書籍概要

仕事は「徒然草」でうまくいく
【超訳】時を超える兼好さんの教え

著者
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更新日

概要

元祖ツイッター? 700年の時を超える成功法則をベストセラー著者2人が令和仕様にアップデート!

「リア充自慢もほどほどに」
「素人の聞きかじりや思い込みは怪我のもと」
「残念な年長者になる前に引き際を見極めよう」

だれもが知る古典は,じつはライフハック,マネジメント,生き方まであらゆる成功法則が詰まった“最強のビジネス書”だった!?

23万部突破「問題地図」シリーズの生みの親・沢渡あまねと,ベストセラー多数の人気国語講師・吉田裕子が,不朽の名著を令和仕様にアップデート!

【公式ハッシュタグ】

#しごつれ

こんな方におすすめ

  • 仕事の生産性を高めたい方
  • 生産性の高いチーム・組織を作りたい管理職・マネージャー・経営者の方

著者から一言

徒然草は今を生きる私たちの最高のバイブル

「徒然なるままに、日くらし……」

この本を手に取っているあなたもおそらくそらで言える,おなじみのフレーズではないでしょうか。私(沢渡)もまた,中学校の国語の授業で「なんでこんなものを覚えなければいけないのだ?」「これ,社会に出て一体なんの役に立つの?」と生意気にも疑問に思いつつ,一生懸命暗記したのを覚えています。

いわば「やらされ感」「受験対策」でのファーストコンタクトだった徒然草。その第一印象はお世辞にもいいとはいえないものの,そっと私の頭の片隅に居座り,気になる存在になっていたようです。やがて「全文を読んでみたい」と思い,社会人になってからもたびたびページをめくるようになりました。

兼好さんが鎌倉時代にしたためた,全二百四十三段の随筆作品。いずれも含蓄に富んでおり,読み手が年を重ねれば重ねるほど味わいを増します。自身が置かれた環境,仕事やプライベートの悩みごと,その時の心持ちなどに応じて,兼好さんのメッセージの意味合いや「刺さり方」が変わるのですね。時に優しく,時にシュールに,ズバっと読み手のココロに寄り添ってくれる。それが心地よくて,私も人生の節目節目で,何度も読み返しています。

そして,私はある時,はたと気づいたのです。

「徒然草……これって,最高のビジネス書だよね!?」

「ビジネスは歴史書に学べ」とよく言われますが,徒然草も同様に,私たちが日々の仕事をうまく進めるためのヒントを与えてくれています。国語の教科書の一部分にすぎなかった徒然草。いまを生きる私たちの,仕事の教科書の意味合いをそこに見出すことができます。

たとえば,第52段「仁和寺(にんなじ)にある法師」。徒然草の中でも有名,かつ人気のこの段は,素人が専門家を頼らずにものごとを進めてしまうことがいかにリスクであるかを教えてくれています。

「プレゼンテーションは,聴衆のうちだれか一人に的を絞り,その人に語りかけるようにするとうまくいく」

そんなプレゼン本で述べられている技術が,第56段で解説されています。ほかにも,仕事術の本や経営の専門書でいわれているマネジメントのフレームワーク(枠組み)やヒントが,徒然草には散りばめられています。

「仕事の書として,徒然草をもっと多くの人に味わってもらいたい!」

いつしか,私はそんな思いをつのらせるようになりました。手元のノートは,徒然草の各段から私が読みとった仕事術やビジネスハックのポイントのメモでいっぱいに。

そんなある日,吉田裕子先生と出会います。「Developers Summit 2018」(翔泳社さん主催の,ソフトウェア開発者,システム開発者,ネットワーク管理者,運用者向けのITイベント)の登壇者控え室でたまたま席が隣になり,お喋りしたのがきっかけでした。国語の専門家として活躍される彼女は,大手受験塾やカルチャースクールで教壇に立ちつつ,テレビやラジオ出演もこなす,ハイパフォーマー。すでに多くの書籍も出版され,古典のエッセンスをとてもわかりやすく解説されています。

「吉田先生となら,徒然草のエッセンスを,楽しくわかりやすく伝えることができるに違いない!」

そう確信した私は,吉田先生にラブコールを送りました。

本書は,徒然草の中でも,現代の私たちが仕事をするうえで役立つメッセージが豊富な段を,私と吉田先生とで厳選しました。各段のエッセンスを吉田先生の超訳で紹介した後,私が徒然草原文を現代職場のあるあるシーンに置き換えた「当世とほほ徒然話」により,みなさんにリアルに感じてもらえるようにしています。それぞれの締めくくりには,吉田先生による原文の「読みどころ」と,古典や歴史の観点からの「解説」が入り,リベラルアーツの観点からも学びのある本になるよう工夫しました。まるでタイムマシンに乗るかのごとく,私たちの生きる現代社会と,兼好さんが生きた鎌倉時代とを行き来しながら,楽しく学んでいただけたら幸いです。

中学生の時に暗唱させられた徒然草は,ある意味,私たちの原体験。過去の「やらされ感」だけで終えてしまっては,あまりにももったいない! 兼好さんがおよそ700年の時を超え空間を超え,いまを生きる私たちに授けてくれたメッセージ,徒然なるままに味わってみませんか?

さあ,ココロとお茶の準備はいいでしょうか。タイムマシンに乗って,時空を超えた仕事の本質を見つける旅に,ゆるりと出発!

目次

  • はじめに 徒然草は今を生きる私たちの最高のバイブル

第一章 コミュニケーション・モチベーション

  • ユルく情報発信しよう
    ~序段 徒然なるままに
  • 「とりあえず飲みニケーション」で信頼関係は築けない ~第十二段 おなじ心ならん人としめやかに物語して
  • 雑談をする余裕も大事 ~第三十一段 雪のおもしろう降りたりし朝
  • 衝突や対立は,オトナの対応力で ~第三十六段 久しくおとづれぬ比
  • さりげない気配りのコツ ~第一〇一段 或人,任大臣の節会の内弁を勤められけるに
  • カッとなったら,ひと呼吸置いて ~第一〇六段 高野証空上人,京へのぼりけるに
  • 曖昧が無駄な忖度を生む ~第二三四段 人のものを問ひたるに
  • 美化しすぎるのも考えもの ~第二三六段 丹波に出雲といふ所あり

第二章 環境・組織風土

  • 性悪説は信頼を遠ざける ~第十一段 神無月のころ
  • 外の世界を見てこそ発見がある ~第十五段 いづくにもあれ
  • 根性に頼らず,環境にお金をかけよう ~五十八段 道心あらば,住む所にしもよらじ
  • 豆知識を教える雰囲気ありますか? ~第九十六段 めなもみといふ草あり
  • 好かれる上司とは ~第一一七段 友とするにわろき者
  • 形から入るのも大事 ~第一五七段 筆を取れば物書かれ
  • 相手依存は組織も個人も脆くする ~第二一一段 よろずの事は頼むべからず

第三章 生産性

  • 専門家を頼ってラクしよう ~第五十一段 亀山殿の御池に
  • 素人の聞きかじりや思い込みは怪我のもと ~第五十二段 仁和寺にある法師
  • 地道な取り組みが身を助ける ~第六十八段 筑紫になにがしの押領使
  • 無理に新しいことをやるのは「改革ごっこ」「改善ごっこ」にすぎない ~第一二七段 あらためて益なきこと
  • 「顔を合わせて話す」のがいいわけじゃない ~第一六四段 世の人あひ逢ふ時,暫くも黙止する事なし
  • 「とりあえず会う」で“仕事した感”に浸って満足してない? ~第一七〇段 さしたる事なくて人のがり行くは
  • 夢は大きく,でも足元こそ大切に ~第一七一段 貝をおほふ人の,我がまへなるをばおきて
  • めんどうなだけの「謎作法」を疑おう ~第二〇八段 経文などの紐を結ふに
  • 過剰に見栄えにこだわって,いったい「だれトク」ですか? ~第二二一段 建治・弘安の比は,祭の日の放免の付物に

第四章 プロセスマネジメント

  • バックアップに甘えるべからず ~第九十二段 或人,弓射る事を習ふに
  • だれだってミスはするさ,人間だもの ~第一〇九段 高名の木登りといひしをのこ
  • 「チームで仕事ができる」ことがプロたるゆえん ~第一八七段 よろずの道の人
  • 計画は生き物,不確実性と向き合おう ~第一八九段 今日は,その事をなさんと思へど
  • 目先のことに追われていては大事なことが成し遂げられない ~第二四一段 望月のまどかなる事は

第五章 意思決定

  • とっとと決めよう ~第五十九段 大事を思ひたたん人は
  • 噂を信じちゃいけないよ ~第七十三段 世に伝ふる事,まことはあいなきにや
  • 完璧主義も良し悪し ~第八十二段 うすものの表紙は
  • やらないほうがいいと思うことは,たいてい失敗する ~第九十八段 尊きひじりの言ひ置きける事を書き付けて
  • わからないものを感情的に否定するだけでは先に進めない ~第二〇六段 徳大寺故大臣殿,検非違使の別当の時

第六章 スキル・キャリア

  • 下手でもチャレンジする人が美しい ~第三十五段 手のわろき人の
  • 私利私欲に走る姿は美しくない ~第三十八段 名利に使はれて
  • これぞプレゼンの極意! ~第五十六段 久しく隔りて逢ひたる人の
  • 「残念な」コミュニティの特徴 ~第七十八段 今様の事どもの珍しきを
  • 肩書き依存のリスク ~第八十六段 惟継中納言は
  • 残念な年長者になる前に引き際を見極めよう ~第一三四段 高倉院の法華堂の三昧僧
  • 下手なのはわかるけど「で,いつやるの?」 ~第一五〇段 能をつかんとする人

第七章 ブランドマネジメント

  • 勝とうとするな,負けないようにしろ ~第一一〇段 双六の上手といひし人に
  • リア充自慢もほどほどに ~第一一三段 四十にもあまりぬる人の,色めきたる方
  • 「キラキラネーム,あれって正直どうかと思うよ」 ~第一一六段 寺院の号,さらぬ万の物にも
  • 価値は相手が決めるもの ~第一六七段 一道に携る人
  • おわりに 令和の時代も,兼好の学びの姿勢を大切に

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