概要
「Excelぐらい,まあなんとかなるよ」
……そういいつつ,作業に何時間もかかってイライラしたり,いつもミスをして時間をムダにしていませんか?
そんなExcel地獄に陥らないための,今日から即役立つテクニックから,社会人10年目でも意外とわかっていない「なぜ,それが必要なのか?」といった目的意識まで,実務直結の知識を最小限の時間でマスター。
50社以上,のべ2000名以上の指導実績に裏打ちされたノウハウが満載!
こんな方におすすめ
- 仕事でExcelを使うビジネスパーソン
- 操作マニュアルではわからない実践的なノウハウを知りたい方
著者から一言
あなたのExcel作業は,ほとんどすべて時間のムダかもしれません
「Excelの作業に何時間もかかってイライラする」
「煩雑な手順のせいでミスがたえない」
「本で勉強しようとしても,どれを読めばいいのかわからない」
そんな状態になっていないでしょうか?
もし「今でもExcelは何とかなっている」と思っていても,その所要時間の99%には削減できる余地が潜んでいます。Excelには,実務を効率化するのに「知らなかった」では済まされないことがいくつかあります。それらをできるだけ早い段階で知っておく必要があります。
資格を取っても,パソコン教室に通っても,現場で通用しない理由
では,「Excelのスキルアップ」はどのようにしたら実現するのでしょうか?
よく選択されている方法は以下の2つですが,じつはどちらも役に立たないことがほとんどです。
私はExcelのセミナーを個人向けに開催していますが,そこにいらした受講者様の多くが
「資格を取得したが,仕事でまったく活かせていない」
というお悩みを抱えて弊社の門を叩かれているという現実があります。
また,弊社のクライアント企業の担当者様からも,
「資格取得者を採用してみたが,まったくExcelが使えていない」
「資格を受けさせたが,まったくスキルが上がっていない」
というご相談をいただいています。
なぜこのような問題が起きるかと言えば,Excelの資格は,Excelの機能や関数に関する知識を広く浅くチェックするためのものだからです。したがって,そこで出題される内容が現実のビジネスで必要なものとは限らないのです。
実務経験の豊富なインストラクターさんが教えてくれるなら,パソコン教室も有益でしょう。しかし,そうした学校を探すのはどうもかんたんではないようです。Excel教室では専業のインストラクターさんが教えてくださいますが,彼らは必ずしもビジネスにおける実務経験が豊富であるとは限りません。また,本部が作成した教材を使い,カリキュラムどおりに,マニュアルどおりに講義が進んでいきます。パソコンスクールによっては個別の質問には答えてくれないところもありますが,これは「答えない」というよりは講師のスキル不足により「答えられない」というのが現実です。
忙しい現代のビジネスパーソンが,Excelのために多くの時間をかけている暇はありません。Excelのスキルはたしかに大切ですが,短期間でかんたんに身に着けてしまうべきものです。Excelはあくまでも道具であり,仕事の目的ではないのですから。
必要なのは目的意識と「前向きな怠惰」の発想
では,どうすればいいのでしょうか?
その答えとして執筆したのが本書です。本書は,「最小限の時間で,即戦力になるための知識が身につく」ことを主眼において執筆しました。
Excelは,その機能や関数を100%マスターしても,それだけでは使いこなすことはできません。大切なのは,
「そもそも,Excelで何をするのか?」
「どんな資料を作って,それをどう活かすのか?」
といった目的意識,そして
「必要な作業を,いかに効率的に,ラクに,ミスなく済ませる仕組みを実現するか?」
という発想力です。
私は,これまで50社以上のクライアント企業様へExcel業務の改善指導を行ってきました。個人向けセミナーでも,実務直結型のExcel研修を提供し,のべ2000名以上の方を指導してきました。その中で,数多くのご相談をいただき,幅広い業種業界に共通する課題を解決していく中で,
「自分が今まで長時間かけていたのは何だったんだ……」
という声を数多く耳にして参りました。実際に,本書に書いたことを実践していただくことで,「30分かかっていた作業が数秒に」「2日かかっていた作業が5分に」といった時間短縮が実現しています。時間短縮だけでなく,煩雑な手間が省けることから「ミスがなくなり,仕事の精度が上がる」という効果も出ています。
時間のかかる面倒な作業があったとしたら,まちがってもそこにすばらしい根性を発揮してはいけません。そのような作業はいかにラクして瞬時に済ませられるだろうかと考える,「前向きな怠惰」の発想を身に着けていただきたいのです。
本書がそのための一助となれば,これに勝る喜びはありません。