概要
紀元前1800年頃の古代バビロニア「粘土板プリンプトン322」に15個のピタゴラス数が記されています。その15個は,ほぼ「直角二等辺三角形」の 1192+1202=1692 から始まり,「底辺と高さの比の値」がどんどん大きくなるように並べられています。古代バビロニアでは,ピタゴラスの定理だけでなく,ピタゴラス数の公式も知られていたと考えられます。その後,フェルマーは「3,4,5」や「5,12,13」の斜辺5や13に着目し,「4で割ると1余る」素数pは p=a2+b2 と表されることを発見しました(フェルマーの2平方定理)。
それについて証明を与えていったのがオイラーです。そして,オイラーの方法に満足しなかったのがルジャンドルやガウスです。本書では,この辺の一連の考え方や流れをわかりやすく解説していきます。
古代バビロニア「粘土板プリンプトン322」にまで遡りその後の歴史を詳しく読み解くことに挑戦した本書を,ぜひご堪能ください。
こんな方におすすめ
- 数学の歴史や整数論に興味のある方々
- フェルマーやガウスといった大数学者のファン