書籍概要

代謝ガイドブック

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概要

「代謝」は,生化学や生理学の両分野に分かれているため,代謝全体を理解することは難しくなっています。一方で,医療の現場では横断的な知識が求められています。本書では,代謝の全体像を理解するために,体系的に代謝のしくみを解説します。複雑で専門性の強い部分をできるだけ簡単にし,知っておきたい重要部分の解説はきちんと行うことで,初学者にも理解しやすいようにします。代謝の全体像がわかるように解説します。専門用語の羅列は避け,豊富な図版の中にも解説をつけることで,図を見るだけでも代謝のしくみが「わかる!」ようになっています。生物や化学の専門知識がなくても読めるように,やさしくかみ砕いて解説しています。人のからだの代謝の仕組みを知りたいと思っている方に役だつ内容です。

こんな方におすすめ

  • 医療関係者,看護師,看護学生。体のエネルギー源を学びたい人

目次

  • はじめに

第1章 代謝とは

  • 1-1異化と同化
  • 1-2 物質代謝
  • 1-3 生体のエネルギー源「ATP」
  • 1-4 生体内の反応
    • (1)異化
    • (2)同化

第2章 栄養素

  • 2-1糖質
  • 2-2 脂肪
  • 2-3 タンパク質
  • 2-4 ミネラル
  • 2-4 核酸
    • (1)糖
    • (2)塩基
    • (3)ヌクレオシド
    • (4)ヌクレオチド
    • (5)核酸
  • 2-5 核酸の代謝
    • (1)核酸の合成(de novo 合成)
    • (2)プリン,ピリミジンの分解とサルベージ経路による合成
  • 2-6 ビタミン
    • (1)水溶性ビタミン
    • (2)脂溶性ビタミン
  • 2-7 ミネラル

第3章 代謝の概観

  • 3-1 代謝の全体像
    • (1) 筋肉
    • (2) 脳
    • (3) 肝臓
    • (4) 脂肪細胞
  • 3-2 細胞における代謝の経路の概観
    • (1)糖質の分解と吸収
    • (2)タンパク質の分解と吸収
    • (3)脂肪の分解と吸収

第4章 消化と吸収

  • 4-1 消化器系の構造と働き
    • (1) 口腔
    • (2) 胃
    • (3) 膵臓
    • (4) 腸液
  • 4-2 胃における消化
    • (1) タンパク質の消化
    • (2) 脂肪の消化
  • 4-3 小腸の構造
  • 4-4 膵臓,胆嚢,肝臓
    • (1) 糖質の消化と吸収
    • (2) 細胞膜と物質の吸収
    • (3) タンパク質の消化と吸収
    • (4) 脂肪の消化と吸収

第5章 エネルギーの産生

  • 5-1 ATPの構造と高エネルギーリン酸結合
  • 5-2 栄養素の酸化とATPの産生
  • 5-3 三大栄養素からエネルギーが作られる過程
    • (1) 糖質(解糖系)
    • (2) 脂肪
    • (3) タンパク質

第6章 ミトコンドリアの働き

  • 6-1 TCA回路
  • 6-2 電子伝達系

第7章 肝臓における代謝

  • 7-1 肝臓の構造と血液循環
  • 7-2 肝臓の働き
    • (1) 代謝機能(合成)
    • (2) 代謝機能(分解)
    • (3)胆汁生成と分泌
  • 7-3 糖質の代謝
    • (1) グリコーゲンの貯蔵
  • 7-4 糖新生
  • 7-5ケトン体の生成
  • 7-6 タンパク質の代謝
  • 7-7オルニチン回路 (尿素回路)
  • 7-8 脂肪の代謝

第8章 筋と代謝

  • 8-1筋の構造と収縮
  • 8-2 「滑り説」の分子機構
  • 8-3 収縮のエネルギー源(代謝)
    • (1)クレアチンリン酸系
    • (2)解糖系
    • (3) 酸素が十分な状態での運動

第9章 腎臓における代謝

  • 9-1腎小体
  • 9-2 近位尿細管における再吸収と分泌
    • (1)再吸収
    • (2)分泌
  • 9-3遠位尿細管,集合管における再吸収と分泌
  • 9-4 酸・塩基平衡
    • (1)緩衝液
    • (2)揮発性酸の排出
    • (3)不揮発性酸

第10章 脳における代謝

  • 10-1 脳と大脳皮質
  • 10-2 脳の神経細胞の形態と働き
  • 10-3 神経細胞の信号(静止電位と活動電位)
    • (1) 細胞内外のイオン濃度と平衡
    • (2) 膜タンパク質チャンネル
    • (3)細胞内のイオンの濃度の維持
  • 10-4 脳の代謝の特異性

コラム

  • プリン体
  • トレはロース
  • セルロース
  • オリゴ糖
  • 希少糖
  • 旋光性
  • 塩基対
  • 食べ過ぎたタンパク質はどこへいくのか?
  • 日本人に多い,高コレステロール血症
  • 乳酸と有酸素運動
  • 筋肉の疲労物質
  • 酸塩基平衡障害

サポート

正誤表

『代謝ガイドブック』第1版第1刷(2014年7月5日発行)に,以下の誤りがありました。
読者の皆様ならびに関係者の皆様にご迷惑をおかけしましたことを,深くお詫び申し上げます。

(2020年4月3日最終更新)

P.160 上から9行目

輸出細動脈と遠位尿細管が
輸入細動脈と遠位尿細管が

P.163 下から6行目

図9-8示した反応は、
図9-8に示した反応は、

P.168 上から11~12行目

脳組織1g当たりおよそ15mmolのATPが消費
脳組織1g当たり1分間におよそ15mmolのATPが消費

P.175 図10-7の説明文の上から2行目

Na+ 3個を細胞以外にくみ出し、
Na+ 3個を細胞外にくみ出し、

(以下2020年4月1日更新)

書籍全体に「オキザロ酢酸」と「オキサロ酢酸」の表記が混じっておりましたので,「オキサロ酢酸」に表記を統一します。
該当部分は以下のとおりです。

P.59 図3-2
P.60 上から6行目&7行目,下から9行目
P.94 図5-3
P.103 図5-11(←すでにサポートページに掲載させていただいております)
P.110 上から4行目
P.111 図6-3
P.123 下から11行目&10行目
P.124 図7-8
P.124 下から4行目
P.129 図7-11
P.130 図7-12
P.130 下から5行目

P.131 「7-8 脂肪の代謝」の1行目

糖脂肪は、小腸で
脂肪は、小腸で

(以下2020年3月31日更新)

P.101 下から1行目

アミノ基が外れた炭素と水素からなる分子
アミノ基が外れた炭素と酸素からなる分子

P.102 図5-9「アミノ酸の分解」にある説明文の最後の行

結合し、グルタミンに変わります。
結合し、グルタミン酸に変わります。

P.103 図5-11 図中にある「オキザロ酢酸」を「オキサロ酢酸」に統一

誤

正

P.116 上から5行目

血管(門脈、肝動脈)、総胆管、神経が走行
血管(門脈、肝動脈)、総肝管、神経が走行

P.116 図7-1 にある「総胆管」を「総肝管」に修正

誤

正

(以下2020年3月30日更新)

P.99 図5-7 ③脱水素 にある「3-オキソアシル-CoA」の構造式 

誤

正

P100 図5-8 ④にある「8個目のアセチルCoA」の構造式

誤

正

(以下2020年3月25日更新)

P.72 図4-5 膵臓,胆嚢,肝臓の関係

誤

正

肝臓内を走る胆管の名称が間違っておりました。

P.80 下から5行目

反対に細胞外のK-を細胞内に移動させます。
反対に細胞外のK+を細胞内に移動させます。

(以下2020年3月24日更新)

P.25最終およびP.27最初にかけての文章

2分子がつながったルトース」(麦芽糖)、
2分子がつながった「マルトース」(麦芽糖)、

P.33 上から15行め

ドコヘキサエン酸(DHA)
ドコヘキサエン酸(DHA)

P.42 (4)ヌクレオチド にあるチミンの構造図

誤

正

P.181 中段下から2項目め

ドコヘキサエン酸
ドコヘキサエン酸

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