概要
虚数単位i(i^2=-1)はなんとなく聞いたことがあるでしょうか。理系の方はご存知かもしれません。中学校では実数の範囲でしか2次方程式の解を認めないため,解を持たない2次方程式が存在しますが,高校数学ではこの虚数単位iを導入しているおかげで,実数係数の2次方程式は実数解を持つ場合か虚数解を持つ(実数解を持たない)場合のいずれかになります。しかしながら,虚数単位iの効力はこれではないのです。複素数平面では回転もできます。本書では,虚数単位を扱った複素関数を学びます。実数だけで考えていた窮屈さが,複素関数を学ぶことで自由に開放されたように広がり,自在に数や関数が操れるようになるのです。
複素関数の単位をとりたい方だけではなく,複素数の世界を味わいたい方々にお勧めの1冊です。
別冊の演習問題は,繰り返し解けるように独習用として解答を除いた問題のみのPDFをWebにて配布,また本文解説内でさらに詳細を知りたい方のために「Web補足」としてWebに補足説明を掲載しています。ぜひお役立てください。
こんな方におすすめ
- 理工系の大学初学年
- 複素関数の授業を履修している学生
- 物理系で複素関数を学ぶ必要がある方々など
著者から一言
自分で複素関数の世界を構築するような気持ちでページを読み進めていただければ幸いです。
Web補足について
注:以下のファイルをWeb補足としてご用意しています。必要に応じてご活用ください。
- Web補足① アポロニウスの円
- Web補足② 初等幾何による(ⅰ),(ⅲ)の説明
- Web補足③ マクローリン展開
- Web補足④ 複素数の三角関数と実関数の三角関数が異なる点
- Web補足⑤ f(z)=zn の正則性
- Web補足⑥ べき級数の各項微分
- Web補足⑦ ガウス積分
- Web補足⑧ 偶関数の広義積分
- Web補足⑨ xa*有理関数(a は整数ではない)の定積分