1冊でマスター 大学の複素関数
- 石井俊全 著
- 定価
- 2,750円(本体2,500円+税10%)
- 発売日
- 2022.7.9 2022.7.6
- 判型
- A5
- 頁数
- 288ページ
- ISBN
- 978-4-297-12878-4 978-4-297-12879-1
概要
虚数単位i(i^2=-1)はなんとなく聞いたことがあるでしょうか。理系の方はご存知かもしれません。中学校では実数の範囲でしか2次方程式の解を認めないため、解を持たない2次方程式が存在しますが、高校数学ではこの虚数単位iを導入しているおかげで、実数係数の2次方程式は実数解を持つ場合か虚数解を持つ(実数解を持たない)場合のいずれかになります。しかしながら、虚数単位iの効力はこれではないのです。複素数平面では回転もできます。本書では、虚数単位を扱った複素関数を学びます。実数だけで考えていた窮屈さが、複素関数を学ぶことで自由に開放されたように広がり、自在に数や関数が操れるようになるのです。
複素関数の単位をとりたい方だけではなく、複素数の世界を味わいたい方々にお勧めの1冊です。
別冊の演習問題は、繰り返し解けるように独習用として解答を除いた問題のみのPDFをWebにて配布、また本文解説内でさらに詳細を知りたい方のために「Web補足」としてWebに補足説明を掲載しています。ぜひお役立てください。
Web補足について
注:以下のファイルをWeb補足としてご用意しています。必要に応じてご活用ください。
- Web補足① アポロニウスの円
- Web補足② 初等幾何による(ⅰ)、(ⅲ)の説明
- Web補足③ マクローリン展開
- Web補足④ 複素数の三角関数と実関数の三角関数が異なる点
- Web補足⑤ f(z)=zn の正則性
- Web補足⑥ べき級数の各項微分
- Web補足⑦ ガウス積分
- Web補足⑧ 偶関数の広義積分
- Web補足⑨ xa*有理関数(a は整数ではない)の定積分
こんな方にオススメ
- 理工系の大学初学年
- 複素関数の授業を履修している学生
- 物理系で複素関数を学ぶ必要がある方々など
目次
- はじめに
- 本書の勉強法
- 本書のあらすじ
第1章 複素数平面と複素関数
- 1 複素数の計算
- 2 複素数平面
- 3 複素数の関数
第2章 指数関数・三角関数・対数関数
- 1 べき級数
- 2 指数関数・三角関数
- 3 対数関数
第3章 複素関数の微分
- 1 微分の定義
- 2 正則関数
第4章 複素関数の積分
- 1 複素関数の線積分
- 2 線積分の具体的な計算
- 3 コーシーの積分定理
- コラム コーシーの積分定理の証明
- 4 コーシーの積分公式
- 5 複素関数の解析関数
- 6 リーマン面
- コラム 最大値の原理
第5章 ローラン展開と留数定理
- 1 ローラン展開
- 2 留数定理
- 3 留数定理の実関数の定積分への応用
- コラム 代数学の基本定理
- 索引
- あとがき
プロフィール
石井俊全
1965年東京生まれ。東京大学建築学科卒、 東京工業大学数学科 修士課程卒。
「大人のための数学教室 和」講師。
主な著書
「まずはこの一冊から 意味がわかる」シリーズ
- 『線形代数』『統計学』『多変量解析』
- 『ガロア理論の頂を踏む』
- 『一般相対性理論を一歩一歩数式で理解する』
- (いずれも、ベレ出版)
- 『1冊でマスター 大学の微分積分』
- 『1冊でマスター 大学の線形代数』
- 『1冊でマスター 大学の統計学』
- (いずれも、技術評論社)