図解もの創りのための
改訂新版 図解もの創りのための
やさしい機械設計
- 有光隆,八木秀次 著
- 定価
- 2,860円(本体2,600円+税10%)
- 発売日
- 2025.11.13
- 判型
- A5
- 頁数
- 320ページ
- ISBN
- 978-4-297-15224-6 978-4-297-15225-3
サポート情報
概要
本書は、以下の3つの主要なテーマを深く掘り下げています。
1
力学の基礎と設計の基本: 機械設計の前提となる力学の基礎、材料の特性、安全設計の考え方、寸法公差や幾何公差といった製図に必要な知識を第1章で網羅的に解説。読者が設計の土台を固められるよう配慮しています。
2
主要な機械要素の設計: ねじ、軸、歯車、軸受、ばねなど、機械を構成する主要な部品(機械要素)に焦点を当て、それぞれの種類、機能、そして強度計算や設計方法を詳細に説明しています。各章の終わりには演習問題を設け、実践的な理解を促します。
3
総合的な設計演習: 最終章では、これまで学んだ知識を応用して、歯車減速機を実際に設計するプロセスを丁寧に追っていきます。部品ごとの設計から組み立て、そして全体のまとめまで、設計の実践的な流れを体験することで、読者が総合的な設計力を身につけられる構成になっています。
これらの内容を通じて、読者は単なる知識の羅列ではなく、「なぜそのように設計するのか」という設計の意図や思考プロセスを学ぶことができます。理論と実践をバランス良く学ぶことで、機械設計の基礎を確実に身につけられるでしょう。
また初版が発行されて15年が経ち、この間に設計プロセスにおいて3D-CADの利用・AI化が進んできました。また、JISは日本工業規格から日本産業規格へと名称が変わり、内容も変わってきました。そのような背景も踏まえ、以下の3点を改訂しました。
(1) グローバルな設計環境で求められる幾何公差の項目を1章に追加しました。
(2) JIS規格の引用箇所を見直し、最新の規格に変更しました。
(3) 分かりやすい表現、統一的な表記になるように加筆・修正しました。
こんな方にオススメ
- はじめて機械設計を学ぶ学生
- ものづくりのための設計を基礎から学びたい人
目次
第1章 機械要素設計の基礎
- 1-1. 機械要素と機械設計
- 1-2. 力学の基礎
- 1-3. 材料の機械的性質と材料試験
- 1-4. 安全設計
- 1-5. 標準と規格
- 1-6. 寸法公差とはめあい
- 1.7. 幾何公差
- 1-8. 粗さ
- 演習問題
第2章 ねじ
- 2-1. ねじとつる巻線
- 2-2. ねじの種類
- 2-3. ねじ部品の種類
- 2-4. 座金の種類
- 2-5. ねじの力学
- 2-6. ねじの強度設計
- 演習問題
第3章 溶接継手
- 3-1. 溶接の種類
- 3-2. 溶接に関する用語と継手の種類
- 3-3. 溶接による変形と残留応力
- 3-4. 溶接継手の強度計算
- 演習問題
第4章 軸、キーおよび軸継手
- 4-1. 動力とトルク・角速度の関係
- 4-2. 軸の種類
- 4-3. 軸径の設計
- 4-4. 危険速度
- 4-5. キー
- 4-6. スプラインとセレーション
- 4-7. 軸継手
- 演習問題
第5章 軸受
- 5-1. 軸受の役割
- 5-2. 転がり軸受と滑り軸受
- 5-3. 転がり軸受
- 5-4. 滑り軸受
- 演習問題
第6章. 歯車
- 6-1. 歯車伝動の特長
- 6-2. 歯形曲線
- 6-3. 歯車の名称および記号
- 6-4. 歯の大きさの基準
- 6-5. 歯車の設計
- 6-6. 転位歯車
- 6-7. 動力の伝達、設計で考慮すべき事項
- 6-8. 歯車の種類と用途
- 6-9. 歯車列
- 演習問題
第7章 ベルトおよびチェーン
- 7-1. ベルト伝動装置
- 7-2. 平ベルトによる伝動
- 7-3. Vベルトによる伝動
- 7-4. 歯付きベルト
- 7-5. チェーン伝動装置
- 7-6. アイドラ
- 演習問題
第8章 クラッチおよびブレーキ
- 8-1. クラッチ
- 8-2. ブレーキ
- 演習問題
第9章 リンクおよびカム機構
- 9-1. リンク機構(link mechanism)
- 9-2. カム機構(cam mechanism)
- 演習問題
第10章. ばね
- 10-1. ばねの用途とばね材料
- 10-2. ばねの種類と設計
- 演習問題
第11章 歯車減速機の設計
- 11-1. 歯車減速機
- 11-2. 設計のポリシーと仕様
- 11-3. 歯車の設計
- 11-4. プーリの設計
- 11-5. 軸の設計
- 11-6. 軸受の設計
- 11-7. キーの設計
- 11-8. まとめ
- 演習問題の解答
プロフィール
有光隆
1980年 徳島大学大学院工学研究科修了
1990年 工学博士(大阪大学)
1993年 愛媛大学工学部准教授
2021年 定年退職
八木秀次
1974年 愛媛大学大学院工学研究科修了
1986年 工学博士(大阪大学)
2013年 愛媛大学工学部教授
2016年 愛媛大学社会共創学部教授
2020年 愛媛大学社会共創学部非常勤講師