目次
第1章 すべては原子から始まる
1-1 原子は何からできているのか
- A 原子の構造
- B 原子番号・質量数・原子量
1-2 電子はどこにいるのか
- A 電子殻の種類と定員
- B 電子殻はエネルギーをもつ
- 電子殻のエネルギーの表し方
- 電子の居場所と安定・不安定
1-3 電子殻は軌道に分かれる
- A 軌道の種類
- B 軌道のエネルギーと大きさ
1-4 軌道はどんな形をしているか
1-5 電子はどのようにして軌道に入るのか
- A 電子のスピン
- B 電子配置の約束
- C 実際の電子配置をみてみる
- 水素からホウ素(1H~5B)の電子配置を見る
- 炭素6Cの電子はどの軌道に入るか
- 窒素からネオン(7N~10Ne)の電子配置を見る
- D 最外殻の電子(価電子と非共有電子対)
- E 電気陰性度
第2章 分子をつくる結合と混成軌道
2-1 結合の種類と分子
- A 分子と化合物
- B 結合の種類
- 原子間の結合
- 分子間力
2-2 イオンとイオン結合
- A イオン
- B イオン結合
2-3 共有結合はどのようにできるか
- A 最も簡単な水素分子の形成
- B 結合電子は接着剤
- C 共有結合の条件と本数
2-4 共有結合の基本はσ結合とπ結合
- A結合軸上にできるσ(シグマ)結合
- B 軸の上下にできるπ結合
- C σ結合とπ結合の違い
- 結合回転ができるか
- 結合強度の違い
2-5 混成軌道がわかれば分子の形がわかる
- A 混成軌道とは
- 混成軌道と合挽きハンバーグ
- 混成軌道の性質
- B 炭素の混成軌道は3種類
- (1)sp3混成軌道(単結合)
- (2)sp2混成軌道(二重結合)
- (3)sp混成軌道(三重結合)
第3章 基礎的な分子構造を見てみよう
3-1 有機分子の基本中の基本:メタンの結合
- A メタンの結合状態
- B メタンの構造の表現法
3-2 単結合を理解する:エタンの結合
- A メチルラジカルとは
- B エタンの生成
3-3 エタンの結合回転
- A 立体表現1:木挽き台モデル
- B 立体表現2:ニューマン投影式
- C 回転異性体とは
3-4 二重結合を理解する:エチレンの結合
- A σ骨格とは
- B π結合と二重結合
- C 二重結合のシス体とトランス体
- 3-5 三重結合を理解する:アセチレンの結合
- A アセチレンのπ電子雲
- B 結合の多重度と混成軌道
第4章 重要な分子の構造を見てみよう
4-1 アンモニアNH3の結合
- A 窒素の混成状態
- B アンモニアの形
4-2 水H2Oの結合
- A 水の形
- B 水素結合
4-3 アンモニウムイオンとオキソニウムイオンの結合
- A 水素陽イオンH+ の構造
- B アンモニウムイオンNH4+の結合
- C 配位結合とは
- D オキソニウムイオンH3O+の結合
4-4 共役二重結合(1):ブタジエンの結合
- A ブタジエンの構造式
- B ブタジエンのπ結合
- C ブタジエンの二つの構造式
4-5 共役二重結合(2):非局在π結合とベンゼン
- A 非局在π結合
- B ベンゼンの結合
- C 非局在π結合の強度
- D 単結合と二重結合の中間
第5章 異性体が分子の種類を多くしている
5-1 分子式と構造式は何が違うのか?
- A 構造式
- B 構造式の表現
5-2 炭化水素の異性体
- A 分子式C4H10の異性体はいくつあるか
- B 分子式C5H12の異性体はいくつあるか
5-3 官能基が異なる異性体
- A 置換基とは
- アルキル基
- 官能基
- B 官能基異性
5-4 立体異性体
- A 配座異性とは
- B シス・トランス異性
5-5 光学異性体
- A 不斉炭素とは
- B 光学異性体の合成と分離
- C 光学活性(旋光性)
- D 生理的性質
- E 光学異性体の例
第6章 基礎的な分子構造の決め方
6-1 分子構造の決め方の手順
6-2 分子量を決めるには
- A 分子量の化学的決定
- 凝固点降下
- 沸点上昇
6-3 分子式の決定
- A サンプルの燃焼
- B 原子数比の決定
- (1)原子の重量を求める
- (2)原子数比を求める
6-4 簡単な分子の構造を決めよう
- A 2個の原子が作る分子の形
- B 3個の原子が作る分子の形
- C 4個の原子がつくる分子の形
6-5 物性による構造の決め方
- A 分子式C2H6Oの分子の形
- B 分子式CH2O2の形
6-6 定性反応による構造の決め方
- A 分子式C2H4Oの分子の形
- B 分子式C2H4O2の分子の形
第7章 スペクトルと分子構造
7-1 スペクトルとは
- A スペクトルの定義
- B スペクトルの原理
7-2 質量スペクトル:分子量が分かる
- A 質量スペクトルの原理
- イオン化
- 質量スペクトルの測定
- B 質量スペクトルの実際
- C 質量スペクトルからわかること
- 開裂パターン
- 高分解能質量スペクトル(High Resolution MS)
7-3 分子と光の相互作用
- A 光は電磁波
- 光のエネルギー
- 光の種類
- B 分子軌道とエネルギー
- 分子軌道
- 分子軌道エネルギー
- C 電子配置
7-4 UVスペクトル
- A 光吸収
- B UVスペクトルと分子構造
- C UVスペクトルの実際
7-5 IRスペクトル
- A 分子の振動回転エネルギー
- B IRスペクトルの実際
- C 特性吸収
第8章 NMRスペクトルと分子構造
8-1 NMRスペクトルの実際
- A NMRスペクトルのチャート
- B 結合定数とは
- C 積分強度とは
- D NMRスペクトルの測定
- 試料
- 測定器
8-2 分子を磁場に入れるとどうなるか?
- (NMRスペクトルのしくみ)
- A 原子核はスピンしている
- B 共鳴吸収
8-3 化学シフトは電子密度を明らかにする
- A 電子密度と実効磁場強度
- B 化学シフトとは
8-4 結合定数は立体化学を明らかにする
- A シグナルの分裂
- B 結合定数とは
8-5 13CNMRスペクトル:炭素原子を見る
- A 13C NMRの測定
- B 13C NMRの化学シフト
- C 積分強度
第9章 スペクトルで分子構造を決定しよう
9-1 スペクトルによる構造決定の方針
9-2 ハイマス,UV,IRスペクトルによる簡単な構造決定
- [例1] 高分解能質量スペクトルとUV
- [例2] 高分解能質量スペクトルとIR,NMR
9-3 構造式の知見による予備整理
- [例3] 異性体の可能性が多い分子構造の決定
- A 可能な構造式をリストアップする
- B 各構造の特徴を見つける
9-4 スペクトルによる知見
- A UVスペクトルによる知見
- B IRスペクトルによる知見
9-5 NMR スペクトルによる決定
- カルボニル体f,gの識別
- エーテル体j,lの識別
第10章 基礎的な分子の構造を決定しよう
10-1 構造決定の実際的手順
- A 可能性の積算
- [問題]
- B スペクトルの解析
- (1)分子式を見るポイント
- (2)IRスペクトルを見るポイント
- (3)NMRスペクトルを見るポイント
- (4)13CNMRスペクトルを見るポイント
- C 構造決定
10-2 水素同士の関係の決定
- A 複数個のプロトンとのカップリング
- B 結合定数
- ジェミナールカップリング
- アリルカップリング
- フェニル基のカップリング
10-3 立体異性体の識別
- A シス・トランスの識別
- B カゴ状化合物の立体識別
- 立体異性体
- 二面角と結合定数
10-4 光学異性体の識別
- A 偏光スペクトル
- B 偏光スペクトルの実際
10-5 単結晶X線解析
- A スペクトルと分子構造
- B 単結晶X線解析:分子の肖像写真
- C 単結晶X線解析の弱点
- 結晶でなければならない
- 結合の存否は分からない