概要
「置いておくだけ」「渡すだけ」「郵送するだけ」でお客さんを呼び,ファンができ,売上に直結する――そんな魅力的な販促物を,デザイナーさんにお願いせず,Word&PowerPointと印刷サービスで安価に・自由に作れちゃう!
名刺,ショップカード,ポイントカード,チラシ,リーフレット,割引券,メニューポスター,バースデーカード,年賀状,独立挨拶,プレスリリース,アンケート,会社案内,イベント封筒など,あらゆる印刷物の特性ごとに,制作のコツを教えます。
付録CDにはサンプルデータを全収録。
こんな方におすすめ
- 低コストで効果的な販促物を作りたいお店のオーナー/中小企業の営業担当者
著者から一言
たった1枚の印刷物でお店の売上は激変する
だれかに渡したくなる“紙”の魔法
はじめまして,プレゼン・コンシェルジュの天野暢子です。プレゼンテーション全般のアドバイスやコンサルティングをおもな仕事としています。
私は現在,二折の名刺を使っています。開くと通常の4倍の面積が広がるものです。これを渡すだけで,多くの人はページを広げて隅々まで読み始め,「私もこんな名刺を作りたい」「あなたに頼めば作ってもらえるの?」と聞かれます。
懇意な和食店に,店主の名刺を兼ねた二折のショップカードを作ってあげたところ,常連客はほかの人に渡して見せるために「何枚か持っていっていい?」と,カウンターから何度も持っていくそうです。渡された方も,名刺を手に,次々来店されるとか。
1枚の紙切れが,人の心をつかんで,だれかに紹介したくなる。
置いておくだけで,渡すだけで,郵送するだけで,勝手にお客さんを呼んでくる。
これが本当の意味での「販売促進」でしょう。この本では,仕事が取れる,お客さんを呼んでくるので“魔法の名刺”とも呼ばれるこのカードのほか,年賀状や販促カードなど,ファンづくりや売上に直結する販促物のつくり方をご紹介していきます。
自分で印刷に出せばメリットがたくさん
私の場合,自作を手がけた最初はオリジナルの年賀状でした。当初は自宅のパソコンで作り,プリンターに官製はがきを差し込んで印刷していましたが,紙詰まりなどで失敗続きです。プリンターを見張っている時間も,失敗するはがきの費用もバカになりません。
しかし,ある時印刷会社のホームページを見たら
「Office製品(Word,PowerPoint,Excel)でのデータも入稿OK」
と書いてあるではありませんか。「それなら,私にも作れるし,自分で印刷しなくて済む!」と大喜びしたものです。
それまで,印刷会社に入れるデータは,IllustratorやPhotoshopなどプロのデザイナーが使う専門ソフトで作ったものでないと受け付けてもらえませんでした。しかし,WordやPowerPointでもOKとなれば,プロのデザイナーに依頼する必要もありません。高いデザイン料を払って外注しなくてもよくなったのです。それによって,次の5つのメリットがあります。
- ①自由自在
だれかにデザインを依頼する場合は,気になることがあっても,気兼ねしたり,修正費用がかかったりで,なかなか変更を言い出せないものです。でも,自分で作るなら,納得のいくまで何度でも直すことができます。印刷会社のサンプルにない,オリジナルデザインも自由自在です。
- ②とにかく安い
コンビニのセルフコピー機は,もう何十年も1枚10円で据え置きです。しかも,白黒の値段。ところが,印刷会社に出せば,両面カラーでも単価は10円未満で済む場合がほとんどです。100枚以上のプリントなら,印刷に出すほうが断然お得です。
- ③手間が減る
従来は印刷会社にデータを持参,受け取りに行かなければなりませんでしたが,今は印刷のネット通販があります。全国どんな場所からでもインターネットを通じて入稿し,宅配便で納品されるので,外出や打ち合わせは不要です。紙詰まりやトナー切れなどによるイライラから解放されることも魅力的です。
- ④見栄えがいい
印刷会社で使う用紙は,厚さや色,光沢などを選べます。ペラペラの白いコピー用紙とはまったく違うので,受け取る相手へのアピール度もぐんと上がります。
- ⑤作り替えが気軽
これまでは,内容に変更があっても手書きで訂正したりして,作ったものがなくなるまで使い続けることが主流だったかもしれません。けれども,データが自分の手元にあれば,1文字だけ直して新しく印刷に出すようなことが気軽にできるようになります。
プロのワザがあなたにも身に付く
名刺もはがきも,あなたに代わってあなたのことを紹介してくれ,お店に代わってお店の宣伝をしてくれる“プレゼンテーションツール”です。集客や売上につながる販促物にするためには
「どんなサイズが使い勝手がいいか?」
「どのような色を使えば目を惹くか?」
「どのようにレイアウトすれば記憶されるか?」
など,販促物の特性ごとにコツや制作の留意点があります。
そこで,プレゼン・コンシェルジュの登場です。私はマスコミ系の企業で勤務してきましたが,グラフィックデザイナーでも,美大やデザイン専門学校の出身でもありません。じつはWeb制作の学校に通った時期があって,IllustratorとPhotoshopの使い方も学んだのですが,難しすぎて,クラスで落ちこぼれになった過去もあります。
けれども,情報の見せ方,伝え方はプレゼンテーションの基本ですから,だれにも負けません。上手な話し方ではなく,「視覚に訴えて“直感させる”手法で勝つ!」ことを信条としてプレゼンに向かい合ってきた私の最も得意な分野なのです。
各項に紹介したサンプルは,付録CDのデータを使って,あなたの住所や電話番号を上書き入力することで,そのまま利用していただけます。まずはそれから挑戦してみましょう。その流れで完成したら,次のステップとして,完全オリジナルのデザインを手がけてみることをおすすめします。印刷会社に注文する以外に,市販の特殊用紙を使って,家庭用プリンターから印刷することも可能です。
本書を活用して,あなた自身が作った販促物が,ファンを集め,売上に直結することを願っています。