概要
Google Cloudは,すぐにクラウドでアプリを開発できるので,ビジネスをすばやくIT化できます。フルマネージド(サーバー管理が要らない!)なので,Googleの技術基盤にフルに任せながら,安心してソフトウェア開発に注力できます。しかもGoogle App Engineを使うならば,必要なプログラミング言語はPythonだけです。しかもWebブラウザだけで開発できます。本書はGoogle Cloudの優れた機能を紹介しながら,Python+Flaskフレームワークを使いWebアプリ方を紹介します。この開発工程をともに学ぶことでクラウド上でのソフトウェア開発の要諦を学ぶことができるでしょう。Google Cloudのパワーとテクノロジーを習得しましょう!
こんな方におすすめ
- Google Cloudを使ってみたい,試してみたいエンジニアに!
- ブラウザさえあればGoogle App Engineですぐにクラウドソフトウェア開発できます
著者から一言
本書はGAEアプリケーションを正しく開発したい人のための入門書です。
Google App Engine(GAE)はGoogle Cloud Platform(GCP)のWebアプリケーション開発のためのサービスです。GAEはGCPの中でも最も古いサービスでGCPの代表的なサービスの1つです。手軽にWebアプリケーションを構築できるところが大変好評を得ています。何かしらのWebアプリケーションを開発したことがある人なら,GAEでアプリケーション(以降,アプリ)を開発し,すぐに公開できます。しかし,誰でもGAEアプリケーション開発を正しく実行できるというわけではありません。GCPとGAEを正しく使うことは別問題です。GCPは数あるクラウドサービスの中でも,Googleが開発した先端技術を取り入れている数多くのサービスを利用できます。優れたGAEアプリケーションを作るためには,関連するGCPのサービスを理解し最大限に活用することが重要です。
本書ではただ単にアプリケーションを作るのではなく,アプリケーションを正しく開発するということにフォーカスを当てています。GAEだけでなく開発に必要なGCPサービスについても詳しく説明しました。「GAEとは何か」,「GCPとは何か」,「Googleが目指すクラウドサービスは何か」ということを知ることが大切です。
筆者はGAEが登場した頃から使っており,現在も使い続けています。その間,GAEがどのように進化してきたのかを見てきました。GAEから始まり,GCPのサービスの1つとなり,GAE Flexが登場し,GAE 2ndに進化しました。現在,GAEはWebアプリケーション開発の最高のソリューションになったと思っています。
GAEにかかわって10年以上の経験から得たノウハウをわかりやすく伝えたい,より多くの人にGAEの素晴らしさを感じていただきたいと思い,本書を執筆しました。みなさんが本書を手にとり,GAEアプリケーションを正しく開発できる,その手助けになれば幸いです。 本書の執筆にあたり,たくさんの方々の協力を得て,原稿を書き上げることができました。多忙の中,監修を引き受けていただいた中井悦司さん,執筆初期の頃からレビュー,アプリケーションのデバッグに多大な協力していただいいた白川舞さん,クライアント画面の作成を全面的に手伝っていただいた石川孝之さん,アプリケーション開発の的確なアドバイスと画像提供をしてくれた宮山龍太郎さん,五十嵐毅さん,本当にありがとうございました。執筆に至らないところだらけの筆者を,優しく,厳しく支えてくれ技術評論社の編集部の方々にお礼を申し上げます。
最後に執筆に専念している中,いつも暖かく応援をしてくれた妻に感謝しています。
補足
本書で解説している「Exampleアプリーション」と「GuestBookアプリケーション」の完成版をGitHubで公開しています。下記のURLを参照し,当該ファイルを適宜ダウンロードください。