概要
本書は,以下の3つの主要なテーマを深く掘り下げています。
1
力学の基礎と設計の基本: 機械設計の前提となる力学の基礎,材料の特性,安全設計の考え方,寸法公差や幾何公差といった製図に必要な知識を第1章で網羅的に解説。読者が設計の土台を固められるよう配慮しています。
2
主要な機械要素の設計: ねじ,軸,歯車,軸受,ばねなど,機械を構成する主要な部品(機械要素)に焦点を当て,それぞれの種類,機能,そして強度計算や設計方法を詳細に説明しています。各章の終わりには演習問題を設け,実践的な理解を促します。
3
総合的な設計演習: 最終章では,これまで学んだ知識を応用して,歯車減速機を実際に設計するプロセスを丁寧に追っていきます。部品ごとの設計から組み立て,そして全体のまとめまで,設計の実践的な流れを体験することで,読者が総合的な設計力を身につけられる構成になっています。
これらの内容を通じて,読者は単なる知識の羅列ではなく,「なぜそのように設計するのか」という設計の意図や思考プロセスを学ぶことができます。理論と実践をバランス良く学ぶことで,機械設計の基礎を確実に身につけられるでしょう。
また初版が発行されて15年が経ち,この間に設計プロセスにおいて3D-CADの利用・AI化が進んできました。また,JISは日本工業規格から日本産業規格へと名称が変わり,内容も変わってきました。そのような背景も踏まえ,以下の3点を改訂しました。
(1) グローバルな設計環境で求められる幾何公差の項目を1章に追加しました。
(2) JIS規格の引用箇所を見直し,最新の規格に変更しました。
(3) 分かりやすい表現,統一的な表記になるように加筆・修正しました。
こんな方におすすめ
- はじめて機械設計を学ぶ学生
- ものづくりのための設計を基礎から学びたい人