概要
本書では思考力を鍛えるために「場合の数・確率」を取り上げます。場合の数は,もれなく重複「なく」数え上げることが基本で,思考力を身に付けるには最適の題材です。高校数学で重視される単元ではありませんが,前提とする知識が少ないため,高校数学をやってこなかった人でも実は取り組みやすい単元なのです。本書は「場合の数」の発展でもある「確率」も取り上げます。問題の真意をつかみ「分解」し「統合」するというアプローチを徹底的に行うことによって思考力と直観力を磨くことができ,それが論理的に考える力にもつながっていきます。
こんな方におすすめ
- 思考力を鍛えたいと思っている一般の人,数学が好きな人
目次
第1章 思考を思考する
- 1-1 思考力の定義
- 1-2 思考力の汎用性
- 1-3 高校数学で思考力を鍛える
- 1-4 知識と思考
- 1-5 本書の構成
第2章 場合の数の基礎・基本
- 2-1 場合の数とその基礎
- 2-2 集合
- 2-3 集合の要素の個数
- 2-4 順列
- 2-5 円順列
- 2-6 重複順列
- 2-7 組合せ
- 2-8 組分け
- 2-9 同じものを含む順列
- 2-10 重複組合せ
- 2-11 第2章の振り返り
第3章 確率の基礎・基本
- 3-1 確率とその基本
- 3-2 和事象と余事象の確率
- 3-3 独立な試行の確率
- 3-4 反復試行の確率
- 3-5 確率の乗法定理と条件付き確率
- 3-6 期待値
- 3-7 第3章の振り返り
第4章 知識を体系化する問題
- 問題一覧
- 解説 問題1 Cを含む公式の証明1
- 解説 問題2 Cを含む公式の証明2
- 解説 問題3 3つの集合の和集合の要素の個数
- 解説 問題4 順列の総合問題1
- 解説 問題5 三角形の個数と対角線の本数
- 解説 問題6 対角線の本数の2つの求め方
- 解説 問題7 ネックレスの作り方
- 解説 問題8 組分けの総合問題
- 解説 問題9 順列の総合問題2
- 解説 問題10 最短経路数
- 解説 問題11 5回振るサイコロの目
- 解説 問題12 3人に2本の当たりくじ
- 解説 問題13 変えるべきか,変えないべきか,それが問題
- 解説 問題14 4回試投げるフリースロー
- 解説 問題15 AIと医療現場
- 第4章の振り返り
第5章 思考力を鍛える問題
- 問題一覧
- 解説 問題1 2007 京都大学理系前期
- 解説 問題2 1957 東京大学2次
- 解説 問題3 1981 東京大学文科後期
- 解説 問題4 1987 京都大学文系
- 解説 問題5 1990 京都大学文系後期
- 解説 問題6 1993 京都大学理系後期
- 解説 問題7 1994 京都大学文理共通後期
- 解説 問題8 1996 東京大学理科後期
- 解説 問題9 2003 京都大学理系後期
- 解説 問題10 2005 京都大学文系後期
- 解説 問題11 2006 京都大学理系後期
- 解説 問題12 2008 京都大学理系前期
- 解説 問題13 2017 東京大学理科前期
- 解説 問題14 1999 東京大学理科前期
- 本書の振り返りとまとめ
- あとがき
- 参考文献
- 著者略歴
サポート
正誤表
本書の以下の部分に誤りがありました。ここに訂正するとともに,ご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。
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