概要
働く場所に縛られない,新時代の仕事の教科書
「自分は在宅勤務には向いてない」
「見られてないとサボってしまう」
「新人は対面じゃないと育たない」
「ウチの職場には馴染まない」
そう決めつける前に,正しい工夫と努力をしませんか?
10年以上,大企業でもフリーランスでもテレワークを実践してきた著者が,持てるノウハウを集大成。
オンラインでもオフラインでも生産性を上げるのに必須のスキルと身につけ方を教えます。
- ロジカルコミュニケーション
- セルフマネジメント
- ヘルプシーキング
- クリティカルシンキング
- チームビルディング
- プロジェクトマネジメント
- ファシリテーション
- ITスキル/リテラシー
こんな方におすすめ
- テレワーク・リモートワークでうまく仕事ができるようになりたい方
- 出社しても結局仕事が効率的でないと感じている方
著者から一言
非対面でのコミュニケーション力とセルフマネジメントが求められる時代に
労働人口の減少,デジタル社会への転換,AIの進化――ここ数年で,ビジネスパーソンを取り巻く環境は大きく変化しています。終身雇用型,年金依存型の社会制度や雇用モデルは限界を迎え,足元では急速なDX(デジタルトランスフォーメーション)化が進み,私たちの「働く意識」の変更をも伴うような変革が起きています。私は「ワークスタイル&組織開発専門家」として,これまで350を超える企業・自治体・官公庁の働き方改革,コミュニケーション活性,組織活性の支援をしてきました。さまざまな職場のリアルに向き合う中で,コミュニケーションのあり方,マネジメントの仕方の急激な変化を日々肌身で感じています。
そんな中,全世界が「新型コロナウイルス」による災禍に襲われました。今までに経験したことがないようなパンデミック下において,だれもが否応なく,新しいワークスタイルへの対応を迫られています。
この災禍も相まって,社会構造の変化,働く環境の変化は加速度的に進行すると見られます。変化に適応しながら価値を創出し続けるスキルとマインドを身につけなければ,旧来型の産業構造や古い価値観がもたらす「停滞」からの「衰退」の沼に引きずりこまれて溺れてしまう……そんな時代がすぐそこまで来ているのです。
できることなら「衰退」の沼で溺れるのではなく,「進化の波」を乗りこなしていきたいものです。そのためには,テレワークのような新しい働き方に対応するスキルやリテラシーが必要不可欠。コロナ禍でテレワークの機会が急速に増えた人も多いことでしょう。テレワークとオフィスワークなどを組み合わせた,ハイブリッドな仕事のやり方で高い成果を出すことができる――それは,私たちがこれからの時代を強く生き抜くための「1丁目1番地」といえます。
一方で,「テレワークになかなか馴染めない」「思うような成果を出せない」という声も耳にします。ビジネスパーソンを対象におこなわれたテレワークに関する調査結果によると,次の要素が「テレワーク利用を阻害する要素」として明らかになりました(日経BP総合研究所イノベーションICTラボ編『テレワーク大全』より)。
- 1位「同僚(上司や部下を含む)とのコミュニケーションに支障がある」
- 2位「書類・伝票類(紙)を取り扱う業務(捺印,決裁,発送,受領等)をテレワークの対象とできずに不便」
- 3位「出社しないことで,心身を仕事モードに切り替えることが難しい」
- 4位「自宅での業務用スペース(書斎,作業用机等)の確保が難しい」
- 5位「自己管理や時間管理がルーズになりがち」
- 6位「取引先や顧客とのコミュニケーションに支障がある」
上位6つのうち,1位と6位はコミュニケーションの課題,3~5位はおもにセルフマネジメントの課題です。2位の紙伝票や捺印の問題は,現在政府主導でペーパーレス化が進められており,企業のIT投資も拡大傾向にあります。遅かれ早かれ,紙主体,捺印ありきの事務処理は解消に向かうでしょう。
つまり,ビジネスパーソン個人が注力すべき課題は,コミュニケーションとセルフマネジメント。この2つの能力向上を図ることで,テレワークもオフィスワークもよりスムーズになり,仕事のやり方の「勝ちパターン」を実現することができると考えます。
本書は,テレワークで高い成果をあげるためのコミュニケーションとセルフマネジメントの2つにとことんフォーカスし,働く個人の視点に立った対応方法や,技術を高めるポイントをまとめました。
テレワークを経験された方ならおわかりでしょう。今まであたりまえのようにおこなっていた従来型の働き方には,無駄が多い。テレワークのメリットは,働く場所を選ばず,移動時間や手間もかからず,効率的に業務が進められる点。業務効率が上がれば,新しい仕事にチャレンジしたり,新たな分野の学習をするなど,自身の経験値を増やすこともできます。本書を参考に自らのアップデートと,働き方ひいては生き方の「勝ちパターン」を実現してほしいと願っています。