仕事は「徒然草」でうまくいく
~【超訳】時を超える兼好さんの教え
~
2019年9月9日紙版発売
2019年9月4日電子版発売
沢渡あまね,吉田裕子 著
四六判/304ページ
定価1,738円(本体1,580円+税10%)
ISBN 978-4-297-10779-6
書籍の概要
この本の概要
元祖ツイッター? 700年の時を超える成功法則をベストセラー著者2人が令和仕様にアップデート!
「リア充自慢もほどほどに」
「素人の聞きかじりや思い込みは怪我のもと」
「残念な年長者になる前に引き際を見極めよう」
だれもが知る古典は,じつはライフハック,マネジメント,生き方まであらゆる成功法則が詰まった“最強のビジネス書”だった!?
23万部突破「問題地図」シリーズの生みの親・沢渡あまねと,ベストセラー多数の人気国語講師・吉田裕子が,不朽の名著を令和仕様にアップデート!
【公式ハッシュタグ】
#しごつれ
こんな方におすすめ
- 仕事の生産性を高めたい方
- 生産性の高いチーム・組織を作りたい管理職・マネージャー・経営者の方
著者の一言
徒然草は今を生きる私たちの最高のバイブル
「徒然なるままに、日くらし……」
この本を手に取っているあなたもおそらくそらで言える,おなじみのフレーズではないでしょうか。私(沢渡)もまた,中学校の国語の授業で「なんでこんなものを覚えなければいけないのだ?」「これ,社会に出て一体なんの役に立つの?」と生意気にも疑問に思いつつ,一生懸命暗記したのを覚えています。
いわば「やらされ感」「受験対策」でのファーストコンタクトだった徒然草。その第一印象はお世辞にもいいとはいえないものの,そっと私の頭の片隅に居座り,気になる存在になっていたようです。やがて「全文を読んでみたい」と思い,社会人になってからもたびたびページをめくるようになりました。
兼好さんが鎌倉時代にしたためた,全二百四十三段の随筆作品。いずれも含蓄に富んでおり,読み手が年を重ねれば重ねるほど味わいを増します。自身が置かれた環境,仕事やプライベートの悩みごと,その時の心持ちなどに応じて,兼好さんのメッセージの意味合いや「刺さり方」が変わるのですね。時に優しく,時にシュールに,ズバっと読み手のココロに寄り添ってくれる。それが心地よくて,私も人生の節目節目で,何度も読み返しています。
そして,私はある時,はたと気づいたのです。
「徒然草……これって,最高のビジネス書だよね!?」
「ビジネスは歴史書に学べ」とよく言われますが,徒然草も同様に,私たちが日々の仕事をうまく進めるためのヒントを与えてくれています。国語の教科書の一部分にすぎなかった徒然草。いまを生きる私たちの,仕事の教科書の意味合いをそこに見出すことができます。
たとえば,第52段「仁和寺(にんなじ)にある法師」。徒然草の中でも有名,かつ人気のこの段は,素人が専門家を頼らずにものごとを進めてしまうことがいかにリスクであるかを教えてくれています。
「プレゼンテーションは,聴衆のうちだれか一人に的を絞り,その人に語りかけるようにするとうまくいく」
そんなプレゼン本で述べられている技術が,第56段で解説されています。ほかにも,仕事術の本や経営の専門書でいわれているマネジメントのフレームワーク(枠組み)やヒントが,徒然草には散りばめられています。
「仕事の書として,徒然草をもっと多くの人に味わってもらいたい!」
いつしか,私はそんな思いをつのらせるようになりました。手元のノートは,徒然草の各段から私が読みとった仕事術やビジネスハックのポイントのメモでいっぱいに。
そんなある日,吉田裕子先生と出会います。「Developers Summit 2018」(翔泳社さん主催の,ソフトウェア開発者,システム開発者,ネットワーク管理者,運用者向けのITイベント)の登壇者控え室でたまたま席が隣になり,お喋りしたのがきっかけでした。国語の専門家として活躍される彼女は,大手受験塾やカルチャースクールで教壇に立ちつつ,テレビやラジオ出演もこなす,ハイパフォーマー。すでに多くの書籍も出版され,古典のエッセンスをとてもわかりやすく解説されています。
「吉田先生となら,徒然草のエッセンスを,楽しくわかりやすく伝えることができるに違いない!」
そう確信した私は,吉田先生にラブコールを送りました。
本書は,徒然草の中でも,現代の私たちが仕事をするうえで役立つメッセージが豊富な段を,私と吉田先生とで厳選しました。各段のエッセンスを吉田先生の超訳で紹介した後,私が徒然草原文を現代職場のあるあるシーンに置き換えた「当世とほほ徒然話」により,みなさんにリアルに感じてもらえるようにしています。それぞれの締めくくりには,吉田先生による原文の「読みどころ」と,古典や歴史の観点からの「解説」が入り,リベラルアーツの観点からも学びのある本になるよう工夫しました。まるでタイムマシンに乗るかのごとく,私たちの生きる現代社会と,兼好さんが生きた鎌倉時代とを行き来しながら,楽しく学んでいただけたら幸いです。
中学生の時に暗唱させられた徒然草は,ある意味,私たちの原体験。過去の「やらされ感」だけで終えてしまっては,あまりにももったいない! 兼好さんがおよそ700年の時を超え空間を超え,いまを生きる私たちに授けてくれたメッセージ,徒然なるままに味わってみませんか?
さあ,ココロとお茶の準備はいいでしょうか。タイムマシンに乗って,時空を超えた仕事の本質を見つける旅に,ゆるりと出発!
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