書籍概要

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良いFAQの書き方
──ユーザーの「わからない」を解決するための文章術

著者
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更新日

概要

良いFAQは,ユーザーに見つけやすく,そしてわからないことを的確に解決し,満足度を向上させます。また,それはコールセンターにおけるコストの削減につながります。コールセンター内でも,良いFAQを活用すれば短時間でユーザーの疑問を解決できるなど,ストレス軽減やコストダウンを助けます。本書はFAQの書き方を解説した書籍です。筆者の長年にわたるFAQ作成と運営の経験を活かし,「なぜそう表現すると見つけやすくユーザーの課題を解決しやすいのか」「なぜこれだとユーザーは離脱してしまうのか」などを理論的・具体的に解説しています。FAQの改善前・改善後の例を豊富に用意しているので,本書を読めば良いFAQの書き方が身に付くはずです。さらに,FAQシステムの有効活用についてや,ユーザーのアクセス履歴などを分析してFAQを改善する手法も解説します。

こんな方におすすめ

  • FAQ(外部公開用,内部ヘルプデスク用)の企画・構築・利用・運営およびライティングに携わっている,事務,営業,エンジニア,カスタマーサポートおよび各マネージャーの方々

サンプル

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目次

  • はじめに
  • 謝辞
  • 本書の読み方
  • 目次

第1章:FAQはなぜ重要なのか

1.1 FAQの存在意義

お客さま向けFAQサイトとして
  • カスタマーサポートにかかるコストの課題を解決する/顧客満足度と企業評価を上げる/オペレーターのストレスを緩和する/ユーザーの負担を減らす
内部用FAQサイトとして
  • 企業内での情報共有で生産性を上げる/社内業務での時間の使い方を改革する

1.2 現実のFAQは存在意義を出せているか

FAQサイトに関する残念な統計
FAQサイトの課題を解決する鍵

1.3 FAQの質を高める

質の高いFAQと,質の低いFAQ
FAQの質を高める要素
  • 文の書き方/検索されやすさ/カテゴリ/分析とメンテナンス/FAQシステムとの相互依存/FAQに携わる人たち

1.4 FAQサイトの改善に関わるコスト

コストの簡単な計算方法と代表的な計算式
FAQ改善にしっかり予算をとるべき理由

1.5 FAQの失敗例と成功例

失敗の実例
  • FAQが多すぎるサイト/わかりにくすぎるサイト/稚拙な日本語のサイト
成功の実例
  • FAQを見つけられる率が30%以上も向上した実例/チャットボットが活かされた実例/コールセンターのナレッジに活かされた実例

第2章:FAQを書くための基礎知識

2.1 質の高いFAQの条件

ユーザーが読んで理解できること
ユーザーに信頼されること
ユーザーが迷わず取捨選択できること

2.2 質の高いQ

質の高いQの具体的な目的
質の高いQの基本
  • 解決案を示すこと/「問題+解決案」の文体になっていること/必ずQの基本文体で書くこと
質の高いFAQ一覧
  • 視認性を意識すること/視認性の高いFAQ一覧にすること

2.3 質の高いA

質の高いAの具体的な目的
質の高いAの基本
  • ユーザーが最後まで読めること/ユーザーが理解できること/ユーザーの安心感を得ること

2.4 質の高いQとAに共通する文

一問一答にする
一意の文にする
6W1Hにする
文のかかり受けに気を遣う
用語,言葉遣いを統一する
略称を活用する
短文化する

2.5 FAQコンテンツの準備

対象となる原稿
  • すでにあるFAQを推敲する/分析レポートをもとにFAQを書く/コールセンターでの対応履歴からFAQを書く/マニュアルをもとにFAQを書く
公開するFAQの選抜
  • ユーザーターゲットによる選抜/利用者の問い合わせ数による選抜
  • [column]こんなFAQは掲載しなくてよい
  • パレートの法則による選抜

2.6 FAQを書く前の基本的な心構え

FAQを書く専任者と品質責任者を任命
FAQのレビュー
FAQの質を上げていく運営の継続
FAQは商品やサービスと同じだという意識
ユーザーへの思いやり
FAQを育てる意識
ガイドラインの制定
FAQ運営関係者全員の協調

2.7 FAQの存在意義を見える化しておく

見える化=数値化
KPIの種類
  • 回答到達率/問題解決率
KPIの数値目標
  • KPIの目標値とFAQ運営のサイクル
飽くなき高品質化の追及と継続

第3章:Qの書き方

3.1 Qで解決への道筋を作る

良くないFAQの例
このケースでの問題点
改善ポイント
Before,After
まとめ
改善してみる
  • 改善前/改善後

3.2 Qの書き方でAを端的にする

良くないFAQの例
このケースでの問題点
改善ポイント
  • ユーザーが知りたいことをQに盛り込む/6W1Hを意識する
Before,After
まとめ
改善してみる
  • 改善前1/改善後1/改善前2/改善後2

3.3 Qの文に誤解の余地を作らない

良くないFAQの例
このケースでの問題点
改善ポイント
Before,After
まとめ
改善してみる
  • 改善前1/改善後1/改善前2/改善後2

3.4 QをYes/Noクエスチョンにしない

良くないFAQの例
このケースでの問題点
改善ポイント
  • Qに解決案を明示する/ネガティブな回答の場合の記述方法
Before,After
まとめ
改善してみる
  • 改善前/改善後

3.5 Qを読む人の立場に配慮する

良くないFAQの例
このケースでの問題点
改善ポイント
Before,After
まとめ
改善してみる
  • 改善前/改善後

3.6 Qのリストで視認性を高める

良くないFAQの例
このケースでの問題点
改善ポイント
  • 言葉遣いに一貫性を持たせる/一貫性があるので目立たせることができる
視認性の要素
  • 言葉の統一/パターン化/インデックス化/異形化
Before,After
まとめ
改善してみる
  • 改善前/改善後

3.7 Qのリストで粒度をそろえる

良くないFAQの例
このケースでの問題点
改善ポイント
Before,After
まとめ
改善してみる
  • 改善前/改善後

3.8 Qの文のさまざまなアイデア

専門用語・技術用語を使う場合のアイデア
ユーザーからのお叱りなどを減らすアイデア
長くなったQの文をシェイプアップするアイデア
  • 単語と構文での短縮/記号・シンボルの活用による短縮/質を上げつつ短文にしていく

第4章:Aの書き方

4.1 Aの中で場合分け(条件分岐)をしない

良くないFAQの例
このケースでの問題点
改善ポイント
Before,After
まとめ
改善してみる
  • 改善前/改善後

4.2 Aに情報を盛り込みすぎない

良くないFAQの例
このケースでの問題点
改善ポイント
Before,After
まとめ
改善してみる
  • 改善前/改善後

4.3 AとQを一致させる

良くないFAQの例
このケースでの問題点
改善ポイント
Before,After
まとめ
改善してみる
  • 改善前/改善後

4.4 Aには結論をまず示す

良くないFAQの例
このケースでの問題点
改善ポイント
Before,After
まとめ
改善してみる
  • 改善前1/改善後1/改善前2/改善後2/改善前3/改善後3

4.5 Aで使うすべての言葉に配慮する

良くないFAQの例
このケースでの問題点
改善ポイント
6W1Hの文を作り上げる前後のシミュレーション
Before,After
まとめ
改善してみる
  • 改善前/改善後

4.6 Aは箇条書きにする

良くないFAQの例
このケースでの問題点
改善ポイント
Before,After
箇条書きにするテクニック
改善してみる
  • 改善前/改善後

4.7 Aでは装飾・記号は効果的に使う

良くないFAQの例
このケースでの問題点
改善ポイント
Before,After
まとめ
改善してみる
  • 改善前/改善後

4.8 Aではリンクを効果的に使う

良くないFAQの例
このケースでの問題点
改善ポイント
まとめ

4.9 Aでは目視でもユーザーの理解を助ける

良くないFAQの例
このケースでの問題点
改善ポイント
イラストを駆使するテクニック
まとめ

第5章:FAQのガイドラインの作り方

5.1 基本事項

目的と目標を示す
ユーザーターゲットや利用デバイスを定める
ルールにしたがっているかをチェックする
作文ルール
FAQサンプル

5.2 FAQ(QとA)作文ルール

最大文字数
  • Qの最大文字数/Aの最大文字数
漢字,ひらがな
カタカナ,アルファベット
全角,半角
略語,通称
  • 採用する略語を定める/新たに略語や通称を採用するときの採用基準を決める
文体・基本構文
  • Qの文体・基本構文のルール/Aの作文の基本的な作文ルールを決めておく
記号,特殊文字のルール
専門用語・技術用語・商品用語・サービス用語のルール

5.3 ガイドラインの管理

更新の見極めとタイミング
FAQ制作者と承認者

第6章:FAQのカテゴリの作り方

6.1 カテゴライズの重要なポイント

カテゴライズの検討
カテゴリタイトル
カテゴリの粒度

6.2 質の高いカテゴライズ

シンプルなカテゴライズを心がける
  • シンプルなカテゴリのアイデア/シンプルなカテゴライズの管理面でのメリット
質の高いFAQを書いておくとカテゴライズが容易
ユーザーが取捨選択しやすいカテゴリタイトルにする
  • ユーザー視点のカテゴリタイトルにする/カテゴリ配下のFAQの数/商品名やサービス名をカテゴリにするケース
取捨選択しやすいカテゴリの例

6.3 さまざまなカテゴリ構成

階層型カテゴリ構成
  • ユーザー目線の階層化/FAQにおけるユーザー目線/階層の深度は2階層まで
マルチカテゴリ構成
  • マルチカテゴリ構成とユーザー目線/階層型カテゴリ,マルチカテゴリ構成の組み合わせ
レコメンド型カテゴライズ
  • 恣意的なレコメンドによるカテゴライズ/FAQを関連付けるにはFAQ分析が役に立つ
ソート型カテゴリ
  • ソート型カテゴリはQの文の構成が鍵
特別なカテゴリ
  • 緊急カテゴリ/80%のユーザーが自己解決できるカテゴリ/カテゴリ不要なFAQ

第7章:FAQの分析とメンテナンス

7.1 分析とメンテナンスの基本

FAQを陳腐化させない
完璧なFAQを目指さない
FAQでユーザーの声を集める
質の高い分析の大前提は,質の高いFAQ
質が高いゆえに数が増えたFAQの課題
メンテナンスしやすさのためのスモールスタート
FAQのテーマをステップバイステップで増やす
分析とメンテナンスを継続する

7.2 分析値の種類と活用法

KPI
  • PV(FAQサイトの訪問者数)と直帰率/回答到達率と問題解決率/コールセンターでの分析値
ランキング
  • FAQのアクセスランキング/回答未解決ランキング/検索キーワードランキングとゼロ件ヒット/カテゴリランキング
  • [column]売り上げにつながりそうな問い合わせランキング

7.3 メンテナンスを継続しながらFAQを育てる

FAQを追加する
FAQを更新(推敲)する
  • 標準単語を整理する/新しい言葉を取り入れる/ユーザーのリテラシーを標準単語にするときの注意/同義語辞書のメンテナンスもまめにする
FAQを削除する
  • ユーザーの時間を節約できる/FAQ制作者の時間を節約できる/運営コストを落とし利益に貢献できる

7.4 質の高いFAQはメンテナンスもしやすい

定型文は書くのも推敲もしやすい
6W1Hの文は,書くのも推敲も楽になる
用語を統一するとメンテナンスが早い

7.5 メンテナンスの次のステップ

分析値を比較する方法
利益を比較する方法

7.6 分析とメンテナンスの効率化

分析はシステムにやらせる
判断は人が行う
メンテナンスはシステムに手伝わせて人が行う

第8章:FAQ制作者が知っておくべきFAQシステムのしくみ

8.1 FAQシステムの導入目的とメリット

ユーザー向けの基本機能
  • FAQの検索・絞り込み/FAQの閲覧/FAQの自動ランキング閲覧
FAQ制作者向けの基本機能
  • FAQの管理/FAQの分析/FAQサイトのUI設定/アカウント・操作管理機能
FAQシステムの基本機能以外の機能
  • Web検索からの導線とSEO対策機能/チャットボットなどのヒューマンライクなUI/CRMシステムとの連携

8.2 FAQシステムとFAQを活かす基礎知識

キーワード検索機能を活かす
  • テキストマイニングを利用する/キーワード検索の対象をQにする
複数単語でのキーワード検索機能を活かす
  • and検索/or検索
自然文検索と形態素解析について知っておく
  • 自然文検索機能とは/自然文検索のチャットボットでの応用
同義語検索を活かす
  • 同義語検索のしくみ/同義語検索の便利な使い方
複合的な検索を活かす
タグ付け機能を知っておく
  • タグ検索機能/SEOへの応用
カテゴライズ機能を知っておく
FAQ分析機能
  • さまざまな分析値の提示/分析機能のカスタマイズ/できる分析とできない分析

8.3 FAQシステムの採用

FAQシステム要件の整理
AI要件の検討のしかた
  • チャットボット/未来のチャットボットの要件
FAQシステム設置環境
  • おわりに
  • 索引
  • 著者プロフィール
  • 奥付

サポート

正誤表

本書の以下の部分に誤りがありました。ここに訂正するとともに,ご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。

(2023年3月17日最終更新)

第1刷をお持ちの方(第2刷で修正済み)

P.2 「カスタマーサポートにかかるコストの課題を解決する」の3段落2行目

人権費

P.20 「ユーザーが迷わず取捨選択できること」の3段落2行目

それば良いことです。
それ良いことです。

第1~2刷をお持ちの方

P.29 「略称を活用する」の2段落目

A: パソコンのメアドを教えて。
Q: パソコンのメアドを教えて。

P.110 上から10行目

Q4: (中略)法人光のお客さま
Q4: (中略)法人ケーブルのお客さま

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