概要
債券という言葉を聞いたことがあっても,あなたはちゃんと説明できますか? この本では債券とは何かからはじめて,種類,市場,参加者,売買のしくみ,得失とリスクをやさしく基礎から説明します。発行から売買・償還までの流れ,証券会社の役割,誰が買っているのか,価格はどう決まるのか,デフォルトしたらどうなるのかなど,しくみ全体が理解できます。個人で買える債券もあり,金利・景気・物価・株価と債券価格の関係を知っておけば資産運用にも役立ちます。
こんな方におすすめ
- 債券についての基本的な知識を整理してしっかり理解したい人
- 学生,新社会人,個人投資家など,債券のことを勉強したい初心者
著者から一言
株式と違って債券は一般の投資家には馴染みが薄く,個人投資家の皆さんの投資対象として考えにくい部分があります。また,債券は難しいというイメージもあるのではないでしょうか。実際に書店で債券関係の本を手に取ってみると,最初の数ページから目が眩むような数式がずらりと並んでいて,とてもじゃないが手に負えないという感じがします。確かに債券という商品をプロ並みに理解しようとすれば非常に高度な数学や金融工学の知識が必要となりますが,一般投資家の方が実際に普通社債や国債に投資をするうえで理解しておかなければならない領域はかなり限られています。
さらに債券は株式やFXに比べて,「どこでどうやって投資したり売買したりするのか」という具体的な取引方法についても情報が限られており,いわゆる教科書の類もほとんどありません。
そんななか,そういった問題を解決すべく書かれたのが本書です。本来複雑である債券という商品を難解な数式を避けつつ,わかりやすく一般投資家の目線から書かれています。ただ,わかりやすさを優先させたゆえに細かい点や専門的な内容については省いた部分もあります。本書で基本を学んだあとは次のステップとして是非もう一段上のテキストに挑戦してみてください。
本書の監修を通して,読者の皆さんが金利や債券の基礎を学び,実際の投資判断に役立てていただくことができれば,それに勝る喜びはありません。
(「はじめに」より)