコード(Chapter12-13.zip, 約628KB)
正誤表
本書の以下の部分に誤りがありました。ここに訂正するとともに, ご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。
(2015年3月30日更新)
P.95 白抜き実行図1つ目
P.96 リスト6-6の1-4行目
行末の「^M」は不要です。
P.96 リスト6-6の4行目